2025.05.30

はぴテク相談室:よく寝ている職場は幸せだ。〜睡眠不足が職場のダークサイドを引き起こす〜

相談者

最近、職場の雰囲気がギスギスしていて…。特定の人が自己中心的になったり、冷たくなったりすることがあって、なんでこんなに人間関係がうまくいかないんだろうって悩んでいます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは辛いですね。職場の雰囲気って、毎日のことだからじわじわ効いてきますよね。ちょっと聞いてもいいですか?そのギスギスしている時期って、なにか共通点はありますか?たとえば繁忙期とか、残業が続いているときとか。

相談者

言われてみれば…締め切り前とか、残業が続いているときに多い気がします。でもそれって、仕事のプレッシャーのせいじゃないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

もちろんプレッシャーも関係しているかもしれません。ただ、ブリュッセル大学の研究チームが面白い発見をしていて、実は「睡眠」が大きく関わっている可能性があるんです。103人の会社員を10日間にわたって調査したところ、眠れていない日ほど、その人の「ダークな行動」が職場で出やすいという関係が見えてきたんです。

相談者

「ダークな行動」って、どういうことですか?なんか怖い言葉ですね(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

ちょっと物騒な名前ですよね(笑)。研究では「ダークトライアド」と呼ばれる3つの行動パターンを調べました。簡単に言うと、①自分だけが大事・特別だと思いすぎる(ナルシシズム)、②目的のためなら人を操作してもいいと考える(マキャベリズム)、③他人への共感が薄くなる(サイコパシー)、の3つです。みんなが多かれ少なかれ持っている傾向で、睡眠不足のときに出やすくなる、ということなんです。

相談者

えっ、それって性格が悪いってことじゃなくて、眠れていないからそうなってしまうってこと?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです、そこがポイントで!研究では、睡眠不足になるとストレス耐性が下がる、つまり「ちょっとしたことでも心の余裕がなくなる」状態になり、そこからダークな行動が出やすくなるという流れが示されました。その人がもともと意地悪なわけじゃなくて、疲れて余裕がなくなっているサインかもしれないんです。

相談者

なるほど…。じゃあ残業続きで寝不足の人が多い時期は、職場全体がギスギスしやすいってこと?

はぴテクさん
はぴテクさん

その可能性があると、この研究は示唆しています。しかも、睡眠は「量」だけじゃなくて「質」も大事で、研究によると質の影響の方が少し大きいという結果でした。長く寝ていても、浅い眠りだと翌日の行動に影響が出やすいんですね。

相談者

うーん、でも忙しい時期に「ちゃんと寝てください」って言うのも難しくて…。他に何かできることはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では、睡眠不足→ストレス耐性低下→ダークな行動、という流れが示されていたので、ストレス耐性を高めることで影響を和らげられる可能性があるとも研究者たちは述べています。たとえばチーム内で「お疲れ様」と声をかけ合う文化や、小さな休憩をとる仕組みを作るだけでも、職場の緩衝材になるかもしれません。

相談者

確かに、余裕がある時期はみんな優しいし、会話も多いんですよね。睡眠って、こんなに職場に影響するんだって、正直驚きました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。「よく寝ている職場は幸せだ」って言えるかもしれませんね。個人の心がけだけじゃなくて、チームや組織として「みんなが眠れる環境を作る」ことが、実は職場の人間関係や雰囲気を守ることにもつながっているんだと思います。相談者さんのチームでも、睡眠という視点から職場を見直してみると、何か変わるきっかけになるかもしれませんよ。

相談者

なんか、ギスギスしている同僚を見る目が少し変わった気がします。「あの人も疲れているのかな」って思えると、少し気が楽になります。ありがとうございました!

■ 今日のまとめ

  • 睡眠不足(特に睡眠の質の低下)は、職場での自己中心的・操作的・共感欠如といった「ダークな行動」が出やすくなることと関連していることが、10日間の調査で示されました。
  • その仕組みとして、睡眠不足→ストレス耐性の低下→ダークな行動、という流れが確認されています。意地悪なのではなく、「眠れていないから余裕がない」状態のサインかもしれません。
  • 睡眠の「量」だけでなく「質」も重要で、職場全体でよく眠れる環境を整えることが、人間関係や雰囲気を守ることにつながる可能性があります。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Evy Kuijpers, Jasmine Vergauwe, Sam Vanderperre, Olivier Mairesse, Joeri Hofmans, 'Rise of the Dark Side: How Sleep Perception Triggers Dark Triad States at Work', Journal of Organizational Behavior, 2025/4/29. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/job.2885

  • 【紹介記事】'Poor sleep can bring out the dark side of personality at work, study finds', PsyPost, 2025/5/29. https://www.psypost.org/poor-sleep-can-bring-out-the-dark-side-of-personality-at-work-study-finds/

  • 【注意事項①】本研究は因果関係を検証したものとして紹介されていますが、対象は103人の従業員(観察数786)と限られており、結果がすべての職場・集団に一般化できるとは限りません。

  • 【注意事項②】睡眠の認識(主観的な睡眠の質・量)を用いた研究であり、客観的な睡眠測定とは異なる点にご留意ください。

  • 【注意事項③】ストレス耐性を高めることで影響を抑えられる「可能性がある」という示唆であり、その具体的な方法の効果については本研究の直接的な検証対象ではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
よく寝ている職場は幸せだ。〜睡眠不足が職場のダークサイドを引き起こす〜
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-30-1748644756/

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