はぴテク相談室:目標設定は幸せに繋がるけど、自分ゴトとして設定したり、自分の喜びや利他心につなが
最近、仕事で目標を立てるように言われているんですが、なんか義務感でやっているだけで、全然ワクワクしないんです。目標って立てれば幸せになれるものなんですか?
それは大事な気づきですね!実は「目標を立てる」こと自体よりも、「なぜその目標を追いかけるのか」という理由の方が、幸福感と深く関係していることが研究で分かっているんです。義務感だけで動いている感覚があるなら、その理由を見直すのがポイントかもしれません。
理由によって違うんですか?どんな理由があるんでしょう?
この研究では、目標を追いかける理由を4つに分けています。①「楽しいから・ワクワクするから(喜び)」、②「誰かの役に立てるから(利他心)」、③「失敗したら恥ずかしいから・見下されるから(自尊心を失う恐怖)」、④「生活のために仕方なく(必要性)」の4つです。このうち、幸福感と関連していたのは①の喜びと②の利他心だったんです。
なるほど…私の場合、完全に③と④ですね。「やらないと評価が下がる」とか「給料のためには仕方ない」みたいな感じで。
正直に話してくれてありがとうございます。それ、すごく多くの人が感じていることだと思います。研究の言葉で言うと、③は「自尊心喪失の恐怖」、④は「必要性」ですね。これらは今回の研究では幸福感との関連が弱かった、ということが示されています。逆に言えば、目標の中に少しでも「楽しそう」とか「誰かが喜んでくれそう」という要素を見つけられると、気持ちが変わってくる可能性があります。
でも、自分が何を楽しいと思っているのか、正直よく分からなくて…。自分のやりたいことを目標に入れていいのか、そもそも自信もないんです。
その感覚、実は研究でもカバーされています。「アサーティブネス」、つまり自分の気持ちや意見をちゃんと主張できる力が高い人ほど、目標設定の理由が幸福感と強く結びついていることが分かっています。自己主張が低いと、自分のニーズやウォンツを目標に取り込みにくくなってしまう、という考察もされています。
あー、確かに。「自分の意見を言ったらわがままかな」と思って、つい周りに合わせちゃいます。それが目標設定にも影響してるんですね。
そうなんです。自分の希望を伝える力(アサーティブネス)を少しずつ育てていくことが、目標を「自分ゴト」にするための土台になる、と研究は示唆しています。また、燃え尽き感(バーンアウト)が高い状態や、仕事への関与(ワークエンゲージメント)が低い状態だと、目標の理由と幸福感の関係が弱まることも分かっています。今、疲弊感はありますか?
正直、かなり疲れています。毎日なんとかこなしているって感じで、仕事が楽しいとは言えない状態です。
それは大変でしたね。研究によると、燃え尽き感が高い状態では、目標設定の工夫をしても幸福感に結びつきにくい可能性があります。まず疲弊をやわらげることが先決かもしれません。無理に「ワクワクする目標を見つけよう!」と焦らず、今できる小さなことから「これは少し面白いな」「これで誰かが助かるな」と感じる瞬間を探してみるくらいのペースでいいと思いますよ。
小さなことでもいいんですね。ちなみに、年齢によっても違いがあると聞いたんですが、どういうことですか?
面白い発見があって、この研究では24歳以上の人では目標を追いかける理由と幸福感の関連が見られたのに対し、24歳未満の若い人ではその関連がはっきりしなかったんです。研究者の考察では、年配の従業員の方が自分の好みに合わせて目標設定する柔軟性や裁量を持ちやすいのかもしれない、とされています。
なるほど。では私(30代)は、自分の好みに合わせて目標を設定しやすい立場ということですね。じゃあ、今日からできることって何かありますか?
まとめると3つのことを意識してみてください。まず、今ある目標の中に「これは楽しい」「これで誰かが喜ぶ」という要素が少しでもないか探してみること。次に、自分の気持ちや希望を少しずつ言葉にする練習(アサーティブネスを育てること)をしてみること。そして、今は疲れているなら、まず休息を大切にして、エネルギーを取り戻すことを優先すること。小さな一歩からで大丈夫ですよ。
■ 今日のまとめ
- 目標を立てること自体より「なぜその目標を追うのか」という理由が幸福感と関連しており、喜びや利他心に基づく理由の方が幸福感との関連が強いことが研究で示されています。
- 自己主張できる力(アサーティブネス)が高く、燃え尽き感が低く、仕事への関与が高い人ほど、目標の理由と幸福感の関連が強くなることが分かっています。まずは自分の状態を整えることが大切です。
- 目標の中に「楽しさ」や「誰かの役に立つ感覚」を少しでも見つけようとする意識が、目標を自分ゴトにするための第一歩になりえます。
■ 出典・注意事項
- 出典:Ehrlich, C., Milston, S. 'Subgroup specific relations between the goal-striving reasons framework and subjective well-being.' Current Psychology (2023).
- 注意事項①:本研究は相関分析に基づいており、「喜びを理由にすれば幸福になれる」という因果関係を示すものではありません。
- 注意事項②:対象は職場の従業員であり、特定の職場文化や属性の影響を受けている可能性があります。すべての人・状況に同様の結果が当てはまるとは限りません。
- 注意事項③:年齢区分(24歳未満・以上)の解釈は研究者による考察であり、確定的な説明ではありません。
研究自体の紹介はこちら😊
目標設定は幸せに繋がるけど、自分ゴトとして設定したり、自分の喜びや利他心につなが
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-05-08-1683586802/