大阪公立大学の畑野 快准教授らの最新研究😊
大学時の性格(Big Five)と幸福度(人生満足度)が、
入社1年目におけるジョブ・アイデンティティ(仕事を通した自分らしさ、みたいなの。)がどう影響するか。
というお話。
ーー
色んな会社で幸福度診断をしていますが、
入社1年目、特に研修が終わって仕事に配属された時に、幸福度が低下する傾向にあります。
個人的にも気になっているところで、も少し調査・研究したいな〜と思っていたんですが、まさにな研究😊
ーー
幸福度という観点で見ると、
・大学時代に幸福度が高い人は、入社1年目におけるジョブ・アイデンティティが高い。
・興味深い事に、幸福度が中くらいの人は、コミットメントが時間とともに低下する傾向にあった。
※コミットメント:自分の仕事に対して関与し、価値や目標を見出している状態
とのこと。
ーー
面白いですね❗
幸福度以外についても言及されているので、是非紹介記事と論文を御参照ください。
うーん、なるほど。
社会人になったあとの幸福度は調査対象外ですが、
幸福度がめっちゃ高い人は、入社後も維持出来ているが、
それ以外の人(中程度以下)は、落ちている。
のかな〜
ーーー
※紹介記事
大学生から社会人への移行期の環境変化を追跡調査 ~卒業時の性格特性と職場適応の関係性を明らかに~
大阪公立大学,2026/1/7
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-21871.html
ポイント
◇日本の大学生397人を対象に、就職が内定した時期、就職半年後、就職1年後に亘り、性格や人生満足感※1などについてアンケートを実施し、就職後の働きやすさや仕事に対する気持ちにどのような関係があるのかを調査。
◇大学卒業時に外向性が高い人や人生に満足していると回答した人は、就職後に自分らしく働けていると感じやすく、大学卒業時に心配性で不安を感じやすいと回答した神経症傾向が高い人は、就職後に仕事を辞めたいと感じやすい傾向があると判明。
ーーー
※論文
The Big Five, Life Satisfaction, and Job Identity Development: A Longitudinal Study on the School-to-Work Transition
Kai Hatano, Shogo Hihara, Kazumi Sugimura, Jun Nakahara, Megumi Ikeda, Satoshi Tanaka, Oana Negru-Subtirica
journal of adolescence,2025/11/14
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jad.70079
導入
学校から職場への移行期は、若者のアイデンティティ発達において極めて重要な時期であり、職業アイデンティティの形成は重要な発達課題となる。しかしながら、この移行期における職業アイデンティティの発達と、それを予測する個人特性については、未だ解明されていない。本研究は、就職1年目の日本の若者における職業アイデンティティの発達を検証し、ビッグファイブの性格特性と大学時代の生活満足度が、就職後の職業アイデンティティを予測するかどうかを検証することを目的とした。
方法
参加者は397名の日本の若年成人(平均年齢 22.19歳、標準偏差0.97歳 、女性79.3%)でした。初回調査は2022年1月(参加者全員が大学生)に実施され、その後、2022年8月から9月、および2023年3月(参加者全員が就業中)にフォローアップ調査が実施されました。初回調査ではビッグファイブの性格特性と生活満足度を測定し、2回目と3回目の調査では職業アイデンティティを評価しました。
結果
潜在変化スコアモデルは、職業アイデンティティの深層探索の平均レベルが時間の経過とともに有意に低下することを示しています。コミットメント、深層探索、コミットメントの再考に関連する変化には有意なばらつきが見られました。外向性はコミットメントレベルを正に予測し、協調性は深層探索の変化を負に予測し、神経症傾向はコミットメントの再考を正に予測しました。生活満足度は、コミットメントレベルと深層探索レベルの両方を正に予測し、コミットメントの変化を負に予測しました。
結論
これらの研究結果は、学校から仕事への移行期における職業アイデンティティの発達を予測する個人差についての洞察を提供し、若年成人期における職業アイデンティティの形成についての理解を深めます。
性格がキャリアを形作る:日本の新社会人、最初の1年 大学時代 人生満足度 外向性 神経症的傾向 誠実性 最初の1年の壁:揺れ動く 職業的アイデンティティ 仕事への「深い探求」 が弱まる 成功の予測:鍵は 「性格」と「人生満足度」 新入社員は、新たな可能性と 現実のギャップに直面する 傾向がある。 「外向性」と「人生満 足度」が高い、仕 事へのコミットメント が強い 就職後1年間への移行 「神経症的傾向」が 高いと、仕事を見直し しやすい 大学時代 日本の若き397名を大学時代から就職1年 間追跡した縦断研究。多くの新卒者が経験す る「リアリティショック」を背景に、職業的 アイデンティティの変化と、それを予測する 人の性格を調査した。 リアリティショック 日本特有の採用慣行と リアリティショックを生む 未経験の新一途職種に、理想と現実の ギャップを引き起こしやすい。 「協調性」の高さは、仕事の 深い探求を抑制する可能性 協調性の高い人は、周囲との関係を 失いたくない傾向が見られた。 仕事へのコミットメント (愛着)は個人差が大きい うまく適応した新入社員と 苦労する人もいる。 「協調性」 (文字なし) キャリアの成功を左右する資質とは?:大学時代の「特性」が初職の定着を予測する 日本の新規学卒者を対象とした縦断研究から得られた、 仕事へのアイデンティティ形成に関する新たな洞察 Based on the research by Kai Hatano, et al. (2025), Journal of Adolescence. 