2026.04.24

ウェルビーイングのプロが選ぶ、幸せに大事な19の要素

今月のnature mental health誌に掲載された、

今かなり注目されている最新研究😍

心の良い状態って、

ウェルビーイングと言ったり、QOL(生活の質)と言ったり、

フラワリッシングとかスライビング(繁栄)と言ったり、
ポジティブメンタルヘルスって言ったり

学会によって異なっていて良く分からん!

なので、
過去10年でwellbeingもしくはpositive mental healthと付いた論文を書いていて、↓の各分野で被引用数多い、心の良い状態のプロ中のプロ達122名に、聞いてみたよ!という研究😊

経済学、医学、看護学、哲学、精神医学

心理学(臨床、健康、ポジティブ)、公衆衛生、社会学、神学

(+ワールドハピネスレポートの各賞の著者)

ちなみに日本からは、東京大学の曽我昌史先生が参加とのこと。

人と自然の相互作用について研究されている先生です。

プロ中のプロ達に、ウェルビーイングにこれ大事?と色々聞いた所、以下が浮かび上がってきた。

■心の良い状態、に大切な19の要素

★特に重要な6次元(90%以上が同意)

意味と目的、人生満足度、自己受容、つながり、自律性、幸福感

●残りの13次元(75%以上が同意)

受容、有能感、所属感、エンゲージメント、成長、楽観性、自己一致、楽しさ、活力、活動と機能、達成、落ち着き、安全感

うーん、確かに、どれも大事ですね😍😍😍

ウェルビーイングを考える上で、この19要素を考えれば、大枠は網羅できそう。

個人で言えば、この19要素を、今満たせているかを自問する。とか楽しそうですね。

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■1. 意味と目的(Meaning and Purpose)合意率95.9%

定義:明確な目標、方向性、人生における大きな目的を持つこと、そして自分のしていることが価値があり、報われ、意義深いと感じること(Longo, Coyne, 2018)

■2. 人生満足度(Life Satisfaction)合意率94.3%

定義:自分の人生全体の質をどの程度肯定的に評価しているか。言い換えれば、自分が送っている人生をどれだけ気に入っているか(Veenhoven, 1996)

■3. 自己受容(Self-acceptance)合意率94.2%

定義:自分自身のさまざまな側面(身体、性格、思考、感情など)を肯定的、寛容、受容的、または非評価的な方法で経験すること。肯定的な自己価値感を経験すること

■4. つながり(Connection。)合意率93.4%

定義:友人、家族、愛する人々への所属感、相互ケア、愛情、親密さの感情を含むもの

■5. 自律性(Autonomy)合意率90.9%

定義:自分の行動や選択に対するオーナーシップ(主体性)を持っているという認識、そして自分自身を表現する能力

■6. 幸福感(Happiness)合意率90.1%

定義:適度な覚醒度の心地よい感情で特徴づけられる状態。例えば、幸せ、楽しい、満足を感じること(Longo, Coyne)

