はぴテク相談室:大学生の幸せと学業成績
最近、大学の勉強がうまくいかなくて…。テストの点数も下がってるし、授業もなんとなくサボりがちで。どうしたらいいのか分からなくて相談したくなりました。
それは辛いですね。勉強がうまくいかない時期って、焦りも出てきますよね。実は最近、アメリカのパデュー大学の研究者たちが「大学生の幸せと学業成績」の関係を調べた面白い研究を発表したんです。何が成績や出席率と結びついているのか、一緒に見ていきましょうか😊
幸せと成績が関係してるんですか?なんか意外な感じがして…。具体的にどんなことを調べたんですか?
この研究では、大学生の「幸せ」を5つの角度から測ったんです。①気分のポジティブ・ネガティブ感情、②グリット(情熱・粘り強さ・回復力)、③目的や意味、④人間関係、⑤リーダーシップ、この5つです。そして成績・出席・サークル参加などとの関係を調べました。あくまで相関関係なので「これをやれば成績が上がる」とは言えないのですが、強いつながりが見えてきたんですよ。
なるほど。で、成績と一番関係が強かったのって何だったんですか?
成績と最も関係が強かったのは「グリット」でした。特に「回復力」と「粘り強さ」の部分です。グリットとは、失敗してもへこたれずに続けられる力のこと。次いで②ポジティブ・ネガティブな感情のバランス、③人間関係の中の「信頼感」が続きました。授業の出席率についても、ポジティブな気持ち・粘り強さ・回復力の3つが同率で最も関係が強かったんですよ。
グリット…回復力と粘り強さですか。実は私、ちょっと失敗するとすぐ「もうダメだ」って諦めがちで。それが関係してるのかもしれないですね。
おっ、それは大事な気づきかもしれません!「回復力」というのは、うまくいかない時にまた立て直せる力のこと。これが高いほど幸せ度(主観的ウェルビーイング)とも強く結びついていて、逆に「不幸せ感」とはマイナスの強い関係があることも分かっています(r = -0.54)。つまり回復力が低いと不幸せを感じやすい、という関係が見られたわけです。
うーん…じゃあ回復力を高めるにはどうすればいいんでしょう?この研究に何かヒントはありますか?
研究からは、幸せと強く結びついていたものとして「人間関係の信頼感」も上位に来ています(r = 0.64)。信頼できる人間関係があると幸せ感が高い、という関係です。友人・先輩・家族など、「この人なら話せる」と思える相手はいますか?
友達は何人かいますが…最近あまり会えてないかも。サボりがちになってから、なんか気まずくて自分から遠ざかってた気がします。
それは悪循環になりやすいパターンですね。この研究では「不幸せ感」と関係が強かったもののひとつに「人間関係の中のネガティブな体験」もありました(r = 0.41)。人との関係がしんどいと、幸せ感にも影響が出やすいんですよね。逆に言えば、信頼できる人との良いつながりが、幸せを支える大きな柱になっているようです。
確かに…。友達とちゃんと話せると少し気持ちが楽になる気がします。あと、グリットって生まれつきのものじゃないんですか?変えられるものなの?
この研究自体はグリットを「変えられるかどうか」を検証したものではないので、断言はできません。ただ、グリットは「情熱×粘り強さ×回復力」の組み合わせとして測られています。「小さな目標をクリアする」「失敗を学びとして振り返る」といった行動の積み重ねと関係があると言われることが多いです。今日すぐ全部変えようとせず、まず「今週1回だけ授業に出てみる」くらいの小さな一歩から始めてみるのはどうでしょう?
それならできそうな気がします。なんか、幸せと成績ってバラバラに考えてたけど、つながってるんですね。今日話してすごくスッキリしました!
それは良かったです😊 この研究が教えてくれているのは、「勉強を頑張れ」という話ではなく、「回復力・人間関係の信頼・ポジティブな気持ち」といった幸せの土台を整えることが、結果として学業とも関係しているよ、ということです。ぜひ、信頼できる友達に久しぶりにLINEしてみることから始めてみてください!
■ 今日のまとめ
- ①グリット(特に回復力・粘り強さ)が学業成績・出席率と最も強く関係していた。失敗してもまた立て直す力が大切と言えそうです。
- ②人間関係の「信頼感」が幸せ感と最も強く結びついていた(r=0.64)。身近に話せる人がいることが、幸せの大きな柱になっているようです。
- ③幸せ(ウェルビーイング)と学業成績は切り離されたものではなく、気持ちの状態や人間関係が成績・出席とも関係していることが示されました。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Steven Zhou, H. Anne Weiss, Beth McCuskey & Louis Tay, 'College Student Well-Being: Explaining Academic and Behavioral Outcomes from a Representative College Student Sample', Journal of Happiness Studies, 2025/6/3. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-025-00906-3
- 【注意事項①】本研究は相関研究です。「グリットや人間関係が成績を上げる」という因果関係を示したものではありません。関係の強さ(相関)が確認されたにとどまります。
- 【注意事項②】対象はアメリカの特定の大学の学生サンプルです。日本の大学生にそのまま当てはまるとは限りません。
- 【注意事項③】ウェルビーイングの測定には新たに開発された尺度が使用されており、今後さらなる検証が必要な段階の研究です。
研究自体の紹介はこちら😊
大学生の幸せと学業成績
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-06-03-1748989329/