2026.06.28

はぴテク相談室:あの人と比べて、私はなんで…の話

相談者

聞いてください。同期がまた昇進したんです。後輩は家を買って、友達は海外旅行の写真をあげてて…。私だけ何も持ってない気がして。SNSを開くたびに、自分がみじめになるんです。どうしたらこの気持ち、なくなりますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それ、つらいですよね。よく話してくれました。実はその「人と比べてみじめになる感覚」には、ちゃんと名前があるんですよ。「相対的剥奪感」といいます。

相談者

そうだつ…?

はぴテクさん
はぴテクさん

相対的剥奪感、です。「自分は本来もっと得られるはずなのに、誰かと比べて奪われている」と感じる、あの不満や悔しさのこと。日本の研究チームが500人を調べたら、この感覚が強い人ほど、幸福度がはっきり下がっていたんです。

相談者

やっぱり…。比べちゃうのって、ダメなんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

ダメというより、効きすぎちゃうんです。その研究で特に分かったのは、「自分の能力を他人と比べようとする強い癖」が、剥奪感を生んで、それが幸せを削っていく、という流れでした。つまり、犯人はあなたの状況そのものより、「比べる癖」のほうなんですよ。

相談者

でも、SNSを見たら勝手に比べちゃいます。あれって、止められます?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこでね、面白い話があるんです。世界中の「貧しいのに幸せな人たち」を40本の研究から調べたレビューがありまして。インドのスラムに住む人たちが、すぐ近くに富裕層が暮らしているのに、高い幸福度を保っていたんです。

相談者

えっ、目の前にお金持ちがいるのに?

はぴテクさん
はぴテクさん

そう。なぜだと思います? 彼らは、富裕層と自分を比べていなかったんです。比べる相手が、同じ境遇の身近な人に限られていた。だから「持っているもの」と「欲しいもの」のギャップが小さくて、満たされやすかった。

相談者

あ…。私は逆だ。わざわざSNSで、いちばん上の人たちと自分を並べてる。

はぴテクさん
はぴテクさん

気づけましたね。そこがまさに核心です。SNSって、世界中の「上澄み」だけを集めて、あなたの目の前に並べる装置なんです。比べる相手を、無限に、しかも上方向にだけ広げてしまう。剥奪感が生まれて当然の構造なんですよ。

相談者

構造のせいだと思うと、ちょっと楽になります。私がダメなわけじゃないんだ。

はぴテクさん
はぴテクさん

全然ダメじゃないですよ。むしろ自然な反応です。じゃあ、どうするか。同じレビューが、幸せな人たちに共通していたもう一つの軸を教えてくれます。それが「良好な人間関係」なんです。厳しい環境にいる人ほど、家族や仲間とのつながりが、幸福をぐっと支えていた。

相談者

比べるのをやめて、つながりを大事にする…。

はぴテクさん
はぴテクさん

ええ。比較は「自分の外の、遠くの誰か」に意識を向けさせます。でもつながりは、「自分の隣にいる、実在の誰か」に意識を戻してくれる。だから、SNSで上を見て削れた心は、目の前の人と過ごす時間でしか埋まらないんです。

相談者

今夜、久しぶりに親に電話してみようかな。比べる時間を、つながる時間に変えてみます。

はぴテクさん
はぴテクさん

すごくいい一歩です。一つだけ。比べる癖は、ゼロにしようと頑張ると逆に苦しくなります。「あ、また比べてるな」と気づくだけで十分。気づけた瞬間、もうその癖から半歩抜け出していますからね。

相談者

はい。なんだか、スマホを置く勇気が出ました。ありがとうございます。

■ 今日のまとめ

  • 「人と比べてみじめになる」感覚には“相対的剥奪感”という名前があり、この感覚が強い人ほど幸福度が下がる(日本・500人の研究より)。
  • 幸せな人は「比べる相手」が身近に限られている。SNSは比較対象を無限に・上方向に広げる装置で、剥奪感が生まれて当然の構造。
  • 比較を減らす代わりに、目の前の人との「つながり」に意識を戻す。比べる癖はゼロにしなくていい、「気づくだけ」で半歩抜け出せる。

■ 出典・注意事項

  • Ohno, H., Lee, K.-T., & Maeno, T. (2023). Feelings of Personal Relative Deprivation and Subjective Well-Being in Japan. Behavioral Sciences, 13(2), 158.

  • Guardiola, J., García-Quero, F., & García-García, A. (2026). The "Happy and Poor" Paradox: Why Do Some Poor People Report Being Very Happy? Applied Research in Quality of Life.

  • 注意:研究で示されたのは相関(同時に見られる傾向)であり、因果(原因と結果)を断定するものではありません。また、気分の落ち込みが続く

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1
はぴテクさんのウェルビーイング相談室 ありがとうなんとかなるありのままに 主観的幸福・幸福測定人間関係・恋愛感情・レジリエンス

← 検索にもどる