はぴテク相談室:共同活動のプロセスを評価する Well-going の要件
最近、チームで仕事をしているんですが、なんとなくうまくいっていない気がするんです。目標は達成できているのに、なんかモヤモヤするというか…これって気のせいなんでしょうか?
それ、気のせいじゃないと思いますよ!実は「目標が達成できた」かどうかだけでは測れない、チームの心地よさがあるんです。京都大学の研究で「Well-going(ウェルゴーイング)」という概念が提唱されていて、まさにそこに関係しているかもしれません。
ウェルゴーイング?ウェルビーイングとは違うんですか?
いい質問です!ウェルビーイングが「人がどれだけ良い状態にあるか」を表すのに対して、ウェルゴーイングは「行為がうまく進んでいること」、つまりプロセスそのものの順調さに注目した概念です。「結果よりも、やっているその過程がうまく動いているかどうか」を大切にする考え方なんです。
なるほど。目標を達成したとしても、プロセスがモヤモヤしていたら、それはうまくいっていないということですね。でも、どうすればウェルゴーイングな状態かどうかわかるんですか?
この研究では、ウェルゴーイングには3つの要件があると整理されています。ひとつめは「遂行順調性」——目標に向かって着実に進んでいること。ふたつめは「全体躍動性」——適度な山あり谷ありがあること。みっつめは「協調力動性」——メンバー同士が有機的につながり合っていること。この3つが揃っているかどうかを振り返ってみると、ヒントが見えてくるかもしれませんよ。
「山あり谷あり」が必要というのは意外でした。順調ならそれでいいんじゃないかと思っていたんですが…
そうなんです、ここがユニークな点なんです!単調にスムーズなだけでは「全体躍動性」が欠けているとされています。適度な起伏——つまり難しい場面や盛り上がる瞬間——があってこそ、チームとして生き生きと動いているプロセスと言えるようです。ずっと平坦だと、かえってどこか物足りなく感じることってありませんか?
確かに…最近の仕事、単調すぎてつまらないという感覚もあったかもしれません。では、「メンバー同士がつながり合っている」というのは具体的にどういうことですか?
「協調力動性」というのは、単にみんながバラバラに作業しているのではなく、お互いの動きが影響し合いながら一体として動いている状態のことです。たとえば、誰かが困っていたら自然とフォローが入る、誰かの一言がチーム全体のムードを変える、といった有機的なつながりのことです。
うちのチームはどうかな…みんな自分の仕事をこなしているけど、あまり絡み合っていない気がします。それがモヤモヤの原因かもしれませんね。
その気づきはとても大切だと思います!ウェルゴーイングはまだ概念を定義・整理していく段階の研究ですが、「結果だけでなくプロセスを評価する」という視点は、日々の仕事やチーム活動を見直すヒントになりますよね。3つの要件を「チェックリスト的に」眺めてみると、どこにギャップがあるか見えやすくなるかもしれません。
遂行順調性・全体躍動性・協調力動性…なんか、この3つを意識するだけで、チームの状態を語る言葉ができた感じがします。
そうなんです、「言語化できると、見えてくるものが変わる」んです。この研究はまだ概念の定義を深めていく途中の段階ですが、こうして共同活動のプロセスをきちんと評価しようという視点自体が、チームのウェルビーイングを考える上でとても新鮮な切り口だと思います。ぜひ日々のチーム活動を振り返るときに、この3つの言葉を使ってみてください!
■ 今日のまとめ
- 「ウェルゴーイング(Well-going)」とは、目標の達成そのものではなく、行為がうまく進んでいるプロセスの順調さに注目した新しい概念です。
- ウェルゴーイングには3つの要件があります:①目標に向けて着実に進む「遂行順調性」、②適度な山あり谷ありがある「全体躍動性」、③メンバーが有機的につながる「協調力動性」です。
- チームのモヤモヤは「結果だけ見ていること」に原因があるかもしれません。プロセスをこの3つの視点で振り返ってみると、ギャップが見えやすくなります。
■ 出典・注意事項
- 横山 実紀, 土屋 志高, 渡邊 淳司, 出口 康夫「共同活動のプロセスを評価する Well-going の要件」2024年, 京都大学文学部哲学研究室紀要 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/291288
- 【注意事項】本研究はウェルゴーイングという概念とその要件を定義・整理していく段階の理論的研究であり、実証的な因果関係を示したものではありません。
- 【注意事項】概念の提唱・整理が中心のため、「これをすればウェルゴーイングになる」という介入効果が検証されたものではなく、あくまで評価視点のフレームワークとして参照してください。
研究自体の紹介はこちら😊
共同活動のプロセスを評価する Well-going の要件
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-24-1737762761/