2024.10.28

東アジアの15歳は、何故幸福度が低いのか。

世界の15歳の幸福感欧米と儒教圏東アジアの違い

という昨日公開された論文。

PISAの15歳70カ国40万人のデータより。

そして、これは15歳に限らず、大人の幸福度まで含めて、考えるべき点が多数提示されています。

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儒教圏東アジアでは、幸福度低め。。。

自己効力感が低いこと、

失敗したときに周りにどう思われるか。を心配しすぎる事、

競争の過激化、

などが幸福度を下げていた。

幸福度を下げるTOP10は↓。

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■儒教圏東アジア(CEA)の生徒の幸福度を下げる主な要因ランキング

  1. 低い自己効力感

  2. 高い感情的依存度(失敗した時に周りにどう思われるか)

  3. 強い競争環境

  4. 低い周りの人の幸福度 (うつっちゃう)

  5. 「許されない」文化

  6. 高い学業ストレス

  7. 心理的ニーズの不充足

  8. 親子関係のプレッシャー

  9. 集団主義的プレッシャー

  10. 文化的・構造的要因(幸福よりも達成が重視される)

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うーん、なるほど。。。

成功しないといけない、

その為に失敗もしちゃいけない、

あたりが効いてきてそうですね・・・

失敗や挫折慣れって、大事だなぁ。

ナイストライ❗とチャレンジを推奨していこう。

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あと何者かにならなきゃ精神が、儒教は高い。なるべき自己への執着が強すぎる。

それのアンチテーゼになるのが道教なのに、それが浸透していないのか。(アンチテーゼというか、両立するとベスト。)

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あ、あと、もちろん、だから儒教がダメだ!という話ではありません。

どんな考え方にも良いところと、良くないところがあるので、上手く活用するか他と組み合わせるかなどしていきたいですね😊

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■まとめ

1.世界全体の傾向として:

・女子生徒は男子生徒より幸福度が低い

・自己効力感が高く、感情的依存度が低い生徒の幸福度が高い

・親からの感情的サポートと学校での所属感は幸福度と強い相関がある

・都市部在住は幸福度にマイナスの影響

2.儒教圏東アジア(CEA)の特徴:

・他地域と比べて生徒の幸福度が著しく低い

・自己効力感が最も低く、感情的依存度が最も高い

・失敗時の他者の評価を最も気にする(感情的依存度)

・学校での競争と協力が幸福度に最も大きな影響を与える

 →競争が少なく、協力が多いと幸せ。欧米では、競争や協力は幸せにあまり影響がなかった。(個人主義的だから?)

・幸福度の男女差が小さい

 ※ただし、東アジアでは、女子が将来の稼ぎ手としての期待が低く、学業ストレスが小さい為。である可能性。

3.地域差の要因:

・儒教圏東アジアと他地域との幸福度の差の約35%は、パーソナリティ特性(低い自己効力感、高い感情的依存度)によって説明される

・約74%は環境要因(peer効果、社会経済的要因、文化的要因)による

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■儒教圏東アジア(CEA)の生徒の幸福度を下げる主な要因(詳細)

1. 低い自己効力感

  • CEAは全地域で最も低い自己効力感(-0.30)を示す

  • 自己効力感の低さは幸福度に強い負の影響

  • 「努力が成功の主要因」という文化的信念が、能力への自信を低下させる可能性

2. 高い感情的依存度

  • CEAは全地域で最も高い感情的依存度(2.97)を示す

  • 失敗時の他者評価への過度な懸念

  • 幸福度との負の相関がCEAで最も強い(-0.337)

3. 強い競争環境

  • 学校での競争が幸福度に負の影響(-0.285)

  • この負の影響はCEAでのみ統計的に有意

  • 高い学業達成と引き換えに幸福度が犠牲に

**4. 低い peer幸福度 **

  • 周囲の生徒の平均幸福度が低い

  • peer効果により個人の幸福度も低下

  • 幸福度の負の連鎖が発生

5. 「許されない」文化

  • 失敗を学習過程の自然な一部として受け入れにくい

  • 完璧主義的な文化的期待

  • 過度なプレッシャーによるストレス

6. 高い学業ストレス

  • 過度な学習強度

  • 高い教育期待

  • 学業成績と人生の成功を強く結びつける価値観

7. 心理的ニーズの不充足

  • 自律性の欲求が満たされにくい

  • 関係性の欲求は強いが、競争環境で充足困難

  • コンピテンス(有能性)の欲求と現実のギャップ

8. 親子関係のプレッシャー

  • 親からの高い期待

  • 家族の「面子」を保つプレッシャー

  • 親の感情的サポートの効果が相対的に低い

9. 集団主義的プレッシャー

  • 集団の期待に応える必要性

  • 個人の希望より集団の規範を重視

  • 同調圧力による精神的負担

10. 文化的・構造的要因

  • 幸福よりも達成を重視する価値観

  • 過度な教育競争システム

  • 失敗に対する厳しい社会的評価

改善のための提言:

  1. 失敗を学習過程の自然な一部として受け入れる文化の醸成

  2. 学校でのウェルビーイング促進プログラムの実施

  3. 競争より協力を重視する教育環境の整備

  4. 生徒の自己効力感を高めるサポートシステムの構築

  5. 心理的安全性を確保できる学習環境の整備

これらの要因は相互に関連し合っており、包括的なアプローチでの改善が必要とされています。

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※儒教圏東アジア(CEA)

中国 (北京、上海、江蘇、浙江の4つの高所得省/市)

台湾、香港、日本、韓国、マカオ

(ベトナムとシンガポールも儒教圏だが、一部データが欠けていたので削除)

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Predictors of adolescent well-being around the globe: are students from Confucian East Asia different?

