2026.03.14

はぴテク相談室:自制心があるから幸せになるのではない、

相談者

最近、自分を律することができなくて悩んでいます。ダラダラしてしまったり、やろうと思ったことができなかったり…。自制心がないから幸せになれないのかな、って思うんですよね。

はぴテクさん
はぴテクさん

なるほど、「自制心がないから幸せになれない」という気持ち、すごくよく分かります。でも実は、その考え方をひっくり返すかもしれない面白い研究が出てきたんですよ。シンガポール国立大学のクー先生たちの研究なんですが、聞いてみますか?

相談者

え、ひっくり返す?どういうことですか?気になります!

はぴテクさん
はぴテクさん

これまで「自制心が高い人は幸せになりやすい」という考えが心理学の世界でも常識とされていました。でもこの研究では、アジアとアメリカの人たちを対象に、数ヶ月〜1年半にわたって追跡調査をした結果、実は「幸せな状態の人が、後から自制心が高まっていく」という方向の関係が見つかったんです。逆に、自制心が先にあっても、後の幸せを予測はしなかった、と。

相談者

えっ、逆なんですか!?じゃあ、頑張って自分を律しようとしても、幸せにはつながらないってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が示したのは、「自制心→幸せ」という方向の時間的な予測関係は見られなかった、ということですね。一方で「幸せ→自制心」という方向は確認されました。ただ、「自制心がまったく意味がない」とまでは言えませんし、相関はあるので両者はつながっています。ただ、どちらが先かという問いに対しては、幸せが先、という結果だったんです。

相談者

なんで幸せだと自制心が高まるんでしょう?不思議ですよね。

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の背景にある理論で説明されているのですが、ポジティブな気持ちや幸せな状態にあると、思考や行動の幅が広がって、心の余裕や資源が蓄積されていく、と考えられています。その蓄積が、自制心を発揮する土台になるんですね。逆にネガティブな感情や日常のストレスが続くと、脳の制御する力が圧迫されて、自制心が下がりやすいという研究もあるんです。

相談者

確かに、気持ちが落ちているときって「もういいや」ってなりやすいかも。じゃあ今の私みたいに、まず自制心を高めようとするより、まず幸せになることを目指した方がいいってことですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の結果はそういう方向を示唆しているといえますね。「自分を律するぞ!」と力んで頑張るよりも、まず自分が心地よくいられる状態、幸せを感じられる状態を作ることが、結果として自制心につながっていく可能性がある、ということです。ただ、これは縦断研究(時間をかけた追跡調査)ですが、実験的に「幸せにしたら自制心が上がった」と直接証明したわけではない点は押さえておきたいですね。

相談者

なるほど。でも「まず幸せになれ」って言われても、どうすればいいんでしょう…幸せになり方が分からないんですよね(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

確かにそこが難しいですよね(笑)。研究の中で言われているのは、ポジティブな感情を少しでも感じられる時間を作ることがポイントだということ。大きな幸せじゃなくて、「今日、ちょっと楽しかったな」「これは心地よいな」という小さな感覚でもいいんです。まず自分が何をしているときに心が軽くなるか、小さな気持ちよさを探してみることが出発点になるかもしれません。

相談者

小さな心地よさ、ですか。なんかそっちの方が取り組みやすい気がしてきました。「自分を律しなきゃ」って焦っていたのが、少し楽になった感じがします。

はぴテクさん
はぴテクさん

それはよかったです。「自制心がないから幸せになれない」ではなく、「幸せを感じることが自制心の土台になっていく」という視点に変わると、アプローチの仕方も変わってきますよね。自分を責めるよりも、自分の心地よさを大事にすることから始める、そういう発想の転換になる研究だと思います。

相談者

はい!なんか自分を責めるのをちょっとやめてみようという気になりました。ありがとうございます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それが一番の収穫かもしれませんね。研究の結果が、あなたの気持ちを少し楽にするヒントになれたなら嬉しいです。「幸せが先」という視点を持ちながら、日々の小さな心地よさを大切にしてみてください。

■ 今日のまとめ

  • シンガポール国立大学の縦断研究では、「幸せな状態にある人が、後から自制心が高まる」という方向の関係が確認された一方、「自制心が先にあると後の幸せが高まる」という方向は確認されませんでした。
  • ポジティブな気持ちや幸せな状態は、思考・行動の幅を広げ心の資源を蓄積する土台になると考えられており、それが自制心の発揮を支えると理論的に説明されています。
  • 「自分を律しなければ」と力むよりも、まず自分が心地よさや幸せを感じられる状態を作ることを優先するアプローチが、この研究の知見と合致しています。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Khoo, S. S., Jia, L., & Pek, J. et al. (2025). Feeling Well, Functioning Well: How Psychological Well-Being Predicts Later Self-Control, but Not the Other Way Around. Social Psychological and Personality Science. https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/19485506251385007

  • 注意事項①:本研究は縦断研究(追跡調査)であり、「幸せにしたら自制心が上がった」と直接証明する実験ではありません。時間的な予測関係を示したものであり、厳密な因果関係の証明ではありません。

  • 注意事項②:対象はシンガポールの働く成人(研究1)とアメリカ人(研究2)であり、他の文化・年齢層・生活環境にそのまま当てはまるかどうかは慎重に考える必要があります。

  • 注意事項③:自制心とウェルビーイングの間には安定した相関関係があり、「自制心がまったく意味がない」とは言えません。本研究が示したのは、時間的な先後関係において幸せが自制心を予測したという点です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
自制心があるから幸せになるのではない、
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-03-14-1773524681/

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