はぴテク相談室:瞬間的な幸せ(ヘドニックな幸せ、ハッピー)の追い方
最近、「もっと幸せにならなきゃ」って思えば思うほど、なんか逆に焦ってしまって…。幸せって追いかけるほど遠ざかる気がするんですけど、これって気のせいですか?
気のせいじゃないですよ!実はそれ、研究でも確認されていることなんです。2025年に発表されたばかりの最新研究でも、「幸せを追いかける方法」によって、結果がまったく逆になることが分かっています。もう少し詳しく聞かせてもらえますか?どんな感じで「幸せにならなきゃ」って思っちゃうんでしょう?
なんか、今ちょっと楽しい気持ちがあっても、「あ、これが消えたらどうしよう」「また落ち込んだら嫌だな」って心配になっちゃうんです。せっかく幸せな気分なのに、なんか不安になるというか。
それはまさに、研究で「EA(経験的アタッチメント)」と呼ばれている状態ですね。「ポジティブな感情が薄れることへの恐れ」のことです。「今の幸せが消えたらどうしよう」って心配する感覚、ですね。
研究では、このEAが強い人ほど、皮肉なことに実際にポジティブな感情が減ってしまうことが分かっています。しかもこの傾向は、ストレスがある日もない日も、一人でいるときも誰かといるときも、一貫して見られたんです。
え、心配すればするほど逆効果になっちゃうんですか…。じゃあどうすればいいんでしょう。幸せのことを考えちゃダメ、ってこと?
いえいえ、「考えちゃダメ」ってわけじゃないんです。ここが面白いところで、研究ではEAとは別に「PP(ポジティビティの優先)」という別のアプローチも調べています。
PPっていうのは、「ポジティブな感情を失うことを心配する」のではなく、「日常の中でポジティブな気持ちになれることを積極的に選んでいく」というスタンスです。「楽しいことを生活の中に意識的に取り入れていこう」みたいな感じ、と言えば伝わりますかね。
なるほど、守りじゃなくて攻めの幸せ追求、みたいな感じですか?でも研究では「PPでポジティブ感情が増える人と減る人がいる」って聞いたことがあって、それも気になっています。
するどいですね!そうなんです、PPを実践しても、うまくいく人とそうでない人がいることも同じ研究で分かっています。
分かれ道になるのが「実際に幸せになるための行動を日々続けられるか」というところでした。うまくいくグループは、ポジティブ感情を大切にしようとしながら、実際に日常でそういう行動を続けていた。一方、うまくいかないグループは、最初は頑張るけどだんだん行動が続かなくなっていた、という傾向が見られたんです。
続かなくなる理由って何なんでしょう?なんか自分もそっちになりそうで心配で…。
研究者たちも「なぜ続かなくなるのか」の直接の原因まではまだ特定できていないんですが、いくつかの可能性を挙げています。一つは「幸せにならなきゃ!」というプレッシャー自体が重荷になってしまうケース。もう一つは、うまく幸せを感じられなかったことで早々に諦めてしまうケース、などが想定されるとのことです。
つまり、「ポジティブを優先しよう」という姿勢そのものが、いつの間にかEAの「失ったらどうしよう」という心配に変わってしまうこともありうる、ということですね。
あ、それ分かる気がします。「楽しもう!」って思ってたのに、「うまく楽しめてない…どうしよう」ってなること、あります。じゃあ、PPをうまく続けるには何かコツがあるんですか?
研究自体はコツまで深掘っているわけではないのですが、研究から読み取れることとして「一人ひとりで合う方法が違う」という点が強調されています。
この研究のタイトルも「One Size Does Not Make All Happy(一つのサイズがすべての人を幸せにするわけではない)」というんです。167人を調べたら、個人ごとにパターンが全然違った、という発見がこの研究の核心なので、「これをやれば全員ハッピー!」という魔法はないよ、ということは言えます。
じゃあ、私の場合はまず何を気をつければいいんでしょう?
研究から言えることで一番確かなのは、「今の幸せが消えたら怖い」という気持ち=EAが強くなっているときは、ポジティブ感情を「守ろう・失うまい」とするよりも、「次にどんな楽しいことができるかな」という方向に意識を向けるほうが、少なくとも研究の傾向には沿っています。
ただ、繰り返しになりますが、人によって効果が違うというのが研究の大事なメッセージなので、「自分にとって何が幸せな時間か」を小さく試しながら探っていく感じが合っているかもしれませんね。
なるほど。「守る」から「積み上げる」に発想を変えてみる感じですね。なんか少し気が楽になりました!
それは良かったです!まとめると、「幸せを失いたくない」という心配モードは逆効果になりやすく、「日常にポジティブなことを積み重ねていく」という行動モードの方が研究的には有望、ということです。ただし「これが全員に効く」という正解はなくて、自分に合うやり方を探すこと自体が大事、というのがこの研究の面白いところだと思います。
■ 今日のまとめ
- 「今の幸せが消えたらどうしよう」という心配(EA)は、研究において一貫してポジティブ感情を下げることと関連していた
- 「日常でポジティブな気持ちになれることを積極的に選ぶ(PP)」というアプローチは、行動を続けられた人ではポジティブ感情の増加と関連していた
- 幸せの追い方の効果は人によって大きく異なり、「全員に効く一つの正解」はなく、自分に合う方法を探ることが重要だと研究は示している
■ 出典・注意事項
- 出典:Jans-Beken, L. et al. (2025). One Size Does Not Make All Happy: Idionomic Links Between Striving for Positive States and Happiness in Experience Sampling. Journal of Happiness Studies. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-025-00933-0
- 注意事項①:本研究は相関・関連性の分析であり、「EAが原因でポジティブ感情が減る」という因果関係を直接証明したものではありません
- 注意事項②:参加者167名、女性75.6%、平均年齢約24歳という特定の集団を対象としており、すべての年齢・性別・文化背景に結果が一般化できるわけではありません
- 注意事項③:PPが続かなくなる原因(プレッシャーや早期の諦めなど)は研究者による想定であり、本研究で直接検証された結論ではありません
研究自体の紹介はこちら😊
瞬間的な幸せ(ヘドニックな幸せ、ハッピー)の追い方
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-08-03-1754264036/