日本特有の「学校から職場へ」の移行: 一斉に架かる、重要だが脆い橋 • 日本では、多くの若者が大学卒業後、実務経験がほとんどないまま一斉に就職します。この「新卒一括採用」システムは、学生から社会人への移行を急激かつ同期的にします。 • この移行間隔は、若者のキャリア形成においける極めて重要な「橋」です。しかし、理想と現実のギャップが生まれやすく、多くの新入社員が深刻な課題に直面します。 NoteBook LM 橋の上で起きる「リアリティ・ショック」: 3年で3割が離職する現実 80% 日本の若手社員のうち、入社後 数ヶ月で「リアリティ・ショ ック」を経験する割合。 Source: Persol research and consulting & Persol career 2019 30% 大卒新入社員が、最初の3年 以内に離職する割合。 Source: Ministry of Health, Labor and Welfare 2024 この高い離職率は、個人にとってのキャリアの踏跡だけでなく、企業にとっても採 用・育成コストの損失を意味します。この「橋」をどうすればより強固にできるの か、という問いが生まれます。 Notebookl M 予測は可能か?:入社「前」の個人特性は、仕事への適応を左右するのか Central Question: • 若者が職場で健全な「ジョブ・アイデンティティ」を築けるかどうかを、大学在学中の心理的資源(パーソナリティ、幸福感)から予測することはできるのでしょうか? What is「ジョブ・アイデンティティ」?: • ジョブ・アイデンティティとは、仕事を通じて自分自身を首尾一貫して定義する感覚のことです。確立されたアイデンティティは、職務満足度やエンゲージメントを高め、心理的消耗を低減させます。 ジョブ・アイデンティティを構成する3つのプロセス この研究では、ジョブ・アイデンティティを3つの動的なプロセスで捉えます。 1. コミットメント (Commitment) • 定義:自分の仕事に対して関 関与し、価値や目標を見出し ている状態。安定感や確信 を反映する。 2. 深化した探索 (In-depth Exploration) • 定義:現在のコミットメント をより深めるための情報収 集や他者との対話。積極的な 学びや思考を反映する。 3. コミットメントの再考 (Reconsideration of Commitment) • 定義:現在のコミットメント に疑問を抱き、別の選択肢 を探す可能性。アイデンティ ティの揺らぎや混乱を示す。 🎓 NoteBook M 調査の設計:大学から職場への1年間を追跡 Time 1 (大学在学中 - 2022年1月) 測定項目: ビッグ・ファイブ・パーソナリティ、人生満足度 Time 2 (就職後 - 2022年8-9月) 測定項目: ジョブ・アイデンティティ (3プロセス) Time 3 (就職後 - 2023年3月) 測定項目: ジョブ・アイデンティティ (3プロセス) Participants: • 397人の日本の若者(女性79.3%) Analysis: • 潜在変化スコアモデル(Latent Change Score Model)を使用し、アイデンティティの変化と、その予測要因を分析。 発見1:ジョブ・アイデンティティの発達は画一的ではなく、個人差が大きい 深化した探索(In-depth Exploration): • 平均レベルは、就職後に有意に「低下」した。これは、多くの新入社員が新しい可能性の探求よりも、目の前の業務の習熟に集中することを示唆している。 コミットメント(Commitment)& 深化した探索(In-depth Exploration): • これらのプロセスの「変化」には、有意な個人差(分散)が見られた。つまり、コミットメントを深める人もいれば、低下する人もいるなど、発達の軌跡は人それぞれである。 全員が同じように成長するわけではない。では、この「個人差」を生み出す要因は何なのか? 🔍 NoteBookLM 発見2:人生満足度は、健全なキャリアスタートの土台となる Key Findings: 大学時代の人生満足度が高い学生は、就職後に.... • ⚓より高いレベルのコミットメントを示した (β= 0.21) • 🔍より高いレベルの深化した探索を示した (β= 0.14) An Important Nuance: • また、人生満足度はコミットメントの「変化」に対しては負の関連を示した(β= -0.11)。これは、満足度が高い人は既に高いレベルのコミットメントを持っているため、その後の変化が少ない(安定している)ことを意味する。 コミット メント 深化した 探索 大学時代の人生満足度 グラフで見る人生満足度の効果:高い満足度はコミットメントの 「安定装置」として機能する .50 .25 .00 -.25 -.50 「高い人生満足度グループは、初期から コミットメントが高く、安定して維持 される」 T2 T3 「中程度の満足度グループは、最もコ ミットメントが低下しやすい」 「低い満足度グループは、初期レベルが 低いが、わずかに上昇する傾向も」 ドメックス例 **Key Takeaway**:大学時代のウェルビーイングは、入社後のリアリティ・ショックに対する緩衝材と なる可能性がある。 🔔 NotebookLM 発見3:パーソナリティという「設計図」:外向性と神経症傾向の
前野夫妻の幸福学Tipsで解説頂きました😍️
https://r.voicy.jp/079XorD7men
本研究のウェルビーイング小話はこちら😊
はぴテク相談室:学生時代の幸福度は、新社会人1年目にどんな影響があるのか?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-01-08-1767909606/