2024.10.22

はぴテク相談室:日本企業における従業員のライフスタイルとメンタルヘルス関連欠勤率および離職率との

相談者

最近、職場でメンタルヘルスを理由に休む人が増えてきた気がして…。会社として何か対策できることってあるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね。実はちょうど、日本の約420万人・1748社という大規模なデータを使った研究が2024年に発表されているんです。日本企業の従業員のライフスタイルと、メンタルヘルスによる欠勤・離職の関係を調べたものです。少し一緒に見ていきましょうか!

相談者

420万人!すごい規模ですね。どんなことが分かったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まずびっくりする数字から。調査した企業全体の平均で、正社員の1.1%が精神的な理由で1ヶ月以上の長期欠勤・休職していることが分かりました。また、1年間で正社員の5.0%が離職しているというデータも出ています。

相談者

1.1%って、100人の会社なら1人以上が長期休職している計算ですか…。思ったより多いですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。意外と身近な話なんですよね。そしてこの研究では、睡眠・運動・喫煙というライフスタイルが、欠勤率や離職率とどう関連しているかも調べています。

相談者

睡眠や運動が関係しているんですか?具体的にはどういう結果だったんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

「睡眠によって十分な休養が取れている」と感じる従業員の割合が1%増えると、離職率が約0.020%、メンタルヘルス関連の欠勤率が約0.005%下がる、という関連が見られました。また、週2回以上・30分以上の運動習慣がある人の割合が1%増えると、欠勤率が約0.005%下がるという関連もありました。

相談者

数字だけ見ると「思ったより小さい影響?」って感じもするんですが…。

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!研究者自身も「影響は思ったより小さい」と正直に述べています。これは会社全体の集計データを一時点で比べた分析なので、効果が薄まって見えやすいんです。たとえば、よく眠れている人とそうでない人を個別に比べたら、差はもっと大きく出るかもしれません。あくまで「関連がある」という話で、睡眠や運動を増やせば必ずこの数字だけ改善するという因果関係を示したものではありません。

相談者

なるほど。あと、喫煙については何か出ていましたか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実は少し意外な結果で、喫煙割合が1%増えるとメンタルヘルス関連の欠勤率が約0.013%下がるという関連が出ていたんです。「え?」ってなりますよね。

相談者

え、喫煙した方が欠勤が減るってことですか?じゃあ吸った方がいいの…?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこは要注意です!これはあくまで統計的な関連であって、「喫煙がメンタルヘルスを改善する」という意味ではありません。喫煙が一時的なストレス解消の手段になっている可能性など、さまざまな要因が絡んでいると考えられます。喫煙が身体にも精神にも長期的なダメージを与えることは、他の多くの研究で示されています。この結果だけを切り取って解釈するのは危険ですよ。

相談者

なるほど、数字の裏側にある背景も考えないといけないんですね。結局、会社として取り組めることは何でしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の結果を踏まえると、従業員が「眠れている」と感じられる環境づくり運動習慣を後押しする仕組みが、欠勤率や離職率の低さと関連していました。具体的には、残業を減らして睡眠時間を確保したり、運動できる福利厚生を整えたりすることが一つの方向性として考えられそうです。ただし、これらが直接的な原因かどうかは、この研究だけでは断言できないことも覚えておいてください。

■ 今日のまとめ

  • 日本企業では平均1.1%の正社員がメンタルヘルスを理由に1ヶ月以上の長期欠勤・休職しており、離職率は年間平均5.0%という実態が大規模調査で示された
  • 睡眠で十分に休養できている従業員の割合・運動習慣のある従業員の割合が高い企業ほど、メンタルヘルス関連の欠勤率や離職率が低い傾向があった(ただし因果関係ではなく関連)
  • 喫煙割合と欠勤率に意外な関連が出たが、これは一時点の集計データの関連にすぎず、喫煙を推奨する根拠にはならない

■ 出典・注意事項

  • 出典:矢野裕一朗ほか(順天堂大学・健康長寿産業連合会・JSTメタケアシティ共創拠点)「日本企業における従業員のライフスタイルとメンタルヘルス関連欠勤率および離職率との関連」Epidemiology and Health (epiH), 2024年8月2日公開 / https://www.e-epih.org/upload/pdf/epih-0-e2024068.pdf

  • 注意事項①:本研究は一時点の横断的データ(経済産業省・健康経営度調査)を用いた相関分析であり、ライフスタイルの改善が欠勤率・離職率を直接下げるという因果関係を示すものではありません

  • 注意事項②:分析単位は企業(組織)全体の集計値であるため、個人レベルの関連とは異なる可能性があります

  • 注意事項③:対象は日本の健康経営度調査に参加した企業(1748社・約420万人)であり、健康経営に取り組む企業に偏っている可能性があります

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
日本企業における従業員のライフスタイルとメンタルヘルス関連欠勤率および離職率との
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-10-22-1729634407/

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