2025.07.15

快楽の追求は、活力につながり、最終的にエウダイモニアにつながる。

幸せには

快楽(ヘド二ア): 短期的な幸福(快楽追求、痛み回避、リラックス)

調和(エウダイモニア): 長期的な幸福(自己実現、個人的成長、意味のある生活)

の2種類がある。という分け方があります。

これらはどう関係しているのか、という上海華東師範大学のウェイ先生の最新研究😍

一般的には、長期的な幸福エウダイモニアが大事で、快楽はあまり大事でなさそうな感じがしますよね😊

ーー

結果としては、

快楽を追求することは、エウダイモニア(長期的な幸福)を高める。

何故ならば、

快楽を追求することは、活力を高め、活力がエウダイモニアにつながってくる。

(更に細かく言えば、活力が努力を促し、努力がエウダイモニアを高める。)

ーー

元々、快楽(短期的な幸福)が気分を改善し、エウダイモニア(長期的な幸福)に向けた行動を取れる。

みたいな話はありましたが、

それとは別に、活力という経路が明確に出てきたのが興味深いですね。

ーー

長期的な幸せにつながる自己実現や個人的成長、意味ある人生に向けて取り組める人は、取り組めば良いのですが、

難しい人は、まずはリラックスとか集中できる趣味とか、美味しいものを食べるとか、から始めても良さそうですね。

個人的には、推し活が幸せにつながる、という最近の結果も、

それによって活力を得て、エウダイモニアに向けた行動を取れるようになるのかなぁとも思いました。

ーー

※各研究での結果

研究1

快楽的目標追求は、活力を介してエウダイモニア(繁栄)を促進することが初めて実証された。

研究2

活力の媒介効果は、単なるポジティブ感情の向上では説明できない独立したメカニズムであることが判明した。

研究3

努力も活力と並んで媒介効果を示すが、自制心を統制しても活力の媒介効果は維持されることが確認された。

研究4

実験的に快楽的成功状態を誘導すると、実際に活力が高まり、それを通じてエウダイモニアが向上することが因果的に示された。

研究5

快楽的成功は積極性(プロアクティビティ)という別のエウダイモニア指標も、活力と努力を通じて促進することが明らかになった。

研究6

より中性的な統制条件と比較しても、快楽的成功の活力経由でのエウダイモニア促進効果が確認された。

研究7

2ヶ月間の縦断調査により、快楽的目標追求の特性が長期的にエウダイモニアを予測することが示され、持続的な効果が実証された。

ーーー

快楽追求活動の例

・ショッピングを楽しむ

・地元の食べ物を味わう

・完全にリラックスした状態を保つ

・仕事や業務に中断されないレジャー活動

・ホリデー中の自由な時間の過ごし方

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快楽的目標追求とエウダイモニックな幸福:活力の媒介役割

Hedonic goal pursuit and eudaimonic well-being: the mediating role of vigor

Wei Liu

The Journal of Positive Psychology ,2025/6/28

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2025.2525230?af=R

DL用

https://www.researchgate.net/publication/393134051_Hedonic_goal_pursuit_and_eudaimonic_well-being_the_mediating_role_of_vigor

快楽とエウダイモニアは、幸福感の2つの基本的な側面を表す。これまでの研究では、快楽とエウダイモニアの明確な役割は確立されているものの、これらの概念間の関係は解明されていない。Beckerら (2024) による快楽的目標追求の探究に基づき、快楽的目標追求はエウダイモニア的幸福感と正の相関関係にあり、活力がその媒介因子となっているという仮説を立てる。横断研究 (研究1~3)、実験研究 (研究4~6)、縦断研究 (研究7) を用いた7つの研究を通じて、本研究では快楽的目標追求とエウダイモニア的幸福感の関連性について包括的な検討を行う。その結果、快楽的特性能力と状態の両方が、個人の成長、繁栄、積極性といった形でエウダイモニア的幸福感に寄与していることが示された。さらに、活力は、気分メカニズムの影響を超えて、快楽的追求がエウダイモニア的幸福感に及ぼす影響を媒介することが明らかになった。全体として、この研究は快楽と幸福の間にある相補的な関係を強調し、持続的な幸福のためには両者を育む必要があることを強調しています。

投稿者によるコメント・補足(5件)
コメント 1

楽しさや喜びを追求するのと、未来の為に頑張るのは、両方大事!

