はぴテク相談室:幼稚園・保育園の先生の保育実践力は、子供達との関係性を深めつつ、そんな保育を通し
保育士として働いているんですが、最近「もっと上手くなりたい」という気持ちが薄れてきた気がして…。経験年数が増えれば自然とやる気も出るものかと思っていたんですが、なかなかそうもいかなくて。何かヒントになることってありますか?
それは悩ましいですね。実はそのモヤモヤに関係する研究があるんです。保育者を対象にした調査で「やってみよう!というエネルギーはどこから来るのか」を調べたものなんですが、聞いてみますか?
ぜひ聞きたいです!経験年数が関係するかどうか、気になります。
実はこの研究、経験年数は関係なかったんです。新人でもベテランでも、やる気の源は同じところにあると分かったんですよ。その源が2つあって、ひとつは「マスタリー目標」、もうひとつは「関係性目標」と呼ばれているものです。
マスタリー目標…?なんだか難しそうな言葉ですね。どういう意味ですか?
簡単に言うと「保育を通して自分自身も成長したい」という気持ちのことです。子どもに何かを教えるだけじゃなくて、自分も一緒に学んでいるという感覚、ありませんか?そういう意識が「やってみよう!」につながりやすいし、実際の保育の質とも関連していたんです。
あ、それなら分かる気がします。子どもに絵本を読んでいて「あ、こんな反応するんだ」って私も発見があるときって、確かに楽しいですね。もうひとつの「関係性目標」っていうのは?
「関係性目標」は、子どもたちと一緒に楽しさや感情を共有したい、一体感を感じたいという気持ちのことです。「この子と一緒に笑いたい」「この子の喜びを一緒に味わいたい」という感覚ですね。これも同じように、保育の実践力と関連が見られたんです。
じゃあ逆に、どんな気持ちだとやる気につながらなかったんですか?
面白いことに「自分のクラスが他のクラスより良い感じだ!」という比較での優越感や、「仕事が楽にこなせる」という気持ちは、やる気や保育実践力との関連が見られなかったんです。外から見た評価や、楽かどうかよりも、内側から湧いてくる「成長したい」「子どもと繋がりたい」という気持ちの方が大事だったということですね。
なるほど…。私、最近「ちゃんとこなせているか」ばかり気にしていたかもしれません。子どもと一緒に楽しむ感覚が薄れていたような気がしてきました。
そう気づけるのって大切なことだと思いますよ。ただ念のためお伝えすると、この研究は「こういう気持ちを持っている人は保育実践力が高い傾向がある」という関連を調べたもので、「こう思えば必ずやる気が出る」という証明ではないんです。あくまで参考として見てもらえると。
それでも、自分の気持ちを見直すヒントになりました。「子どもと一緒に楽しみたい」「自分も成長したい」という気持ちを思い出すことから始めてみます。ありがとうございました!
素敵ですね!経験年数に関係なく大事な気持ちだと分かっているので、新人の頃に感じていたワクワクを思い出すような感覚で、ぜひ子どもたちと向き合ってみてください。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 「保育を通じて自分も成長したい(マスタリー目標)」と「子どもと楽しさや一体感を共有したい(関係性目標)」の2つの気持ちが、保育へのやる気や実践力と関連していた。
- この傾向は経験年数(新人・ベテラン)に関わらず共通して見られた。
- 「他より良いクラスにしたい」「楽にこなしたい」といった外向きの気持ちは、やる気や実践力との関連が見られなかった。
■ 出典・注意事項
- 出典:中坪ほか「保育者の達成目標志向性尺度の検討および保育実践力との関連」応用教育心理学研究, 40(2), 2024年4月 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcep/40/2/40_3/_pdf
- 注意事項①:本研究は質問紙調査による相関研究です。「この気持ちを持てば保育実践力が上がる」という因果関係を証明したものではありません。
- 注意事項②:対象は保育者283名であり、特定の地域・環境に偏りがある可能性があります。結果をすべての保育者に一般化するには慎重さが必要です。
- 注意事項③:パフォーマンス接近目標・回避目標・仕事回避目標については、尺度の妥当性に課題が残されており、今回の解釈の対象外としています。
研究自体の紹介はこちら😊
幼稚園・保育園の先生の保育実践力は、子供達との関係性を深めつつ、そんな保育を通し
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-20-1713576183/