2026.01.28

はぴテク相談室:幸せな人は、不幸せな人に比べて、約2.7倍死なない@日本

相談者

最近、なんか毎日がつらくて、幸せって感じることが少ないんです。別に大きな問題があるわけじゃないんですけど、なんとなくどんよりしていて…。幸せじゃないと、体にも悪いのかなって思ったりして。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですか、毎日がどんよりしている感じ、つらいですよね。実は最近、日本で興味深い研究結果が出まして、「幸福感」と「健康・寿命」の関係が日本人のデータで初めて大規模に示されたんです。少しその話をしてもいいですか?

相談者

はい、ぜひ聞かせてください。どんな研究なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

早稲田大学などの研究グループが、静岡県南伊豆町に住む約3,200人の大人を7年間追いかけた調査です。最初に「あなたは幸せですか?」と聞いて、その後7年間で誰が亡くなったかを記録しました。すると、「自分は不幸だ」と答えた人は、「幸せだ」と答えた人に比べて、亡くなるリスクが約2.7倍高かったという結果が出たんです。

相談者

2.7倍!?それはすごい差ですね。でも、年齢とか病気とかが関係しているだけじゃないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

するどい!その点もちゃんと考慮されています。年齢・性別はもちろん、学歴、結婚しているかどうか、経済状況、体型(BMI)、体の動かしやすさといった要素を全部統計的に取り除いて比較しました。それでも「不幸グループ」は「幸せグループ」より死亡リスクが約1.85倍高いという結果が残ったんです。

相談者

なるほど…。「まあ幸せ」くらいの人と、「すごく幸せ」な人でも差があるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

これがまた興味深いところで、「幸せ」と答えた人と「まあ幸せ」と答えた人の間にはあまり大きな差がなかったようです。一方で、「不幸せ」と答えたグループだけがぐっとリスクが高くなっていた。つまり、「めちゃくちゃ幸せじゃないといけない」というよりも、「不幸せな状態を抜け出すこと」が特に大事かもしれない、という示唆がある結果なんです。

相談者

それを聞いてちょっとホッとしました。でも…「幸せになれ」って言われても、どうすればいいのか分からなくて。

はぴテクさん
はぴテクさん

おっしゃる通りで、この研究は「幸福感と死亡リスクに関連がある」ということを示したもので、「こうすれば幸せになれる」という方法まで教えてくれるものではないんです。ただ、一つ言えるのは、「なんとなくどんより」している今の状態に気づいて、「これをどうにかしたいな」と思っていること自体、すでに大事な一歩だと思いますよ。

相談者

そうですよね…。ちなみに、この研究って日本以外でも同じ結果が出ているんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、海外では以前から似たような研究結果が複数報告されていました。ただ、文化や生活環境が全然違うので、「日本人にも当てはまるのか?」という疑問がずっとありました。今回の研究は、日本人を対象にした前向きコホート研究としては初めてのもので、「日本でも同じ傾向がある」と示した点に大きな意義があります。

相談者

日本初なんですね。それは確かに意味がありそう。でも一つ気になるのが、「不幸せだから死亡リスクが高い」というより、「もともと体が弱い人が不幸せになりやすいだけ」という可能性はないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

とても鋭い視点です!研究者たちもそれを考慮して、「追跡開始から1年以内に亡くなった方を除いた分析(感度分析)」も行っています。調査開始直後に亡くなった方は、すでに重篤な病気だった可能性があるので、それを除いても結果が変わらなかったことを確認しています。ただ、観察研究なので「不幸せが原因で死亡率が上がる」とまでは言い切れません。あくまで「関連がある」という話です。

相談者

正直に教えてくれてありがとうございます。じゃあ、私が今できることって何かありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が直接「こうしなさい」とは言っていないのですが、研究の結論として「日本人集団においてポジティブなウェルビーイングを促進することが重要」と述べられています。小さなことでいいんです。たとえば、今日「ちょっと良かったな」と思えた瞬間を一つ思い出してみるとか、自分が心地よいと感じる時間を意識して作ってみるとか。「完璧に幸せ」を目指すよりも、「不幸せな状態から少し抜け出す」方向を意識することが、この研究の示唆に沿っているかもしれません。

相談者

「完璧に幸せじゃなくていい、不幸せから少し抜け出す」って言葉、すごく楽になりました。ありがとうございます。

■ 今日のまとめ

  • 「自分は不幸だ」と感じている人は、「幸せだ」と感じている人に比べて、7年間の追跡調査で全死因の死亡リスクが約2.7倍高く、年齢・健康状態などを調整しても約1.85倍高いという関連が、日本人のデータで示されました。
  • 「すごく幸せ」と「まあ幸せ」の差は小さく、特に「不幸せ」な状態にある人のリスクが突出して高い傾向がありました。つまり、「完璧な幸せ」より「不幸せな状態から抜け出すこと」が特に重要かもしれません。
  • ただし、これは観察研究であり「不幸せが死亡の原因」とまでは言えません。あくまで「関連がある」という知見です。自分の幸福感に気づき、少しずつ心地よい時間を作ることが、ウェルビーイングの第一歩になるかもしれません。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Yasunaga, A., Shibata, A., Hosokawa, Y., Koohsari, M. J., Miyawaki, R., Araki, K., Ishii, K., & Oka, K. (2026). Association of State Happiness With Mortality: Evidence From a Prospective Cohort Study in Japan. Health Psychology. https://psycnet.apa.org/fulltext/2027-16336-001.html

  • 【注意事項①:相関と因果】本研究は前向きコホート研究(観察研究)であり、幸福感と死亡リスクの「関連」を示したものです。「不幸せであることが死亡率を高める原因である」とは言い切れません。

  • 【注意事項②:対象集団の限界】調査対象は静岡県南伊豆町という特定の地域の住民(約3,200人)です。都市部や他の地域・年齢層にそのまま当てはまるかどうかは慎重に考える必要があります。

  • 【注意事項③:幸福感の測定方法】幸福感は単一項目の自己報告(1問のアンケート)で測定されており、幸福感の多様な側面を網羅したものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
幸せな人は、不幸せな人に比べて、約2.7倍死なない@日本
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-01-28-1769641202/

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