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■7. 受容(Acceptance。)合意率84.3%

定義:自己省察し、自分のコントロール内にあるものを特定し、コントロール外にあるものを受け入れる能力

■8. 有能感(Competence)合意率84.2%

定義:自分自身を効果的で、課題やストレッサーを乗り越え、望ましい結果を達成できると感じ、認識すること

■9. 所属感(Belonging)ラウンド2で合意率87.2%

定義:社会的グループ、物理的場所、個人的・集合的経験との深いつながりの感覚

■10. エンゲージメント(Engagement)合意率82.4%

定義:目の前の課題に完全に集中している、またはマインドフルな気づきの状態を経験している、没入的な体験をすること

■11. 成長(Development)合意率81.1%

定義:成長と改善を経験すること

■12. 楽観性(Optimism)合意率81.0%

定義:人生に対する肯定的な見方を持ち、未来に対する肯定的な期待を持つこと

■13. 自己一致(Self-congruence)合意率80.2%

定義:自分の行動や振る舞いが、自分の興味、価値観、信念と整合的であるという認識

■14. 楽しさ(Fun)合意率78.3%

定義:気軽な喜び、楽しみ、面白さ、娯楽を経験すること

■15. 活力(Vitality)合意率75.0%

定義:高い覚醒度の心地よい感情で特徴づけられる状態。エネルギッシュで生き生きと感じることなど

■16. 活動と機能(Activities and Functioning)合意率75.0%

定義:私たちの活動や余暇(つまり日常生活を特徴づける行動や活動)に対する全体的な満足感、そしてこれらのタスクを遂行する能力

■17. 達成(Achievement)ラウンド2で合意率81.7%

定義:自分自身の努力とスキルを使って何かを成功裏に成し遂げたこと

■18. 落ち着き(Calmness)ラウンド2で合意率75.5%

定義:低い覚醒度の心地よい感情で特徴づけられる状態。穏やかさや平和な感覚など

■19. 安全感(Sense of Safety)ラウンド2で合意率75.5%

定義:日常生活における相対的な安心感

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ポジティブなメンタルヘルスの諸側面に関するデルファイ法によるコンセンサス研究

A Delphi consensus study on the dimensions of positive mental health

nature mental health , 2026/4/10

M. Iasiello(オーストラリア・アデレード大学) et al.

https://www.nature.com/articles/s44220-026-00617-5#citeas

ポジティブメンタルヘルス、繁栄、精神的幸福といった用語の概念化が分野によって一貫していないため、信頼できる測定、介入設計、政策立案が妨げられています。そこで、デルファイ法を用いて概念化を標準化するため、ポジティブメンタルヘルスの次元に関する予備的な分類体系について専門家のコンセンサスを得ようとしました。ポジティブメンタルヘルスに関連する11分野の専門家(n = 122)を対象に、3回の反復ラウンドで調査を実施しました。最初のラウンドでは、専門家に(以前のレビューで特定された)26の初期次元が分類体系に適しているかどうかを評価してもらい、その後のラウンドでは、専門家が提案した次元と、ポジティブメンタルヘルスの要因または結果としての次元の評価を依頼しました。19の次元が、ポジティブメンタルヘルスの予備的な分類体系に含めることについてコンセンサス(75%以上の合意)を得ました。「意味と目的」、「生活満足度」、「自己受容」、「つながり」、「自律性」、「幸福」を含む6つの次元は、90%を超える合意を得ました。この分類体系は、標準化された概念化と分野横断的な協力を促進し、断片化に対処することで、介入と政策を強化する。

