2024.12.01

はぴテク相談室:学生さん向けのセルフコンパッション尺度(日本語版)

相談者

最近、自分に対してすごく厳しくしてしまうことが多くて…。テストで失敗したり、部活でミスしたりすると、何時間もずっとそのことを考えてしまって、自分ってダメだなって落ち込んでしまうんです。どうしたらいいんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

それはつらいですね。何度も同じことを考え続けてしまうの、すごく消耗しますよね。実は今日、まさにそういった悩みにぴったりな研究をご紹介したくて😊

「セルフコンパッション」って聞いたことありますか?簡単に言うと、「自分自身に対して、友達に接するように優しくする力」のことです。中学生を対象にした日本語版の尺度(アンケート)が作られて、幸せやメンタルの強さとの関係が調べられたんですよ。

相談者

セルフコンパッション…なんとなく聞いたことあるかも。でも、自分に優しくするって、甘えじゃないですか?ちゃんと反省しないといけないと思って。

はぴテクさん
はぴテクさん

すごくよくある疑問ですね!でも研究では、自分に優しくすることとレジリエンス(立ち直る力)や幸せ感には正の相関が見られているんです。つまり、自分を責め続けることより、自分に優しくできる人の方が、結果的に幸せを感じやすいという関係があるということ😊

それに、セルフコンパッションには「マインドフルネス」という要素もあって、「失敗を大げさに考えすぎず、ありのままに見る」ことも大事な部分なんです。反省はしつつも、必要以上に引きずらないということですね。

相談者

なるほど…。じゃあ具体的にどんなことを意識すればいいんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究で使われたアンケートの項目を見ると、とても参考になりますよ。大きく4つの要素があります。

自分へのやさしさ:上手くいかないとき、自分に優しく接する。
共通の人間性:「他の人も同じようにつらいことがある」と思い出す。
マインドフルネス:動揺したとき、感情に気づきつつも振り回されない。
④**(逆に避けたいこと)**:失敗を何度も繰り返し考えたり、「自分だけがつらい」と感じたりすること。

あなたが「何時間もそのことを考えてしまう」のは、④に当たるパターンですね。

相談者

確かに「自分だけダメだ」って思いがちです…。②の「他の人も同じ」って考えるのは、なんか言い訳っぽくて難しくて。

はぴテクさん
はぴテクさん

面白いことに、研究でも「共通の人間性」の因子は、他の因子と比べると幸せ感との相関がそれほど強くなかったんですよ。だから、そこが難しく感じるのは、ある意味自然なことかもしれません😊

それより、①の「自分へのやさしさ」や③の「マインドフルネス」の方が、幸せ感に関係していた印象です。まずは「失敗したとき、自分に対して厳しくしすぎていないかな?」って気づくだけでも、第一歩になりそうですよ。

相談者

そういえば、部活で「人に勝ちたい!」って燃えてるときは、むしろ楽しかった気がします。それって関係ありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

鋭いですね!それ、研究でも興味深い発見があって😍

「人より優位を目指す(競争で勝ちたい)」という気持ちとセルフコンパッションに正の相関が見られたんです。大人の研究だと、競争志向はあまり幸せに結びつかないことが多いんですが、子どもや学生さんでは、勝ちを目指して夢中になること自体が、活力やエネルギーとして幸せにつながる可能性があるんですよね。

ただしこれはあくまで相関(一緒に見られる傾向)であって、「競争すれば幸せになる」と断言できるわけではないので、その点はご注意を😊

相談者

でも「失敗したら恥ずかしい、だから失敗したくない」って気持ちで部活してるときは、全然楽しくないんですよね…。

はぴテクさん
はぴテクさん

それもまさに研究に対応していて、「失敗や恥を避けたい(遂行回避志向)」という気持ちはセルフコンパッションと逆の相関、つまりセルフコンパッションが低い傾向と関係していたんです。

「勝ちたくて頑張る!」と「負けたら恥だから怖い…」では、同じ競争でも心の状態がまったく違いますよね。前者の方がセルフコンパッションとも相性が良さそうだということが、データからも見えてきます。

相談者

じゃあ、まず自分が「失敗を怖がってるのか、成長したくてやってるのか」を意識するといいんですかね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね!自分の気持ちに気づくこと自体が、マインドフルネスの第一歩でもありますよ😊

そして、ミスしたときに「また失敗した、最悪だ」と自分を責めるのではなく、「つらかったな、でも頑張ってた」と自分に声をかけてみる。それが「自分へのやさしさ」の実践です。研究では、こういった要素が幸せやレジリエンスと相関していましたから、日々ちょっとずつ試してみる価値がありそうですよ✨

相談者

なんか、自分を責めることが「ちゃんとしてる証拠」みたいに思ってたけど、それだけじゃないんですね。少し楽になりました。ありがとうございます!

はぴテクさん
はぴテクさん

お役に立てて嬉しいです😊 自分を責めることが「真剣さの証明」になってしまうこと、すごく多いんですよね。でも今日の研究が示すように、自分に優しくすることと、しっかり成長を目指すことは矛盾しません。「自己成長を目指すこと(マスタリー志向)」もセルフコンパッションと正の相関があったくらいですから。

ミスしたとき、まず「気づく→大げさにしない→自分に優しくする」の流れを少しずつ試してみてくださいね✨

■ 今日のまとめ

  • 自分へのやさしさ・マインドフルネス・共通の人間性などから成る「セルフコンパッション」は、中学生を対象とした研究でもレジリエンスや幸せ感との正の相関が確認されています。
  • 失敗を何度も繰り返し考えたり「自分だけがつらい」と感じたりすること(自己批判・孤独感・過剰同一性)はセルフコンパッションと逆の関係にあり、幸せ感とも負の相関がありました。
  • 学生の場合、「勝ちたくて頑張る」という競争志向はセルフコンパッションと正の相関が見られた一方、「失敗・恥を避けたい」という動機は逆の相関でした。同じ競争でも、心の向き方が大切です。

■ 出典・注意事項

  • 出典:坂野ほか「Self-Compassion Scale for Youth 日本語版作成の試み」認知行動療法研究, 2024/11/17, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbct/advpub/0/advpub_23-010/_pdf

  • 注意①:本研究は中学生(903名および146名)を対象としたものであり、他の年代や集団にそのまま当てはまるとは限りません。

  • 注意②:本研究で報告されているのはあくまで「相関」(変数間の関連傾向)であり、「セルフコンパッションが高いから幸せになる」という因果関係を証明したものではありません。

  • 注意③:尺度の信頼性については「改善の余地がある」と論文内で述べられており、今後のさらなる検討が必要とされています。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
学生さん向けのセルフコンパッション尺度(日本語版)
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-12-01-1733011201/

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