はぴテクさんのウェルビーイング相談室 〜幸せな人は、みんな似てるの?〜
はぴテクさん、最近ちょっと落ち込んでまして。SNSを見てると、幸せそうな人ってなんかキラキラした似た雰囲気があって。自分はそこに入れない気がするんです。
なるほど、その「幸せな人って似てる気がする」っていう感覚、実はちゃんとした研究があるんですよ。トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の有名な一文があって。「幸福な家庭はどれも似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸だ」っていう。
聞いたことあるような…。でもそれって、ただの文学的な表現ですよね?
それがですね、2023年の研究で「本当かどうか」が検証されたんです。結果は、ある意味で本当でした。幸福度が高い人たちは、性格や価値観が互いに似ていた。逆に幸福度が低い人たちは、あまり似ていなかったんです。
えっ、じゃあ私の感覚、当たってたんですね…。ちょっとショックです。やっぱり幸せな人には「正解の性格」があるってことですか?
いえいえ、そこは大事なポイントなんです。この研究が調べたのは「お互いにどれくらい近いか」という距離だけなんですよ。「どんな性格に似てるか」という中身までは、実は調べていないんです。
中身は分からない…?
そうなんです。たとえるなら「幸せな人たちは、なんとなく同じ方角に集まっている」とは分かったけど、「その集合場所がどこか」は分かっていない。だから「この性格じゃなきゃ幸せになれない」とは、この研究は言っていないんですね。
なるほど…。じゃあ、なんで幸せな人は似ちゃうんでしょう?
有力な考え方の一つはこうです。幸せになる道って、案外そんなに数が多くない。逆に、つまずく道はたくさんある。だから、うまくいった人たちは自然と似た場所に集まって、そうでない人はいろんな方向に散らばる、というわけです。
あー、たしかに。失敗の仕方って無限にありますもんね。
そうなんです。それともう一つ。私の所感ですけど、似てるのって「心のベースの部分」だけだと思うんですよ。土台が似ていても、その上に乗っている個性はみんなバラバラ。実際、幸せな人ほど個性的だったりします。
それ、すごく救われます。似た雰囲気に見えても、中身は人それぞれってことですね。
その通りです。だからSNSのキラキラに入れない、と感じる必要はないんですよ。それに別の研究では「幸せにつながりやすい心の特徴」も少しずつ分かってきています。土台は、これから育てていけるものなんです。
土台を育てる…。なんだか、ちょっと前向きになれました。比べて落ち込むんじゃなくて、自分の足元を耕せばいいんですね。
まさにそういうことです。幸せは「似た誰かになること」じゃなくて、「自分の土台を整えること」。そこから先の個性は、あなたのままで大丈夫ですよ。
■ 今日のまとめ
- 幸福度が高い人どうしは性格・価値観が似ていて、低い人どうしはバラバラ、という研究結果がある
- ただし「似ている」と分かっただけで、「どんな性格が正解か」は分かっていない
- 似ているのは心のベースの部分だけ。その上の個性は人それぞれ
- 比べて落ち込むより、自分の心の土台を育てる方が建設的
■ 出典・注意事項
- 出典:Iliev, R. & Bennis, W. M. (2023). The Convergence of Positivity: Are Happy People All Alike? Journal of Happiness Studies, 24, 1643–1662.
- この研究は性格・価値観の「似ている度合い(距離)」を調べたもので、収束する性格の中身や、因果関係(どちらが原因か)までは示していません
- 「幸せな人の性格特徴」や「心の土台の育て方」は本論文の発見ではなく、別の研究領域の知見・筆者の所感を含みます
研究の紹介はこちら😊
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-06-03-1780512475/