投稿者によるコメント・補足(3件)
コメント 1

【背景】
▼1. なぜ「ポジティブメンタルヘルス」が注目されているのか
近年、メンタルヘルスは「病気がない状態」だけでなく、「良好な状態(ポジティブメンタルヘルス)」そのものを高めることが重要だと認識されてきました。
・Keyes (2002) は「メンタルヘルス連続体モデル」を提唱し、精神疾患がない状態と、いきいきと生きている状態(flourishing=フラリッシング:心が満たされ機能的に生きること)は別の次元であると示しました
・Trudel-Fitzgerald et al. (2019) は、心理的ウェルビーイングを公衆衛生政策の議論に組み込むべきだと論じました
・Diener et al. (2017) は、主観的ウェルビーイング(本人が感じる幸福感や人生満足感)が身体健康に影響を与えることを示しました
・Sarracino & O'Connor (2025, Nature Human Behaviour) は、政府は経済成長よりウェルビーイングを優先すべきだと提言しています
これらの研究の蓄積により、ポジティブメンタルヘルスは慢性疾患のリスク低下、ストレスからの回復、長寿などと関連することが分かってきました。
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▼2. しかし「概念がバラバラ」という問題が浮上した
ポジティブメンタルヘルスへの関心が高まる一方で、研究分野ごとに使う言葉や定義がバラバラだという問題が表面化しました。
・mental well-being(メンタルウェルビーイング)
・flourishing(フラリッシング:いきいきと生きる)
・thriving(スライビング:成長・繁栄)
・coping(コーピング:対処)
・quality of life(QOL:生活の質)
これらの用語が、心理学・社会学・哲学・公衆衛生・医学など分野を越えて混同して使われてきました(Jarden & Roache, 2023)。
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▼3. 測定尺度のバラつきを示した重要レビュー
著者の一人であるIasiello本人による先行研究が、本研究の直接的な土台になっています。
・Iasiello et al. (2024) は、ポジティブメンタルヘルスに関する155の測定尺度を対象としたアンブレラレビュー(複数の系統的レビューをさらに統合した最上位のレビュー)を実施し、尺度に含まれる「次元」が21種類にも及ぶことを明らかにしました
・Novak et al. (2025) は、8つの代表的なフラリッシング尺度を詳しく分析し、内容に大きな差があることを示しました
・Hone et al. (2014) は、定義の違いによってフラリッシングと判定される人の割合が大きく変わることを実証しました
つまり、「同じポジティブメンタルヘルスを測っているはずなのに、尺度ごとに測っているものが違う」という状態だったのです。
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▼4. 介入(プログラム)の中身もバラバラだった
・Blodgett et al. (2022) は、Warwick-Edinburgh Mental Well-being Scale(WEMWBS:英国で開発された代表的なメンタルウェルビーイング尺度。Tennant et al., 2007)を用いて評価された223件の介入を系統的にレビューし、心理的・社会的・文化環境的・身体的など、介入の構成要素が極めて多様であることを示しました
このため、「どの介入が本当に効くのか」を比較・統合することが難しい状態でした。
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▼5. 分野ごとに「ポジティブメンタルヘルスとは何か」の定義が違っていた
具体的には、次のようなバラつきがありました。
・人生満足感(life satisfaction)だけで測る立場 → Lombardo et al. (2018)
・人生満足感+ポジティブ感情+ネガティブ感情の3要素で測る立場 → Diener (1984) の主観的ウェルビーイング(SWB)モデル。Jovanović et al. (2024) が16カ国で検証
・さらに人生の目的、楽観性、成長、所属感などを含めて広く測る立場 → Tennant et al. (2007) のWEMWBSなど
このように、分野や研究者によって「何を含めるか」が大きく異なっていました。
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▼6. 統一を求める声と、本研究につながる土台
複数の研究者から、概念の混乱を防ぐために定義と次元の統一が必要だという声が上がっていました。
・van Zyl & Rothmann (2022) はポジティブ心理学の重要課題として概念整理を挙げています
・Lomas & VanderWeele (2023) は、メンタルウェルビーイングを16の異なる形に分類する拡張タクソノミー(taxonomy:分類体系)を提案しました
・Disabato, Goodman & Kashdan (2025) は、ウェルビーイングの階層フレームワーク(HiFWB)を提案しました
・VanderWeele et al. (2020) はウェルビーイング測定尺度の選び方に関する推奨を示しました
・Ruggeri et al. (2020) は、ウェルビーイングは幸福と人生満足感を超えた多次元的なものだと21カ国データで示しました
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▼7. 本研究が参考にした古典的な3つの理論枠組み
本研究で90%以上の合意を得た6次元(意味と目的、人生満足感、自己受容、つながり、自律性、幸福感)は、以下の古典的理論と一致していました。
・Diener (1984) の主観的ウェルビーイング(SWB)モデル → 人生満足感とポジティブ感情を重視
・Ryan & Deci (2000) の自己決定理論(SDT:人間には自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求があるとする理論) → 自律性と関係性を重視
・Ryff & Keyes (1995) の心理的ウェルビーイング(PWB)モデル → 人生の意味・自己受容・他者との良い関係を含む6因子モデル
また、「意味と目的」については、Martela & Steger (2016) が「意味」を「coherence(首尾一貫性)」「purpose(目的)」「significance(重要性)」の3つに分けて整理した研究が参照されています。
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▼8. 方法論の手本となった先行研究
Delphi法(専門家に複数回繰り返しアンケートを行い、合意を形成する手法)で分類体系を作るアプローチは、以下を参考にしています。
・Michie et al. (2013) の「行動変容技法タクソノミー(BCT v1)」 → 93の行動変容技法を国際的合意で整理した先駆的研究。本研究はこれと同様のアプローチを目指しました
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▼9. 文化的偏りに関する先行研究
専門家パネルから「西洋中心の概念に偏っている」という指摘が出ましたが、これも以下の先行研究と一致します。
・Hendriks et al. (2019) は、ポジティブ心理学の介入研究がいかにWEIRD(Western, Educated, Industrialized, Rich, Democratic:西洋・高学歴・工業化・富裕・民主主義の人々)に偏っているかを示しました
・Kiknadze & Fowers (2023) は、フラリッシングの文化的バリエーションを論じました
・Wilkes et al. (2023) は、日本の「生きがい」概念が不安・抑うつ・ウェルビーイングを予測しうることを示しました(本論文でも非西洋概念の例として生きがいが言及されています)