世界中の青少年の幸福の予測因子:儒教を信仰する東アジアの学生は異なるのか?

Frontier Science,2024/10/28

https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2024.1446301/full

目的:

本研究では、PISA 2018に参加した中所得国および高所得国70カ国・地域の15歳約40万人の豊富なデータを用いて、(1) 青少年の主観的幸福感(SWB)の世界的な予測因子、および(2) 青少年の生活満足度、その予測因子、および予測因子の賦存における世界の地域および文化間の差異を調査します。特に、儒教東アジア(CEA)と世界の他の地域との比較に焦点を当てています。

方法:

データは多重線形回帰と Blinder-Oaxaca 分解を使用して分析されました。青年期の幸福の尺度として、本研究では生活満足度、情緒的幸福、人生の意味を採用しています。

結果:

世界的に、青少年の幸福の結果は、性別、性格、相対的 SES、関係の質、仲間の SWB、自律性、学習環境、および地域の文化的要因と最も強く結びついていることが判明しました。世界の地域別の推定により、地域間の幸福のギャップに対する文化固有の説明がいくつか明らかになりました。特に、CEA 諸国の学生の生活満足度の悪名高い低さは、世界の他の地域と比較して、自己効力感の低さ、仲間の幸福度の低さ、および感情的な相互依存の高さに関連していることがわかりました。感情的な相互依存は、世界の他のどの地域の青少年と比較して、CEA の青少年の間でより強く経験されています。さらに、他のどの地域よりも CEA 地域で生活満足度とより強く関連していることがわかりました。前者と一致して、CEA の学生は、他のほとんどの地域と比較して、他の関係要因 (親の感情的サポート、学校での帰属意識) と生活満足度との間により強いつながりを示しています。

意味:

この研究は、青少年の生活経験を形作る環境要因の中で、人間関係と文化的要因が重要な役割を果たし、密接に絡み合っていることを示唆しています。世界中の親、教育者、政策立案者は、幸福、生徒の自己効力感、帰属意識、そして失敗が学習プロセスの一部として受け入れられる安全な空間を促進する、前向きな学校環境を作ることに重点を置く必要があります。これは、儒教の東アジア諸国で特に必要です。

投稿者によるコメント・補足(3件)
コメント 1

儒教圏で、何者かにならなきゃ精神が高いのがビックリです。
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はい、その観察は非常に興味深いですね。研究結果から、儒教圏の「なるべき自己(ought self)」への執着が、かえって幸福度を下げている可能性が示唆されています。

儒教圏の特徴的な価値観と その影響:

  1. 「なるべき自己」への過度な執着
  • 理想的な姿への強いプレッシャー
  • 現状の自分を受け入れにくい
  • 常に「より良く」を求める精神的緊張
  1. 社会的成功の定義が限定的
  • 学歴・職業での成功が重視される
  • 多様な生き方の選択肢が少ない
  • 「普通の幸せ」が軽視される傾向
  1. 「面子」文化の影響
  • 社会的評価への過度な意識
  • 失敗を許容しない雰囲気
  • 他者との比較による自己評価
  1. 自己効力感への悪影響
  • 常に高い目標を求められる
  • 現実の達成との大きなギャップ
  • 自信の喪失につながりやすい

改善のヒント:

  1. 「なる」から「ある」への意識転換
  • 現在の自分を受け入れる
  • 小さな進歩を評価する
  • プロセスを重視する
  1. 多様な成功の形を認める
  • 画一的な価値観からの脱却
  • 個人の興味・才能の尊重
  • 異なる生き方の許容
  1. 失敗を成長の機会として捉え直す
  • 失敗からの学びを重視
  • チャレンジを褒める文化
  • 完璧主義からの解放

この研究は、儒教圏の価値観が持つ両面性を示しています:

  • 良い面:高い達成動機、自己改善への意欲
  • 課題:過度なプレッシャー、幸福度の低下

バランスの取れたアプローチとして、達成への意欲を保ちながら、より柔軟で受容的な文化を育てていくことが重要かもしれません。

コメント 2

道教がアンチテーゼになりますか?
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はい、道教の思想は儒教的価値観へのアンチテーゼとして機能する可能性が高いですね。両者の対比を整理してみましょう:

儒教 vs 道教の価値観の対比:

