2024.04.17

はぴテク相談室:中学生の将来志向性による学校適応感とストレスの違い。

相談者

最近、うちの子(中学2年生)がなんだか元気がなくて。学校も楽しくなさそうだし、将来のことも「どうでもいい」って言うんです。どう声をかけてあげたらいいのか…

はぴテクさん
はぴテクさん

それは心配になりますよね。実は、中学生の「将来についてどう思っているか」と「学校での充実感やストレス」が関係しているという研究があるんです。少し一緒に見ていきましょうか。

相談者

将来のこととストレスが関係しているんですか?どんな研究なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

2024年に発表された研究で、中学生848人を対象に調べたものです。「将来に向けて頑張りたい気持ち(向上志向)」「良い家庭を築きたい気持ち(家庭志向)」「お金持ちになりたい気持ち(金持ち志向)」という3つの将来への意欲を測って、子どもたちを5つのタイプに分けました。

相談者

5つのタイプ!どんな違いがあったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

大きく分けると、3つの志向が全部高い「将来志向性高群」や、向上心と家庭志向が高い「良識家庭志向群」の子は、学校への適応感が高くストレスが低かった。一方、3つ全部が低い「将来志向性低群」の子は、学校適応感が最も低くストレスも最も高かったんです。

相談者

じゃあ「お金持ちになりたい」みたいな動機でも、志向が高いほうがいいってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そこが面白いところで、大人のイメージとちょっと違うんです。お金への意欲だろうと、人から認められたいという気持ちだろうと、良い家庭を作りたいという願いだろうと、何らかの将来への意欲があること自体が、学校適応感の高さやストレスの低さと関連していたんです。動機の中身よりも、「何かに向かっているエネルギーがある」ことが大事そうですね。

相談者

「どうでもいい」って言っているうちの子は、志向が低い状態ということなのかも…。何か手がかりはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

もう一つ重要な発見があって、特に将来への意欲が低い子には、「学校での勉強がうまくいっている感覚(学習的適応)」がストレスを和らげる効果が大きいことがわかりました。他のタイプの子より、この影響が強かったんです。

相談者

ということは、勉強で小さな成功体験を積むことが、その子にとって特に意味があるかもしれないということですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の結果から見ると、そういった方向性と関連している可能性はありますね。ただし、あくまでも「関連がある」という話で、「学習的適応を上げたからストレスが下がる」という因果関係が証明されたわけではない点は注意が必要です。でも、「学校の授業でちょっとわかった!」「テストで点が取れた!」という日常の小さな体験が、その子にとっての支えになっているかもしれません。

相談者

声かけのヒントになりそうです。将来の夢を無理やり持たせようとするより、まず今の学校生活の中で「できた」を一緒に探してあげる感じですかね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そのイメージ、研究の示唆とも合っていると思いますよ。将来のことを急かすより、今の学校生活の中で「うまくいっている感覚」を少しずつ積み重ねていく。それが将来への意欲が低めの子にとって特に関係が深かった、というのがこの研究のポイントです。

相談者

なんか少し見え方が変わりました。「どうでもいい」という言葉の裏に、エネルギーが出てこない状態があるんですね。焦らず、日々の小さなことを大切にしてみます。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね。この研究は中学生全般を対象にした調査なので、すべての子に当てはまるわけではありませんが、「将来への意欲」と「今の充実感」はつながっているというヒントをくれています。お子さんとの日常の会話の中で、学校での「できた」「面白かった」をさりげなく聞いてみるのも良いかもしれませんね。

■ 今日のまとめ

  • 中学生848人の調査で、将来への意欲(向上・家庭・お金など)が高いグループは学校適応感が高くストレスが低く、意欲が低いグループは適応感が低くストレスが高い傾向が見られた。
  • 将来への意欲の「中身(お金か承認か家庭か)」より、何らかの意欲がある状態自体が学校適応感の高さと関連していた。
  • 将来への意欲が低い子は特に「学校の勉強がうまくいっている感覚」がストレスと強く関連していた。日常の小さな学習上の成功体験が支えになっている可能性がある。

■ 出典・注意事項

  • 出典:「中学生の将来志向性のタイプから見た心理的適応―学校適応感,ストレス感との関連に着目して―」応用教育心理学研究,2024年4月,中学生848人を対象とした調査研究。将来志向性尺度は山上・相良(2019)を使用。

  • 【注意事項】本研究は調査時点での関連(相関)を示したものであり、将来志向性の高さがストレス低下を引き起こすという因果関係を証明したものではありません。

  • 【注意事項】対象は特定時期・地域の中学生848人であり、すべての中学生に同様の結果が当てはまるとは限りません。

  • 【注意事項】5つのタイプ分けは統計的クラスター分析によるもので、実際の子どもは複雑な要因を持ちます。類型はあくまで傾向の整理として参照してください。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
中学生の将来志向性による学校適応感とストレスの違い。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-04-17-1713391209/

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