コメント 2

【研究内容】
▼1. 研究の目的
この研究は、「ポジティブメンタルヘルスを構成する次元(dimension:構成要素)とは何か」について、世界中の専門家から合意を取りまとめることを目的としました。
新しいモデルを提案するのではなく、既存のバラバラな概念を整理する「予備的タクソノミー(taxonomy:分類体系)」を作ることが狙いです。
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▼2. 研究方法 ー Delphi法とは
この研究ではDelphi法(デルファイ法)を用いました。
Delphi法とは:
・専門家に同じテーマで複数回アンケートを繰り返す
・前回の集計結果を共有しながら、合意が形成されるまで議論を重ねる
・直接対面しないため、声の大きい人に引きずられず公平な合意が得られる
本研究では3回のラウンド(round)を実施し、Flinders大学倫理委員会の承認を得て2024年3〜8月に実施されました。
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▼3. 専門家の集め方
合計1,650人の著者がリストアップされ、そこから1,349人に有効なメールアドレスが得られました。
選定方法は2つ:
・Scopus(スコーパス:学術論文データベース)とWeb of Scienceで「wellbeing」「well-being」「positive mental health」+各分野名で検索し、過去10年で被引用数の多い論文の第1著者・最終著者を抽出
・World Happiness Report(世界幸福度報告書)の各章の第1著者・最終著者を追加
対象とされた11分野:
・経済学、医学、看護学、哲学、精神医学
・心理学(臨床、健康、ポジティブ)、公衆衛生、社会学、神学
最終的に122人が初回調査に参加(回答率約10.3%)。専門知識が不十分とした6名は除外されました。
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▼4. 参加した専門家の特徴
・平均年齢:53.4歳
・性別:女性53.3%、男性45.9%、ノンバイナリー0.8%
・96.7%が博士号保持者
・83.6%が白人/ヨーロッパ系
・26カ国から参加(米国30.3%、英国16.4%、オーストラリア13.1%が上位)
・分野は臨床心理学・ポジティブ心理学・健康心理学・公衆衛生が多数
・平均20年近くの研究経験
・1人あたり平均被引用数16,748回(中央値8,027回) → 非常に高名な研究者集団
日本からも1名参加しています(東京大学のM. Soga氏が謝辞に記載)。
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▼5. 評価対象となった「26の次元」
先行研究(Iasiello et al., 2024のアンブレラレビューと項目バンク開発)に基づいて、最初に26の候補次元が示されました。
各次元には:
・定義(working definition)
・代表的な質問項目2つ
が添えられ、専門家は次の4段階で評価しました。
1=無関係、2=周辺的、3=重要、4=必須
「3=重要」「4=必須」を「含めるべき(included)」、「1=無関係」「2=周辺的」を「含めるべきでない(excluded)」と分類。「分からない」も選択可能でした。
合意の基準は事前に設定され、「75%以上の同意」で合意成立としました(Häder, 2014の推奨に基づく)。

コメント 3

AIさんに動画解説頂きました😊
https://youtu.be/47QQu5K6lS0

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