2025.10.13

はぴテク相談室:さまよう心は不幸せである。

相談者

最近、仕事中や家事をしながら、ぼーっと別のことを考えてしまうことが多くて。なんか気づいたら不安なこととか、過去のミスとかを延々と考えていて、気分が落ち込んでしまうんです。これって、何かまずいんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは辛いですね。実はその「別のことを考えてしまう」状態、研究の世界では『マインド・ワンダリング』、つまり「心がさまよっている」状態と呼ばれているんです。ハーバード大学の研究で、これと幸福感の関係が大規模に調べられていて、とても興味深い結果が出ているんですよ。

相談者

マインド・ワンダリング…なんか難しそうな名前ですね。それって、よくあることなんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はめちゃくちゃよくあることなんです!この研究では5000人以上を対象に調べたんですが、なんと平均で46.9%の時間、つまり起きている時間のほぼ半分、人の心はさまよっているという結果が出ました。しかも、メイクラブ以外のあらゆる活動で、少なくとも30%以上はさまよっているとのことで。あなただけじゃなく、ほとんどの人が同じ状態なんです。

相談者

え、そんなに!それを聞いて少し安心しました。でも、さまよっていると気分が落ち込むのはなぜなんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究によると、心がさまよっているときは、そうでないときと比べて幸福度が統計的に有意に低下することが分かっています。特に、不安なことや嫌なことを考えながらさまようと、幸福度が大きく下がるという結果でした。あなたが仕事中に過去のミスを考えてしまうのは、まさにこのパターンに当てはまっているかもしれませんね。

相談者

じゃあ、楽しいことを考えながらさまよっていたら大丈夫なんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭い質問です!研究によると、楽しいことを考えながらさまよっている場合は、幸福度の有意な低下は見られなかったんです。一方で、中立的なことでさまよっても幸福度は下がり、不快なことを考えてさまようと大きく下がる、という結果でした。なので、内容によってだいぶ違いがあるんですね。

相談者

なるほど〜。でも、楽しい活動をしていれば心がさまよっても大丈夫、ということにはならないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそこが一番面白いポイントなんです。この研究では、「何をしているか」よりも「心がさまよっているかどうか」の方が、幸福感への影響がずっと大きかったんです。数字で言うと、活動内容が幸福感に影響する割合が3〜5%程度なのに対して、心のさまよいは11〜18%程度影響していたと。つまり3倍以上の差があったんです。

相談者

じゃあ、楽しい活動をしていても、心ここにあらずだと幸せを感じにくいってことですね。逆に言うと、つまらない作業でも、今ここに集中していると幸せになれる?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の結果はまさにそういうことを示しています。楽しくない活動でも、心がその場にある状態のほうが、楽しいことをしながら心がさまよっている状態よりも幸福感が高かったんです。「何をするか」より「心が今ここにあるか」が大事、というのは、なかなか驚きの結果ですよね。

相談者

確かに驚きです!でも、「不幸だから心がさまようのでは?」とも思えますが、どちらが先なんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、その点も分析していて、「不幸だから心がさまよう」のではなく、「心がさまようから不幸につながる」という方向性が示されています。ただ、これは研究の中で因果関係として示された部分ではありますが、研究の方法や対象の限界もありますので、あくまで一つの知見として捉えてください。

相談者

分かりました。じゃあ実際に、心がさまよっていることに気づいて、今ここに意識を戻す、ということを意識してみればいいんですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の知見から言えることは、まず「心がさまよっていることに気づく」ことが大切なステップですね。研究では心のさまよい自体が幸福感と関係していると示されていますので、日常の中でふと「あ、また別のこと考えてた」と気づいて、今やっていることに注意を戻す習慣を積み重ねることが、幸福感につながる可能性があると言えそうです。特に、不安や嫌なことを考えてさまようのが一番幸福度への影響が大きかったですから、そこを意識するといいかもしれませんね。

相談者

なんか、難しく考えすぎなくていいんだな、って思えてきました。今ここに意識を向けることの大切さ、ちゃんと研究で示されているんですね。ありがとうございます!

■ 今日のまとめ

  • 起きている時間の約半分、人の心はさまよっているのが普通で、あなただけではありません。
  • 「何をしているか」より「心が今ここにあるか」の方が、幸福感への影響が3倍以上大きいことが示されています。
  • 特に不安や嫌なことを考えながら心がさまよう状態が幸福感を大きく下げるため、心のさまよいに気づいて今に戻す習慣が助けになるかもしれません。

■ 出典・注意事項

  • 出典: Killingsworth, M. A., & Gilbert, D. T. (2010). A Wandering Mind Is an Unhappy Mind. Science, 330(6006), 932. https://greatergood.berkeley.edu/images/uploads/A_Wandering_Mind_Is_an_Unhappy_Mind.pdf

  • 注意事項①: 本研究はiPhoneアプリを用いたサンプルであり、スマートフォン利用者に偏りがある可能性があります。

  • 注意事項②: 研究内で心のさまよいが幸福感の低下に先行するという方向性が示されていますが、観察研究の性質上、完全な因果関係の確定には限界があります。

  • 注意事項③: 幸福感の測定は自己報告式であり、個人差や回答時の状況に影響される可能性があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
さまよう心は不幸せである。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-10-13-1760392806/

はぴテクさんのウェルビーイング相談室 ありのままに 主観的幸福・幸福測定マインドフルネス・瞑想

← 検索にもどる