はぴテク相談室:快楽の追求は、活力につながり、最終的にエウダイモニアにつながる。
最近、なんか毎日が義務感ばかりで、趣味とか楽しいことを後回しにしてしまっています。「ちゃんとした目標に向けて頑張らないと」って思うほど、逆に何もできなくなってくるんです。楽しいことを優先するって、なんか怠けてる感じがして…。
それはつらいですね。でも実はその感覚、研究によってちょっと見直せるかもしれないんですよ。幸せには大きく2種類あって、「今この瞬間を楽しむ快楽的な幸せ(ヘドニア)」と、「自己実現や意味ある生き方からくる長期的な幸せ(エウダイモニア)」があります。多くの人は、長期的な幸せの方が大事で、楽しいことを追うのは怠けだと思いがちなんですよね。
そうなんです!まさにそれです。楽しいことをしてる時間があるなら、もっと意味のあることをしなきゃって思っちゃうんです。
実は2025年に上海華東師範大学のウェイ・リウ先生が発表した研究で、面白いことがわかったんです。快楽を追求すること、つまり「ショッピングを楽しむ」「好きなものを食べる」「思い切りリラックスする」といったことが、長期的な幸せ(エウダイモニア)とプラスの相関があるという結果が出ているんです。
え、そうなんですか?でもどうしてそうなるんでしょう?直接はつながらなさそうな気がするんですけど。
カギになるのが「活力」なんです。快楽的な活動を楽しむと、気力とかエネルギー感、つまり活力が高まる。その活力が、自己実現や成長に向けた行動を後押しする、という流れが研究で示されています。楽しいことが直接エウダイモニアを生むというより、「活力」というステップを通って長期的な幸せにつながっている、というイメージですね。
「活力」がつなぎ役になってるんですね。確かに、疲れてたり元気がないと、大事なことに取り組む気持ちすら起きないな、と思います。
まさにそこです!この研究ではさらに細かく、活力が高まると「努力する気持ち」も出てきて、それが長期的な幸せにつながる、という経路も確認されています。また、この活力の効果は、単に「気分が良くなった」という話とは別の独立したメカニズムとして確認されているのも、研究のポイントです。
じゃあ、楽しいことを後回しにして義務感だけで頑張ろうとするのは、むしろ長期的な幸せに向けた活力を削ってしまう可能性があるってことですかね…?
この研究の結果から言えるのは、快楽的な活動と長期的な幸せには正の相関がある、ということです。因果についても実験的な研究(研究4〜6)で一定の支持はありますが、あくまでも研究の範囲内での話です。ただ、「楽しいことは怠け」という考えに縛られる必要はなさそうだ、という見方はできますよね。
なるほど。じゃあ、意味ある目標に向けてまだうまく動けていない自分でも、まずは楽しいことから始めていいってことでしょうか?
研究の著者も、「自己実現に向けて取り組める人はそれを続けてほしいけど、難しい人はまずリラックスや趣味、美味しいものを食べるところから始めても良い」というニュアンスのことを述べています。2ヶ月間の縦断調査でも、快楽的な目標を追う傾向が長期的な幸せを予測することが示されていて、一時的なものではなさそうなんですよ。
それを聞いて、すごく楽になりました。好きな趣味やリラックスできることを「怠け」と感じていたのが、少し違う見え方になってきました。
快楽と長期的な幸せは、どちらか一方が大事というより、補い合う関係にある、というのがこの研究の大きなメッセージです。小さな楽しみや喜びを日々の中に取り入れることが、活力を通じて長期的な幸せとつながっている可能性がある。義務感だけで走り続けなくていい、という研究の知見として受け取ってもらえると嬉しいです。
ありがとうございます。今日から、好きな食事や趣味の時間を「充電」として大切にしてみようと思います。義務ばかりでなく、楽しむことも人生の一部なんだと思えてきました。
■ 今日のまとめ
- 快楽的な活動(リラックス・趣味・好きな食事など)を楽しむことは、長期的な幸せ(エウダイモニア)とプラスの相関があることが、7つの研究によって示されています。
- そのつながりのカギは「活力」です。楽しいことが活力を高め、その活力が自己実現や成長に向けた行動を後押しするという経路が確認されています。
- 快楽と長期的な幸せは対立するものではなく、補い合う関係です。まず小さな楽しみや喜びから始めることが、長期的な幸せへの入り口になる可能性があります。
■ 出典・注意事項
- 出典:Wei Liu, 'Hedonic goal pursuit and eudaimonic well-being: the mediating role of vigor', The Journal of Positive Psychology, 2025/6/28. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2025.2525230
- 注意事項①:横断研究(研究1〜3)は相関関係を示すものであり、因果関係を直接証明するものではありません。実験研究(研究4〜6)で因果的な支持が得られていますが、研究の範囲と対象集団には限界があります。
- 注意事項②:研究の参加者は特定の集団(主に中国の大学生・社会人など)であり、結果がすべての文化・年齢層に同様に当てはまるとは限りません。
- 注意事項③:縦断研究は2ヶ月間であり、より長期的な効果については引き続き研究が必要です。
研究自体の紹介はこちら😊
快楽の追求は、活力につながり、最終的にエウダイモニアにつながる。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-07-15-1752620605/