はぴテク相談室:ウェルビーイングについて学ぶことは、幸せにつながるのか。
最近、幸せについて学んでみようかなと思って、ウェルビーイングの本を読んだり動画を見たりしているんですが、正直あまり変わった気がしないんですよね…。こういう「幸せの勉強」って、本当に意味があるのでしょうか?
それは大切な疑問ですね!実はまさにその「幸せについて学ぶことは効果があるのか」を調べた研究があるんです。イェール大学の有名なコース「心理学と良き人生」をベースに、ブリストル大学で「しあわせの科学」というコースを受けた大学生228人を、コース前・コース後・2年後と追跡調査したものです。何か感じることはありましたか?
へえ、実際に調べたんですね!で、結果はどうだったんですか?やっぱり勉強すると幸せになれるんでしょうか?
コースを受けた直後は、幸福度が10〜15%くらい向上していたんです!でも…2年後に追跡調査してみると、その向上がほとんど維持されていなかった、という結果でした。統計的にも「有意な差がない」という状態になってしまっていたんですね。
やっぱり…一時的な気持ちの盛り上がりだけで、長続きしないんですね。なんか、勉強しても無駄なのかなって思えてきました。
ちょっと待ってください!実はここに大事な続きがあるんです。2年後も「コースで学んだことを実践し続けていた人たち」に絞って分析すると、直後と同じくらいの高い幸福度を維持していたんです。学んだ参加者の約半数(51%)がこのグループに当てはまっていました。
「実践し続けていた人」というのは、具体的にどんなことをしていたんですか?
コースの中で推奨されていた「ウェルネス活動」を継続していた人たちです。たとえば感謝の気持ちを書き留めたり、人との繋がりを大切にしたり、運動や睡眠に気を配ったりといった活動ですね。大事なのは「知っている」ことより「続けている」ことだった、ということです。
なるほど…。でも「続ける」って、それが一番難しいんですよね。どうしたら続けられるんでしょう?
本当にそうですよね。この研究でも、「将来の学生が取り組みを続けるための仕組みや工夫をコースに組み込むべき」と提言されているくらいです。私がよくお伝えしているのは、「幸せはスポーツや楽器の練習に似ている」というイメージです。一度学んだだけで弾けるようにならないのと同じで、少しずつ練習を続けることが大切なんです。
確かに、ギターを習ったとき、毎日少し弾いていたときは上達したけど、やめたら元に戻ったことを思い出しました(笑)。幸せも同じ感覚なんですね。
まさにその感覚です!「毎日完璧にやる」じゃなくて「ちょっとでいいから続ける」がポイントだと思います。今すでに本を読んだり動画を見たりしているんですよね?それ自体はとても良いスタートです。そこから何か一つ、小さく実践してみることはできそうですか?
そうですね…。最近読んだ本に「今日あった良いことを3つ書く」というのがあって、面白そうと思いつつ全然やっていませんでした。それをまず試してみようかな。
それ、すごくいいですね!「3つの良いこと」はまさにこういったコースでも取り上げられる定番の活動のひとつです。毎日じゃなくてもいいので、思い出したときに書いてみる、くらいの気軽さで始めてみてください。「学ぶ+ちょっと実践し続ける」のセットが、この研究が示すポイントですから😊
なんか、やる気が出てきました!勉強しても意味ないかもって思っていたけど、「続けること」に意味があるんですね。ありがとうございます。
その気づきが一番大切です!この研究は大学生を対象にしたものなので、すべての人に同じ結果が出るとは限りませんが、「学んだことを日々の生活に少し取り入れ続ける」という方向性はとても参考になると思います。焦らず、楽しみながら続けてみてくださいね😊
■ 今日のまとめ
- ウェルビーイングを学ぶコースは受講直後に幸福度が10〜15%向上したが、2年後には全体的にその効果が維持されていなかった。
- ただし、学んだ活動を実践し続けた人(約半数)は、2年後も高い幸福度を維持していた。
- 幸せはスポーツや楽器に似ており、「知識を得るだけ」でなく「小さく続けること」が長期的な効果のカギ。
■ 出典・注意事項
- 出典:Hendy, S. C. et al. (2024). Long-term analysis of a psychoeducational course on university students' mental well-being. Higher Education. https://link.springer.com/article/10.1007/s10734-024-01202-4
- 注意事項①:本研究はブリストル大学の学部生228人を対象にしたものであり、結果がすべての年齢層・文化圏の人に当てはまるとは限りません。
- 注意事項②:コースを受けた学生はベースライン(受講前)の時点でもウェルビーイングスコアが高かったことが指摘されており、サンプリングバイアス(もともと関心が高い人が集まりやすい偏り)がある可能性があります。
- 注意事項③:「実践を続けた人が幸福度を維持していた」という結果は探索的分析によるものであり、実践が幸福度を維持させたという因果関係を直接示すものではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
ウェルビーイングについて学ぶことは、幸せにつながるのか。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-03-12-1710277747/