2025.10.16

「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」とマズローの欲求5段階説の関係

北陸大学経営学部の板倉 栄一郎先生による最新の研究ノート😊

統計的な心理学ベースの話ではないのですが、

ひとつの視点として、面白いです😍

●現代日本では「自己実現」の前段階でつまずいている

マズローの欲求5段階説では、自己実現に至るまでに「所属と愛の欲求」→「承認欲求」を満たす必要がある。

しかし、現代の日本社会では、この前段階の欲求が十分に満たされていない若者が多い。

●学校現場で起きていること

・スクール・カースト:教室内での地位の序列化

・キャラ化:本心を隠して「外向けのキャラ」を演じる

・自分が所属する集団以外は「認知の圏外」

・コミュニケーション能力の高低で自己肯定感が決まる

→ 不安定な自己肯定感。外キャラを演じることで、かろうじて承認を得ている状態。

●社会全体の変化(1980年代以降、徐々に。)

① 家族の「個化」(核家族→個人化へ)

② 「世間の目」の不在化

③ SNSでの軽い「いいね」による承認欲求の蔓延

④ 重い承認(学校・教師・親などの権威)の衰退

→ 所属と愛の欲求が満たされにくい環境に。

●注目すべき文化的視点

・日本は欧米と違い、「個」よりも「和」を重視する文化。

・他者との関係性の中でしか、承認欲求や自己肯定感を得られない構造。

・なのに、その「他者との濃密な関わり」自体が減少している矛盾。

●提案:日本の伝統文化からのヒント

武士道ではなく「商人道」に注目。

・利他性

・お客様を大切にする

・Win-Winの関係構築

・「情けは人の為ならず」(巡り巡って自分に返ってくる)

※武士道は個の確立

→ インセンティブに基づいた、持続可能な人間関係の構築。

これを高校の道徳教育で実践することを提案。

とのこと。

人の目気にしまくるという社会において、

人の目を気にしながらウェルビーイングを向上させていくには?という視点も面白いですね。

(個人的にはマズローの5段階説が下から満たされていくというのは疑問符ですが。)

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「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」と マズローの欲求5段階説について

-日本の文化的背景に注目して-

板倉 栄一郎(北陸大学経営学部)

北陸大学紀要,2025/10

https://hokuriku.repo.nii.ac.jp/records/2000289

■第1章:欲求 5 段階説と日本の文化的背景

■第2章:学校での人とのつながり・かかわり

第1節:スクール・カーストとキャラ化

第2節:内キャラ・外キャラと存在論的不安

■第3章:現代の日本社会と欲求5段階説

第1節:「世間」とキャラ化における建前の相違

第2節 所属と愛の欲求から承認欲求へ

おわりに-「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」と 高等学校における道徳教育への提案-

論文紹介 ありがとうありのままに 文化と幸福・日本的幸福子ども・若者の幸福教育とウェルビーイング

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