2024.12.17

はぴテク相談室:成長マインドセットの視点を取り入れた学級経営の在り方

相談者

最近、クラスの子どもたちがすぐに「どうせ無理」とか「自分には才能がない」って諦めてしまうんです。もう少し粘り強く取り組んでほしいのですが、どうすればいいでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩ましいですね。実は宇都宮大学の松島先生・司城先生の研究に、まさにそのヒントが詰まっているんです。「成長マインドセット」という考え方、聞いたことはありますか?

相談者

なんとなく聞いたことはあるんですが、詳しくは知らなくて…どういうものなんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

「人間の能力や基本的な資質は、努力次第で伸ばすことができる」という考え方のことです。反対に「自分の能力は生まれつき固定されていて変えられない」と思う考え方を「硬直マインドセット」と呼びます。子どもが「どうせ無理」と諦めやすいのは、後者に近い状態かもしれません。

相談者

なるほど。でも、そういう考え方って子どもにどうやって育てるんでしょう?声かけを変えるとか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにフィードバックの工夫が鍵なんです。この研究では、結果だけを褒めるのではなく、学習の過程――どう取り組んだか、どんな工夫をしたか――に注目したフィードバックを継続して行うことが大切だと示されています。「100点すごい!」より「こんなふうに考えたんだね、それがよかったよ」という声かけのイメージです。

相談者

なるほど、プロセスを褒めるんですね。でも正直、先生側が毎回それをやり続けるのって大変じゃないですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いところを突きますね(笑)。実はこの研究でもう一つ興味深い発見があって、フィードバックを続けていくうちに、担任の先生自身も成長マインドセットを持って学級経営できるようになっていったんです。子どものためにやっていたことが、先生自身の変容にもつながっていた、というわけです。

相談者

先生自身が変わっていくというのは面白いですね。先生のマインドセットが子どもにも影響するということですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、先生が成長マインドセットを持って学級経営を行うことで、子どもたちも変容していくと考えられる、と述べられています。ただし「考えられる」という表現にあるように、先生のマインドセットが直接子どもを変えると断言しているわけではなく、あくまでも関連として捉えてほしいところです。

相談者

わかりました。ところで、努力してもなかなか結果が出ない子もいますよね。そういう子にはどう向き合えばいいんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

実はこれが研究の中で一番大事な注意点の一つでして、努力しても結果が結びつかない状況が長期的に繰り返されると、子どもは成長マインドセットを持つことが難しくなる、と示されています。「頑張ればできる」と言い続けても、頑張っても報われない経験が積み重なると逆効果になりうるんですね。

相談者

それは確かに…。じゃあそういう子にはどうすればいいんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では「多様なフィードバックの方法を検討することが必要」と述べられています。一つのフィードバックに頼らず、その子の状況や特性に合わせて声かけや評価の方法を変えていくことが大切なんです。たとえば、点数という結果だけでなく、昨日の自分より一歩進んだことを一緒に確認する、というような工夫が考えられます。

相談者

一人ひとりに合わせたフィードバックが必要なんですね。大変だけど、取り組んでみる価値がありそうです。今日は具体的なヒントをたくさんもらえた気がします!

はぴテクさん
はぴテクさん

ぜひ試してみてください!先生自身が「子どもは伸びる」と信じてプロセスに目を向け続けることが、じわじわとクラス全体の雰囲気をつくっていくようです。焦らず、先生ご自身の変化も楽しみながら取り組んでみてください。

■ 今日のまとめ

  • 学習の結果だけでなく、取り組みのプロセスに注目したフィードバックを継続することが、子どもの成長マインドセット育成に関わっていると示されています。
  • 先生自身が成長マインドセットを持って学級経営を行うことが、子どもの変容と関連していると考えられています(因果関係ではなく関連として)。
  • 努力が結果に結びつかない経験が長く続くと成長マインドセットを持ちにくくなるため、その子の状況に合わせた多様なフィードバックの工夫が必要です。

■ 出典・注意事項

  • 松島広典・司城紀代美「成長マインドセットの視点を取り入れた学級経営の在り方」宇都宮大学共同教育学部教育実践紀要 第9号 2022年8月31日 https://uuair.repo.nii.ac.jp/records/13614

  • 【注意事項】本研究は特定の学級における実践研究であり、対象となる児童・教師の数や環境が限られています。結果をすべての学級や状況に一般化する際はご注意ください。

  • 【注意事項】研究で示されているのは関連・傾向であり、「先生のマインドセットを変えれば必ず子どもが変わる」という因果関係を示したものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
成長マインドセットの視点を取り入れた学級経営の在り方
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