はぴテク相談室:子どものウェルビーイングの実現に向けて
最近、子どもが学校から帰ってきても元気がなくて…。何か子どものウェルビーイング、つまり幸福感を高めるためにできることってあるんでしょうか?
それは心配になりますよね。実は鳴門教育大学の木村直子先生が「子どものウェルビーイングの実現に向けて」という研究をまとめていて、子どもの幸福感についていろいろ整理されているんです。一緒に考えてみましょう!まず、お子さんはどんなときに一番しんどそうに見えますか?
友達関係がうまくいっていないみたいで、学校に行くのが憂鬱そうな感じです。
なるほど。木村先生の研究では、子どものウェルビーイングは「主観的ウェルビーイング」と「客観的ウェルビーイング」の両方から考えることが大切だと整理されています。主観的というのは、お子さん自身が「楽しい」「満足している」と感じているかどうか。客観的というのは、安全な環境や良好な人間関係など、外から見てわかる条件のことです。友達関係はまさに客観的な条件の一つで、それが主観的な気持ちにも大きく影響すると考えられています。
なるほど。じゃあ友達関係を改善しないといけないってことですか?でも、それって簡単じゃないですよね…。
そうですね、人間関係をすぐに変えるのは難しいです。でも研究では、子どものウェルビーイングを支える上で「家庭」の役割もとても大きいと指摘されています。学校でうまくいかないことがあっても、家に帰ったときに安心できる場所・受け入れてもらえる感覚があることが、子どもの幸福感を下支えする可能性があるとされています。
家庭で安心感を与えることが大事なんですね。具体的にはどんなことをすればいいんでしょう?
研究では「子どもの声を聴くこと」が強調されています。大人が解決策を出すよりも先に、子ども自身がどう感じているか、何を望んでいるかを尊重する姿勢が大切だと。これは「子どもの参加権」という考え方で、子どもを守るだけでなく、子ども自身が自分の生活に関われると感じることがウェルビーイングにつながると考えられています。
子どもに話を聞いてあげることが大事、ということですね。でも、うちの子はあまりしゃべってくれなくて…。
それあるあるですよね(笑)。研究では、子どもが「話していい」と感じられる雰囲気づくりが前提として必要だと触れられています。例えば、親が評価や判断をせずにただ聞く時間を作るとか、子どもが話したときに否定しないといった積み重ねが、少しずつ「話せる関係」を作っていくとされています。一度にたくさん話させようとしなくていいんです。
焦らなくていいんですね、少し楽になりました。学校側にも何か期待できることはありますか?
はい、木村先生の研究では学校教育の役割も取り上げられています。子どもが学校で「自分はここにいていい」と感じられる所属感や、「自分にはできる」という自己効力感が、ウェルビーイングと関連していると整理されています。先生との関係や、クラスの雰囲気も重要な要素として挙げられています。
所属感や自己効力感ですか。難しそうな言葉ですが、要するにどういうことですか?
わかりやすく言うと、「自分はここにいてもいい存在だ」という安心感と、「やればできる」という自信のことです。これらは一朝一夕には育ちませんが、小さな成功体験を積み重ねることや、誰かに認めてもらう経験が積み重なっていくことで育まれると考えられています。家庭でも、お子さんの小さなことを「よかったね」と認める声かけが積み重なると、その感覚を育てる助けになるかもしれません。
なんだかできることがあるような気がしてきました。まず子どもの話をじっくり聞いてみようと思います。ありがとうございました!
それは素晴らしいと思います!研究が示しているのは、子どものウェルビーイングは一つの要因だけでなく、家庭・学校・本人の気持ちが重なり合って形づくられるものだということです。完璧にしようとしなくていい。「聞いてみる」というその一歩が、お子さんにとっての安心感につながるかもしれませんね。応援しています!
■ 今日のまとめ
- 子どものウェルビーイングは、本人が感じる満足感(主観的)と、人間関係・環境など外側の条件(客観的)の両面から考えることが大切です。
- 家庭での安心感と「子どもの声をちゃんと聞く」姿勢が、子どもの幸福感を支える重要な要素として研究で整理されています。
- 「自分はここにいていい」という所属感と「やればできる」という自己効力感は、学校・家庭での小さな積み重ねによって育まれると考えられています。
■ 出典・注意事項
- 木村直子「子どものウェルビーイングの実現に向けて」とよなか都市創造 VOL.3, 2025.3, 鳴門教育大学大学院学校教育研究科 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tiumtoshisouzou/3/0/3_19/_pdf
- 【注意事項】本研究は研究知見の整理・概説論文であり、特定の介入効果を示す実験研究ではありません。紹介されている関連性は相関的な知見に基づくものを含み、家庭での実践が直接ウェルビーイングを向上させるという因果関係が証明されているわけではありません。
- 【注意事項】研究で取り上げられている知見の対象集団や文化的背景が異なる場合、すべての子どもに同じように当てはまるとは限りません。お子さんの状況に合わせて参考にしてください。
研究自体の紹介はこちら😊
子どものウェルビーイングの実現に向けて
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-05-07-1746655802/