はぴテク相談室:遊び心と自律性が幸せの源泉
最近、なんか毎日がつまらなくて…仕事はこなせてるんですけど、充実感がないというか。子どものころはもっと生き生きしてた気がするんです。あの頃って何が違ったんでしょう?
それは大事な気づきですね。実は最近、マイアミ大学のキミエシック先生らが発表した研究で、まさにその「子どもの頃と今の違い」に関わるヒントが示されています。人間には生まれつき4つの心理的な力が備わっているという考え方なんですよ。
4つの力、ですか?なんだか興味あります。どんなものですか?
一つ目は「フロー」。時間を忘れるくらい何かに没頭している状態ですね。二つ目は「自律性」。自分で物事を決めている実感。三つ目は「バイオフィリア」。自然とつながっている感覚。そして四つ目が「エウダイモニア」。自分の人生に意味や目的を感じる力です。子どもの頃に自由に遊んでいたとき、この4つが自然に育まれていたと研究では考えられています。
確かに子どもの頃って、よく外で遊んだり、自分のやりたいことをやってましたね。でも大人になってからは、自分で決めることも減ったし、没頭することも少なくなった気がします。
まさにそこがポイントなんです。この研究では、幼少期から青年期にかけて「自由な遊び」と「自律性を尊重する養育」がこの4つを育てると指摘されています。ただ、だからといって大人になってから手遅れというわけじゃないんですよ。
えっ、そうなんですか!大人になってからでも何かできることがあるんですか?
はい。研究者たちも「幼少期に自然には育たなかった人でも、意識的に取り組むことができる」という考え方を示しています。たとえば、遊び心を持って物事に接する、仕事や趣味で思い切り没頭する時間を作る、自分で選択する場面を増やす、自然の中に出かけてみる、自分の人生の意味や目的について考えてみる…そういったことが4つの力につながる可能性があると言われています。
「遊び心」って、具体的にはどういうことですか?大人が遊び心を持つって、少し恥ずかしい気もして。
すごくよくある感覚ですよね(笑)。研究でいう遊び心は、子どもっぽく振る舞うということではなくて、「意味や感情を自然に表現できる状態」に近いイメージです。仕事でも趣味でも、自分がエネルギーを感じられることに素直に向き合える姿勢、とも言えます。肩の力を抜いて、好奇心のままに動いてみることが出発点かもしれません。
なるほど。「自律性」についてはどうですか?職場では自分で決めることがあまりない環境で…。
それは多くの方が感じていることだと思います。職場の大きな方針は変えられなくても、仕事のやり方の小さな部分を自分で工夫したり、プライベートでは意識的に「自分で選ぶ」体験を増やしたりすることが、自律性の感覚を保つのに関わっていると考えられています。たとえば趣味の活動を自分で計画する、休日の過ごし方を主体的に決める、といったことが積み重なっていくイメージですね。
この研究って、日本人にも当てはまるんですか?なんか西洋の研究ってピンとこないこともあって。
それは鋭い疑問ですね!実はこの研究では、日本・中国・韓国・アメリカなど複数の文化圏でこれらの関係が確認されたと報告されています。文化を超えた人間の普遍的な特性である可能性が示されているんです。もちろん研究の詳細や対象集団による限界はありますが、東アジアの文化圏にも一定程度当てはまると見られています。
それは安心しました。なんだか、今日の話を聞いて、まず自然に触れることと、何かに没頭できる時間を作ることから始めてみようかなという気持ちになりました。
素晴らしいですね!小さな一歩から始めるのが一番です。この研究が示しているのは、幸福感って「天然」で育つこともあれば、大人になってからでも意識的に育てていける可能性があるということ。焦らず、自分が自然とエネルギーを感じられることを探しながら、少しずつ試してみてください。
■ 今日のまとめ
- 人間には「フロー・自律性・バイオフィリア・エウダイモニア」という4つの心理的な力が生まれつき備わっており、これらが心理的ウェルビーイングと強く結びついていると研究で示されています。
- これらの力は幼少期の自由な遊びや自律性を尊重する養育によって育まれると考えられていますが、大人になってからも、没頭・自分で選ぶ・自然に触れる・意味を考えるといった取り組みを通じて意識的に養う可能性があります。
- この関係は日本・中国・韓国・アメリカなど複数の文化圏で確認されており、文化を超えた人間の普遍的な特性である可能性が示されています。
■ 出典・注意事項
- 出典:Jay C. Kimiecik, Carlyn Kimiecik, Izzy Storey「The self at play: Exploring the core developmental origins of positive psychological well-being」International Journal of Wellbeing, 2025/9/30 https://internationaljournalofwellbeing.org/index.php/ijow/article/view/4673
- 注意事項①:本研究は概念レビュー・エッセイ形式であり、実験的な因果関係を直接証明したものではありません。「幼少期の遊びや養育がウェルビーイングを育む」という関係は理論的・文献的な考察に基づくものです。
- 注意事項②:文化圏を超えた実証については言及されていますが、各文化圏での対象集団の構成・規模・測定方法の詳細によって結果の解釈に限界がある点にご留意ください。
- 注意事項③:「4つの心理的傾向を育てることで必ずウェルビーイングが向上する」という断定はできません。あくまで関連・関係性が示されているものです。
研究自体の紹介はこちら😊
遊び心と自律性が幸せの源泉
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-10-03-1759535903/