2023.10.26

はぴテク相談室:国際バカロレアの教育とウェルビーイング

相談者

最近、子どもの学校教育についてすごく悩んでいて。うちの子、学校が楽しくなさそうで、勉強もやる気がなくて…。どうしたら子どもが学校生活を楽しめるようになるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは心配ですよね。実は最近、「教育とウェルビーイング(心の豊かさや幸せ)」の関係を研究した論文が琉球大学から出ていて、とても参考になる内容なんです。特に『国際バカロレア(IB)』という世界的な教育プログラムの中に、子どもが生き生きと学ぶためのヒントがたくさん詰まっていました。少しお話しさせてもらえますか?

相談者

国際バカロレアって聞いたことあります!でも難しそうで、うちには関係ないかなと思ってたんですが…。

はぴテクさん
はぴテクさん

確かに「国際資格」というイメージが強いですよね。でも、この研究が注目しているのは資格よりも『学び方そのもの』なんです。IBの中心にあるのは『探究』、つまり子ども自身が疑問を持って、自分で調べて考えていくスタイルです。この『探究を通じた学び』がウェルビーイングと深く関わっているとされています。

相談者

探究…ですか。うちの子は「答えを教えてもらう」形の授業に慣れすぎているかもしれません。それが楽しくない原因なのかな?

はぴテクさん
はぴテクさん

その可能性はあるかもしれません。研究では、IBのプログラム(特に3歳〜12歳向けのPYPや中学生向けのMYP)が、自己管理・自己認識・人との関係づくりといった力を育てることに注目しています。これはCASELフレームワークという考え方とも重なっていて、クラス・学校・家庭・地域という4つの環境が一緒に働きかけることで、子どもの心の豊かさが育まれると整理されています。

相談者

家庭も関係しているんですね。親として何かできることがあるってことでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、この研究でもそこが大事なポイントとして挙げられています。学校だけでなく、家庭でも『なぜだろう?』『どう思う?』といった問いかけを大切にすることが、探究心を育てる環境づくりにつながるとされています。子どもが自分で考えて答えを出す体験を、日常の小さなことで積み重ねていくイメージです。

相談者

なるほど。でも、探究って勉強がもともと好きな子じゃないと難しくないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそこも研究で触れられていて、ATL(学習へのアプローチ)という考え方が参考になります。これはIBの各プログラムに組み込まれているもので、探究心というのは生まれつきのものではなく、学び方を通じて育てていけるものだという立場をとっています。最初から探究が得意な子じゃなくても、環境や関わり方次第で育まれる、という見方です。

相談者

それは少し安心しました。でも、ウェルビーイングと探究が具体的にどうつながるのかがまだピンとこなくて…。

はぴテクさん
はぴテクさん

いい質問です!研究では、探究を通じて『自分で考えて行動できた』という体験が、自己認識や達成感につながることが指摘されています。また、グループで探究する場面では関係性の構築や社会への帰属意識も育まれるとされています。つまり『学ぶこと自体が楽しい・意味がある』と感じられる状態に近づくことが、ウェルビーイングの向上と関連していると整理されています。

相談者

自分で考えて動ける体験が大事なんですね。じゃあ家でも、すぐ答えを教えるんじゃなくて、一緒に考える時間を作ってみようかな。

はぴテクさん
はぴテクさん

それはとても素敵なアプローチだと思います!ただ、一点補足しておくと、この研究はIBの理念と先行研究を整理した基礎的な研究です。『探究をしたら必ずウェルビーイングが上がる』という因果関係を証明したものではないので、あくまで『こういう関わり方がウェルビーイングと結びついている可能性がある』という視点で参考にしてもらえるといいと思います。

相談者

そうなんですね。でも、方向性として『探究・自分で考える・環境を整える』というのは試してみる価値がありそうです。ありがとうございました!

はぴテクさん
はぴテクさん

こちらこそ、とても大事なことを一緒に考えられてよかったです。学校・家庭・地域が一緒にサポートしていく、その意識を持つだけでも大きな一歩だと思いますよ。お子さんが『楽しい!』と感じる瞬間がどんどん増えていくといいですね。

■ 今日のまとめ

  • IBの『探究』を中心とした学び方は、自己認識・自己管理・関係づくりといったウェルビーイングに関わる力と結びついているとされています。
  • ウェルビーイングを育む環境はクラス・学校・家庭・地域の4つが連携することが大切で、家庭での『一緒に考える』関わり方も重要な要素です。
  • 探究心は生まれつきではなく、学び方や環境を通じて育てていけるものという視点(ATL)が、子どもへの関わり方を考えるヒントになります。

■ 出典・注意事項

  • 出典:「ウェルビーイング(Well-being)を高める教育方法に関する基礎的研究 ―国際バカロレア(IB)における『探究』に焦点をあてて―」琉球大学学術リポジトリ, 2023/10/17 https://u-ryukyu.repo.nii.ac.jp/record/2020020/files/Z_No103p17.pdf

  • 【注意事項①】本研究はIBの理念と先行研究を整理した基礎的・文献的研究であり、探究とウェルビーイングの因果関係を実験や調査によって証明したものではありません。相関・関連の可能性として参照してください。

  • 【注意事項②】本研究の知見はIBプログラムを前提とした文脈に基づいており、すべての教育環境や子どもに同様の効果があるとは限りません。対象集団や環境の違いに留意が必要です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
国際バカロレアの教育とウェルビーイング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-10-26-1698357608/

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