2024.12.02

はぴテク相談室:学年組織における継続的なポジティブ組織開発の試みと評価

相談者

最近、職場の雰囲気がなんとなく重くて…。先生同士がバラバラな感じがして、もっとチームとして動けたらいいなと思っているんですけど、何か良い方法ってあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩みますよね。実はちょうど、学校の先生たちのチームワークを良くしようという研究があるんです。2022年に発表された研究で、「ポジティブ組織開発」という手法を学年のチームに取り入れてみた、という内容なんですよ。

相談者

ポジティブ組織開発…?なんだか難しそうな言葉ですね。どんなことをするんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

難しく聞こえますよね(笑)。ざっくり言うと、「問題点を探してつぶす」のではなく、「うまくいっていることや、理想の姿にフォーカスして対話していく」アプローチなんです。「アプリシエイティブ・インクワイアリー」という方法が元になっていて、良いことを発見して→夢を描いて→設計して→実践する、という流れで進めます。

相談者

なるほど!問題より良い面に目を向けるんですね。実際に先生たちの間でやってみて、どうだったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

アンケートでは、先生同士の「同僚性(仲間として協力し合う感覚)」や「心理的安全性(自分の意見を言いやすい雰囲気)」にポジティブな変化が見られました。ただ、インタビューでは課題も出てきたそうで、「バシッと結果が出た!」というほどではなかったみたいです。

相談者

うーん、あまり劇的には変わらなかった感じですか?何か理由があったんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究者自身も、いくつか要因を考察しています。まず期間が約2ヶ月と短かったこと。それから、この対話の場が「関係性をよくしよう」というテーマではなく、あくまで「より良い授業を探求する」という校内研究の文脈だったこと。目的がずれると、なかなか関係性の深まりには直結しにくいのかもしれませんね。

相談者

確かに、授業の話し合いって仕事の内容メインになりがちですよね。だったら「お互いをもっと知ろう」みたいな対話の場があったほうが良かったのかな?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね、研究者もそこに触れていて、「関係性や相互理解をテーマにした対話にしても良かったかもしれない」と書かれていました。職場のチームワークを高めたいなら、仕事の課題だけでなく、「自分たちがどうありたいか」「どんな場所にしたいか」という理想を話し合う時間も大事かもしれませんね。

相談者

自分の職場でも、ちょっとそういう時間を作ってみたいなと思えてきました。でも、うまくいくかどうか不安で…。

はぴテクさん
はぴテクさん

気持ちはよく分かります!この研究も「継続的に」というのがポイントで、一回やって終わりじゃなく、ちょっとずつ積み重ねていく形で実践されていたんです。すぐに大きな変化を求めず、まずは小さな対話の場を繰り返してみる、という姿勢が大切なのかもしれませんね。

相談者

「継続的に」というのは励まされます。焦らず少しずつやってみようかな。何かすぐにでも始められることってありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究のアプローチを参考にするなら、まず「最近チームでうまくいったこと、嬉しかったこと」を話し合う小さな時間を作ってみるのが一歩目になりそうです。問題ではなく「良かったこと」に目を向けることで、少しずつ雰囲気が変わっていく可能性があります。もちろん、これは研究でも完全に証明されたわけではなく、あくまで可能性の話ですけどね。

相談者

「良かったことを話す時間」か。シンプルだけど、なかなかやれていなかったかも。ちょっと意識してみます!ありがとうございました。

はぴテクさん
はぴテクさん

素敵ですね!ほんの小さな対話でも、積み重ねることで何かが変わっていくかもしれません。この研究自体も「素敵な取り組み」と評価されていましたし、あなたの職場でのチャレンジも応援しています!

■ 今日のまとめ

  • 問題点ではなく「うまくいっていること・理想の姿」に注目して対話するポジティブ組織開発という手法を、学校の先生チームで継続的に実践した研究があります。
  • アンケートでは同僚性・心理的安全性にポジティブな変化が見られましたが、約2ヶ月という短期間・授業探求という限られたテーマの対話であったことが影響した可能性があります。
  • 関係性の向上を目指すなら、仕事の課題だけでなく「お互いの理想や良かった経験」を共有する対話の場を継続的に設けることが鍵になりそうです。

■ 出典・注意事項

  • 出典:松原達哉ほか「学年組織における継続的なポジティブ組織開発の試みと評価」日本教育工学会研究報告書, 2022(4), JSET2022-4-C4 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsetstudy/2022/4/2022_JSET2022-4-C4/_pdf/-char/ja

  • 注意事項①:本研究はアンケートとインタビューによる実践報告であり、統計的な因果関係を示すものではありません。「ポジティブ組織開発を行ったから同僚性が上がった」とは断言できません。

  • 注意事項②:対象は特定の学校の学年組織であり、他の職場や組織にそのまま当てはまるとは限りません。

  • 注意事項③:実施期間が約2ヶ月と短く、長期的な効果については本研究では検証されていません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
学年組織における継続的なポジティブ組織開発の試みと評価
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-12-02-1733163454/

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