はぴテク相談室:スポーツ観戦は現地でもTVでも健康とウェルビーイングにつながる
最近、仕事のストレスがたまっていて、何か手軽にできる気分転換ってないかなーと思っているんですよね。運動とか始めればいいのは分かってるんですけど、なかなか腰が上がらなくて…。
それは悩ましいですよね。実はですね、「スポーツを観る」だけでも健康やウェルビーイングと関連があるという研究が出ているんですよ。自分でやらなくてもいいんです!興味ありますか?
えっ、観るだけでいいんですか!?それは嬉しい話ですね。でも本当に効果があるんでしょうか?
明治安田厚生事業団が2024年に発表した研究で、日本の成人6327人を対象に、2018年のスポーツ観戦習慣と、その1年後(2019年)の健康・ウェルビーイングの状態を調べたんです。世界初の大規模な縦断研究と言われていますよ。
縦断研究って何ですか?
同じ人たちを時間をおいて追いかけて調べる研究のことです。「観戦習慣がある人」と「1年後の健康状態」の関連を見ているので、単純なアンケート調査よりも信頼性が高いんですね。ただし、観戦が健康を『引き起こした』と断言できるわけではなく、あくまで『関連がある』という点は押さえておいてください。
なるほど。で、具体的にどんな関連があったんですか?特にストレスが気になっているんですが。
ストレスに関して言うと、年に2回以上スタジアムや会場などで現地観戦している人は、1年後に中等度・重度の心理的ストレスを抱えている可能性が低いという関連が見られました。また、生活習慣を改善しようという関心が高まることや、仕事へのエンゲージメント(仕事に積極的に関われている感覚)が高いこととも関連していたんです。
現地観戦は年2回くらいなら行けそうかも。でも毎週球場に行くのは難しいし…テレビで見るのはどうですか?
テレビやネットなどメディアでの観戦にも嬉しい関連がありましたよ!週1日以上メディアで観戦している人は、幸福感が高い、身体活動が増える、仕事のエンゲージメントが高い、朝食を食べる習慣がある、といった良い関連が見られたんです。
へえ、朝食まで!なんで観戦すると朝ご飯を食べるようになるんですかね?
研究ではそのメカニズムまでは明らかにされていないので、「なぜか」は正直まだ分からないんです。ただ、よくスポーツを観る人は全体的に生活リズムが整っている傾向もあったので、観戦が生活習慣全体の底上げに関連しているのかもしれませんね。
いいことばかりに聞こえますけど、気になるデメリットみたいなものはないんですか?
正直に言うと、メディア観戦はBMI(体格指数)が少し高い、高血圧や糖尿病のリスクと関連している、というネガティブな関連も出ているんです。テレビを長時間見る姿勢での座りっぱなしや、観戦中のおつまみ・飲酒なんかが影響している可能性も考えられますが、こちらもメカニズムは研究では断定されていません。メリットとデメリット両方あることは知っておきたいですね。
なるほど、見るだけでダラダラしすぎると体には良くないこともあるわけですね。バランスが大事か。じゃあ私はまず週1回テレビでスポーツを見て、年に数回は現地に足を運ぶというのを試してみようかと思います!
それ、いいですね!研究では週1日以上のメディア観戦・年2回以上の現地観戦あたりが一つの目安になっていました。ただし繰り返しになりますが、これはあくまで「関連」であって、観戦が直接ウェルビーイングを高めると証明されたわけではありません。でも、スポーツ観戦って楽しいですし、まずは気軽に試してみる価値は十分あると思いますよ!応援するチームを見つけると、さらにのめり込めるかもしれませんね😊
■ 今日のまとめ
- 年2回以上の現地観戦は、心理的ストレスの低下・生活習慣改善への関心・仕事へのエンゲージメント向上と関連していた
- 週1日以上のメディア観戦は、幸福感・身体活動・朝食習慣・仕事エンゲージメントの向上と関連していた一方、BMI・高血圧・糖尿病リスクとの悪い関連も見られた
- これらはあくまで「関連」であり因果関係ではないが、スポーツ観戦が健康的なライフスタイルや精神的健康の新たな保護因子になる可能性として注目されている
■ 出典・注意事項
- 【出典】Association of watching sports games with subsequent health and well-being among adults in Japan: An outcome-wide longitudinal approach / Preventive Medicine, 2024年12月 / 明治安田厚生事業団 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091743524003098
- 【注意事項①:相関と因果】本研究は縦断コホートデータを用いており、因果推論の手法を試みていますが、観察研究である以上、スポーツ観戦が健康を『引き起こした』とは断言できません。あくまで関連性を示したものです
- 【注意事項②:対象集団の限界】対象は日本の成人(労働者含む)に限定されており、結果が他の国・文化・年齢層にそのまま当てはまるとは限りません
- 【注意事項③:自己申告バイアス】観戦頻度や健康状態はいずれも自己申告によるものであり、回答の正確性に限界があります
- 【注意事項④:メディア観戦のネガティブな関連】BMI上昇・高血圧・糖尿病リスクとのネガティブな関連も確認されており、研究者自身も『有害な関連性は慎重に解釈し、さらに研究する必要がある』と述べています
研究自体の紹介はこちら😊
スポーツ観戦は現地でもTVでも健康とウェルビーイングにつながる
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-01-13-1736806260/