2024.07.20

はぴテク相談室:教師が幸せだから、生徒も幸せになる❗

相談者

最近、子どもが学校から帰ってくると元気がなくて…。勉強のことより、なんか学校自体が楽しくなさそうで心配なんです。学校の環境って、子どもの気持ちに影響するものなんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは心配ですよね。実は最近、とても興味深い大規模な研究が発表されまして、学校環境の中でも特に「先生の幸せ」が子どもの幸せに関係しているということがわかってきたんです。少し聞いてみますか?

相談者

先生の幸せが子どもに関係する?それはどういうことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

19カ国、先生と生徒あわせて約18万人という大規模な調査なんですが、「先生が教職に対して満足している(=幸せを感じている)と、生徒の人生満足度が上がり、ポジティブな感情が増え、ネガティブな感情が減る」という関係が見られたんです。論文のタイトルもズバリ『幸せな教師は幸せな生徒をつくる』なんですよ😊

相談者

へえ!でも、先生が幸せかどうかなんて、子どもにわかるんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

子ども自身が意識しているわけではないと思いますが、研究では「幸福の社会的伝染」という考え方を使っています。感情って、人から人へ無意識に伝わっていくものだという研究の流れがあって、先生が教職にやりがいや喜びを感じていると、それが自然と子どもたちにも伝わっていく可能性があると考えられているんです。

相談者

なるほど…。じゃあ、先生が学校という職場自体を気に入っているかどうかも関係しますか?たとえば「この学校好きだ」みたいな気持ち。

はぴテクさん
はぴテクさん

実はここが面白いところで、「職場環境への満足度」は生徒のポジティブ感情と少し関係が見られたんですが、「教職そのものへの満足度」ほどの強い関係はなかったんです。そして職場環境への満足度は、まず教職への満足度に影響して、それを経由して生徒の幸せにつながっているという流れが示されていました。

相談者

つまり「この学校が好き」より「教師という仕事が好き」の方が、子どもの幸せに関係しているということ?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。「教師であることに誇りを感じる」「もう一度選んでも教師になる」というような気持ちが、特に関係が強かったようです。一方で「職場環境の満足度」も、教職満足度を通じて間接的には子どもに届いているので、どちらも無関係ではないんですよね。

相談者

それって、子どもの担任の先生がどれくらい教師という仕事を好きかによって、うちの子の気持ちも変わってくるってことですよね…。なんか複雑な気持ちです。親としてどうすることもできないし。

はぴテクさん
はぴテクさん

おっしゃる通りで、保護者が直接コントロールできることではないですよね。ただ、この研究が示しているのは「先生個人の問題」というよりも、「先生が働きやすい環境をつくること、教職が社会から大切にされること」が、回り回って子どもたちの幸せにもつながるという大きなメッセージだと思うんです。実際、英国のデータでは教師の75%が強いストレスを感じているという報告もあって、教育全体の課題として捉えられているんですよ。

相談者

先生たちもそんなに大変なんですね…。ちょっと見方が変わりました。でも今すぐ子どもの状況をよくするために、何かできることはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究は先生側の要因に注目したものなので、「保護者がこうすれば子どもが幸せになる」という答えを直接出してくれるものではないんです。ただ、先生と子どもの関係が子どものウェルビーイングに関わるという知見から言えば、担任の先生とのコミュニケーションを大切にしてみることは、一つのヒントになるかもしれません。お子さんが学校で何を感じているか、先生がどんな存在かを、焦らず話せる雰囲気を家庭でつくるのも大事なことだと思いますよ😊

相談者

そうですね。先生のことも少し気にかけながら、子どもとの会話を大切にしてみます。今日はいろいろ教えてくれてありがとうございました!

はぴテクさん
はぴテクさん

こちらこそ、大切な話をしてくれてありがとうございました。先生の幸せが子どもの幸せに関係しているという研究、社会全体で先生を支えることの大切さを改めて考えさせてくれますよね。お子さんが笑顔で帰ってくる日が増えるといいですね😊

■ 今日のまとめ

  • 19カ国・約18万人の大規模調査で、先生が「教職そのもの」に満足しているほど、生徒の人生満足度が高く、ポジティブ感情が多く、ネガティブ感情が少ない傾向が見られた。
  • 「職場環境への満足度」は生徒の幸せに直接関係するより、まず教職への満足度に影響し、それを経由して生徒の幸せにつながるという流れが示された。
  • 先生の幸せは個人の問題ではなく、教職が社会から大切にされ、働きやすい環境が整うことと関係しており、それが子どもたちのウェルビーイングにも関わるという大きな示唆がある。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Sakar et al.,『Happy Teachers Make Happy Students: The Social Contagion of Well-Being from Teachers to Their Students』, School Mental Health, 2024年7月17日公開. https://link.springer.com/article/10.1007/s12310-024-09688-0

  • データ出典:PISA(学習到達度調査)2018。19カ国・5400校、教員89,614人・生徒93,555人。

  • 注意事項①:本研究は相関関係を示すものであり、「先生の満足度が高いから生徒が幸せになる」という因果関係を証明したものではありません。

  • 注意事項②:対象は19カ国のPISA参加国・地域に限られており、日本を含むすべての国や文化に同様に当てはまるとは限りません。

  • 注意事項③:学校のSES(社会経済的背景)や生徒のSES・性別は統計的に調整されていますが、他の交絡要因が残っている可能性があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
教師が幸せだから、生徒も幸せになる❗
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-07-20-1721479522/

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