  1. 人生の目標
  • 儒教:社会的成功、地位向上、道徳的完成
  • 道教:自然との調和、無為自然、個の解放
  1. 成功の定義
  • 儒教:学問・官位・社会的評価
  • 道教:心の安らぎ、自然体、欲を離れること
  1. 人間関係
  • 儒教:礼節、上下関係、社会秩序
  • 道教:等価な関係、自由な交流、束縛からの解放
  1. 失敗への態度
  • 儒教:克服すべき課題、恥の意識
  • 道教:自然な流れの一部、執着からの解放
  1. 自己実現
  • 儒教:努力による向上、完璧さの追求
  • 道教:ありのままを受け入れる、素朴さの尊重

道教的アプローチの現代的意義:

  1. 精神的健康への効果
  • ストレス軽減
  • マインドフルネス的要素
  • 自己受容の促進
  1. 教育への応用可能性
  • 競争からの解放
  • 個性の尊重
  • プロセス重視の学び
  1. 幸福度向上への示唆
  • 比較からの自由
  • 内的充足の重視
  • プレッシャーからの解放
  1. ワークライフバランス
  • 過剰な仕事への執着からの解放
  • 余暇の価値の再評価
  • 生活の質の重視
  1. メンタルヘルスケア
  • 完璧主義からの解放
  • 自己肯定感の育成
  • レジリエンスの向上

現代社会への適用:

  1. バランスの取れたアプローチ
  • 儒教的な向上心は保持
  • 道教的な柔軟性を取り入れる
  • 両者の良いところを組み合わせる
  1. 教育システムの改革
  • 競争一辺倒からの転換
  • 個性・創造性の重視
  • 多様な価値観の容認
  1. 職場文化の変革
  • 効率至上主義の見直し
  • 働き方の多様性
  • ウェルビーイングの重視

結論として、道教的な価値観は:

  • 現代の過度な競争社会へのアンチテーゼとして有効
  • メンタルヘルスの改善に寄与する可能性が高い
  • 幸福度向上への重要な示唆を提供

ただし、完全な二者択一ではなく、両者のバランスを取ることが現実的なアプローチかもしれません。儒教的な向上心と道教的な達観を組み合わせることで、より健全な社会システムを構築できる可能性があります。

コメント 3

この、何者かにならなければ精神は、日本の教育において、どんな場面で出ていますか?
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日本の教育における「何者かにならなければ」精神の現れ方を、具体的な場面で整理してみます:

  1. 受験期における現れ
  • 「良い高校・大学に行かないと人生が終わる」という脅迫観念
  • 偏差値による序列化と自己評価
  • 塾や予備校での「合格実績」重視
  • 「浪人」に対するネガティブな価値判断
  1. 進路選択の場面
  • 「有名企業」「大手企業」への就職プレッシャー
  • 「文系より理系」という価値観
  • 「公務員が安定」という固定観念
  • 専門学校進学への偏見
  1. 部活動での現れ
  • 「レギュラーになれないと価値がない」という思考
  • 「全国大会に行かないと」という過度なプレッシャー
  • 勝利至上主義による精神的負担
  • 「文化部より運動部」という価値観
  1. 学校生活の中で
  • 「クラスの中心にならねば」という焦り
  • 「生徒会役員」などの肩書きへのこだわり
  • 「普通」であることへの不安
  • 「リーダー」になることへのプレッシャー
  1. 成績評価の場面
  • 「オール5」への執着
  • テストの点数による自己否定
  • 「赤点は人生の失格」という意識
  • 「成績=人格」という誤った等式
  1. 学校行事での現れ
  • 「委員長をやらないと評価されない」
  • 「目立つ役割を取らねば」という焦り
  • 「何かで一番にならねば」という強迫観念
  • 「縁の下の力持ち」の軽視
  1. 教師の言動を通じて
  • 「このままでは将来困るぞ」という脅し
  • 「○○大学に行かないと」という決めつけ
  • 「普通の高校ではダメ」という偏見
  • 「みんなできているのに」という比較
  1. 家庭環境との関連
  • 親の過度な期待による重圧
  • 兄弟姉妹との比較
  • 親の学歴にとらわれた進路指導
  • 家族の「面子」を保つプレッシャー

改善のための提案:

  1. 教育現場での取り組み
  • 多様な価値観の提示
  • 個性を認める評価システム
  • 「失敗してもいい」という安全な環境づくり
  • プロセスを重視する指導
  1. 教師の意識改革
  • 画一的な成功モデルからの脱却
  • 個々の生徒の興味・才能の尊重
  • 多様なキャリアパスの提示
  • 心理的安全性への配慮
  1. 家庭との連携
  • 過度な期待の緩和
  • 子どもの個性の受容
  • 長期的な成長視点の共有
  • 多様な選択肢の許容
  1. システムの改革
  • 評価基準の多様化
  • 異なる才能の認知
  • キャリア教育の充実
  • 心理的サポートの強化

このような「何者かにならなければ」という価値観は、生徒の:

  • 自己肯定感の低下
  • ストレスの増加
  • 創造性の抑制
  • 幸福度の低下
    につながる可能性が高いため、意識的な改善が必要とされています。
論文紹介 やってみようありのままに 子ども・若者の幸福文化と幸福・日本的幸福教育とウェルビーイング

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