コメント 2

短期の幸せと長期の幸せはバランスを取るのが大事😊

コメント 3

小さなヨロコビを見つけることが、長期的な幸せにつながる。

コメント 4

今の楽しみの方が、幸せに効くという研究も

コメント 5

研究の理論的背景と既存研究の流れを詳しく説明します:

1. 幸福研究の二大潮流の確立

哲学的起源と現代心理学への発展

  • Waterman (1990, 1993): 古代ギリシャ哲学に基づく**eudaimonia(調和的幸福)**の概念を現代心理学に導入
    • eudaimonia = 「真の自己に従って生きること」「自己実現」
  • Deci & Ryan (2008): **hedonia(快楽的幸福)**との明確な区別を提唱
    • hedonia = 「快楽追求と痛み回避」に基づく短期的幸福

二元論的理解の発展

  • Ryff & Singer (2008): 心理的幸福理論を発展させ、調和的幸福の優位性を主張
    • 「調和的幸福こそが持続的で意味のある幸福である」
  • Henderson et al. (2013): 実証研究により調和的幸福の長期的重要性を確認

2. 従来の快楽的目標追求への批判的見解

自己統制理論からの批判

  • Gentzler et al. (2021): 快楽的目標追求を**「poor self-control(自制心の欠如)」**と関連付け
  • Li et al. (2021): 快楽追求が**impulsivity(衝動性)**と関連することを報告
  • Pearce & Huta (2023): 快楽的目標が長期目標と対立する可能性を指摘

時間的視点理論

  • Pearce et al. (2020): 重要な発見を報告
    • 快楽的志向: present time perspective(現在時間志向)narrow focus(狭い関心)
    • 調和的志向: future time perspective(未来時間志向)broader concern(広い関心)
    • この研究により、快楽と調和が対立的関係にあるという見方が強化された

3. Beckerらによるパラダイムシフト

trait hedonic capacity(特性的快楽容量)概念の導入

  • Becker et al. (2024): 革新的な視点を提示
    • 快楽的目標追求を**「適応的な自己調整メカニズム」**として再定義
    • **self-control theory(自己統制理論)に基づき、快楽追求が感情のdynamic balancing(動的バランス調整)**に寄与すると主張

実証的支援研究

  • Becker & Bernecker (2023): 快楽的目標追求が**subjective well-being(主観的幸福)**を向上させることを実証
  • Bernecker et al. (2023): 快楽的目標追求の**positive role(積極的役割)**を支持する複数の研究結果を報告

4. マインドフルネスと意味理論からの支援

Mindfulness-to-Meaning Theory

  • Garland et al. (2015): 重要な理論的橋渡しを提供
    • mindfulness(マインドフルネス)= 今この瞬間への集中
    • この理論により、「今を楽しむこと」が**deeper meaning(より深い意味)**につながる可能性を示唆

実証的支援研究

  • Richter & Hunecke (2021): マインドフルネスが高い人は快楽的目標追求時により多くの**positive affect(ポジティブ感情)life satisfaction(人生満足度)**を得ることを発見
  • Allen et al. (2021): 21の研究をレビューし、mindfulness-based intervention(マインドフルネス介入)が快楽と調和両方を向上させることを確認
  • Jiang et al. (2024): **awe(畏敬の念)**という感情が快楽的体験を通じて幸福感を向上させることを実証

5. 回復とエネルギー理論

Recovery Literature(回復文献)

  • Sonnentag et al. (2022): **detachment(分離)recovery(回復)**の重要性を強調
    • 要求の多い活動からの分離が**subsequent optimal functioning(その後の最適機能)**を促進
  • Kujanpää & Olafsen (2024): 成功した**relaxation(リラクゼーション)basic psychological needs(基本的心理欲求)**を満たし、機能向上につながることを実証

Conservation of Resources Theory(資源保存理論)

  • Hobfoll (1989): 個人の**energy(エネルギー)は有限であり、戦略的なresource allocation(資源配分)**が重要という理論的基盤を提供
  • Bakker et al. (2023): **Job Demands-Resources Model(職務要求-資源モデル)**でエネルギー管理の重要性を実証
論文紹介 やってみようなんとかなる 主観的幸福・幸福測定ポジティブ心理学介入感情・レジリエンス

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