はぴテク相談室:ポジティブ心理学とポジティブ組織行動論を感じられる映画13本
最近、仕事や日常生活でなんとなく気持ちが上がらなくて…。ポジティブになりたいとは思うんですけど、難しくて。何かいい方法ってありますか?
そうなんですね、なんとなくモヤっとした感じが続いているんですね。実は、神戸大学の金井壽宏先生らの研究で、「ポジティブ心理学」の考え方を映画を通じて学べるという面白いアプローチが紹介されています。難しい本を読まなくても、映画を見ながらポジティブな心の仕組みを感じ取れるって、素敵だと思いませんか?
映画でポジティブ心理学が学べるんですか?それは面白そう!でも、ポジティブ心理学って具体的にどういうものなんでしょう?
ポジティブ心理学とは、「人間の強み」や「良い状態」に注目する心理学の分野です。たとえば「希望」「感謝」「自分をうまくコントロールする力(自己調整)」「勇気」「好奇心」といったテーマを扱います。研究では、これらの要素が私たちのウェルビーイング、つまり幸福感や充実感と関わっていると考えられています。そしてこれらのテーマが、実は映画の中にたくさん描かれているんです。
具体的にどんな映画が紹介されているんですか?
全部で13本紹介されています!たとえば『ターミナル』(2004年)は、空港に閉じ込められた主人公が逆境の中でも好奇心と創造性を発揮して生き抜く物語で、「好奇心」と「創造性」というテーマを感じられます。また『遠い空の向こうに』(1999年)は炭鉱町の少年がロケット開発の夢を追う話で、「自己調整(セルフ・レギュレーション)」、つまり自分の行動や感情をうまくコントロールしながら夢に向かう姿が描かれています。
なるほど!私、『ビューティフル・マインド』は見たことあります!あれもそういう観点で見られるんですか?
まさに!『ビューティフル・マインド』は、統合失調症と闘いながら研究を続けた天才数学者の実話ですよね。この映画では「パースペクティブ(物事を広い視野で捉え直す力)」と「レジリエンス(逆境から回復する力)」というテーマが感じられると紹介されています。見たことのある映画を、こういう視点で振り返ってみると、また新しい気づきがありそうですよね。
確かに!ただ見るのと、こういう視点を持って見るのは全然違いそうですね。他にも気になる映画はありますか?
気持ちが上がらないときには、「希望」や「つながり」をテーマにした映画が合うかもしれません。『34丁目の奇跡』は「希望(hope)」と「見えないものを信じる力」がテーマですし、『アメリ』は内向的な主人公が他者への善意を通じて自分の殻を破っていく話で「感謝(gratitude)」や「人とのつながりの喜び」が描かれています。どちらも見終わった後に温かい気持ちになれそうな作品ですよ。
『アメリ』は昔見たことがあって好きな映画でした!そういう意味があったんですね。でも、映画を見るだけでポジティブになれるものなんでしょうか?
この研究は、映画を「教材」として使うことで、ポジティブ心理学の考え方を感じ取り、理解を深めるための素材として紹介しています。「映画を見ればポジティブになれる」と直接言っているわけではなく、「こういうテーマを意識しながら映画を見ることが、学びや気づきにつながる」というアプローチですね。まずは身近な映画を通じて、これらの概念を自分ごととして感じてみるところから始めてみる、という感じです。
それなら気軽に取り組めますね!たとえば『十二人の怒れる男』みたいな古い映画も入っているのが面白いなと思いました。
いいところに気づきましたね!あの映画は1957年の作品ですが、「勇気(courage)」と「信念を貫く強さ」というテーマがあるとして紹介されています。12人の陪審員の中で一人だけ「無罪かもしれない」と主張し続ける姿は、周囲の圧力に屈せずに自分の判断を持つという、まさに勇気のお手本ですよね。ポジティブ心理学のテーマって、時代を超えて普遍的なんだなと感じさせてくれます。
なんか映画を見るのが楽しみになってきました!まず何から見てみればいいでしょう?
すでに見た『アメリ』を「感謝」と「つながり」の視点で見直してみるのもいいですし、まだ見ていないなら『ターミナル』や『遠い空の向こうに』あたりは特に「逆境の中でも前を向く力」を感じやすい作品なのでおすすめです。見る前に「この映画では何のポジティブなテーマが描かれているかな?」と少し意識してみるだけで、映画の味わい方がきっと変わってきますよ。
■ 今日のまとめ
- ポジティブ心理学では「希望」「感謝」「自己調整」「勇気」「好奇心」などの人間の強みや良い状態に注目しており、これらのテーマは映画の中にも自然に描かれている
- 神戸大学の金井先生らの研究では、映画を「学びの教材」として活用し、ポジティブ心理学・ポジティブ組織行動論の概念を感じ取るアプローチが紹介されている
- 見たことのある映画をポジティブ心理学の視点で振り返ったり、テーマを意識しながら新しい映画を見たりすることが、これらの概念を身近に感じる入り口になりうる
■ 出典・注意事項
- 出典:金井壽宏・森永雄太・原理恵・小川智健・藤原史博(2009)「ポジティブ心理学とポジティブ組織行動論に寄与する映像教材―経営学の組織行動論に対してポジティブ心理学の応用をめざす人勢塾における教育・研究素材の充実のために―」神戸大学ディスカッションペーパー 2009_43 https://b.kobe-u.ac.jp/papers/2009_43/
- 注意事項:本研究は、映画を教育・研究素材として整理・紹介したディスカッションペーパーであり、「映画を見ることでウェルビーイングが向上する」という因果関係を実証したものではありません
- 注意事項:紹介されている映画の解説はポジティブ心理学・ポジティブ組織行動論の研究会向けの教材として作成されたものであり、映画の唯一の解釈を示したものではありません
研究自体の紹介はこちら😊
ポジティブ心理学とポジティブ組織行動論を感じられる映画13本
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-30-1738275020/