2024.11.22

はぴテク相談室:メンタリング研究の動向

相談者

最近、職場でメンタリング制度が始まったんですが、正直よく分からなくて…。私はメンティ(受ける側)なんですけど、何か意味があるんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね!メンタリングというのは、経験豊富なメンターさんが継続的にあなたのキャリアや成長を支援してくれる関係のことです。研究によると、メンタリングを受けることは色々なポジティブな面と関連していることが分かってきています。

相談者

どんな良いことがあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

例えば、ワークエンゲイジメント(仕事への活力や熱意)の高さ、バーンアウト(燃え尽き)の回避、役割葛藤の低さ、さらにはクリエイティビティの高さといったことと関連していることが研究で明らかになっています。仕事と家庭の板挟み感が少ないことや、感情的なウェルビーイングが良好なこととの関連も報告されていますよ。

相談者

へえ、そんなにいろいろあるんですね!でも私、今の仕事でストレスがすごくて、メンタリングでそれが楽になるかどうか不安で…

はぴテクさん
はぴテクさん

実はそこも研究されているんです。メンターから提供される支援の量が多いほど、役割の曖昧さ・役割葛藤・一般的なストレス・バーンアウトと負の関連性がある、つまりそれらが低い傾向にあることが示されています。メンタリングがストレスに対処するための資源になりうる、という見方もあります。

相談者

じゃあ、メンタリングをしっかり活用すればストレスが減る、ってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

関連性が見られる、という段階なので「必ず減る」とは言い切れません。研究は相関を示しているもので、メンタリングがストレスを直接減らすと証明されたわけではないんです。ただ、支援を受けることが資源になりうるという知見は、活用する価値があることを示していると思います。

相談者

なるほど。ちゃんと活用するためのコツはありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

一点気をつけてほしいのは、メンタリングの「キャリア機能」、つまりチャレンジングな仕事を任されたり、キャリアアップを促される側面は、プレッシャーになることもあると研究では指摘されています。良い面だけでなく、刺激的なストレッサーにもなりうる、という両面があるんです。

相談者

それは気を付けないといけませんね。ところで、メンターさんにとってはどうなんでしょう?相手に負担をかけていないか心配で…

はぴテクさん
はぴテクさん

優しいですね!実はメンター側を対象にした研究はまだ少ないんです。ただ、Ghosh & Reio(2013)のメタ分析では、メンターとして他者を支援することが、メンター自身の職務満足感や組織へのコミットメントの高さと関連していることが分かっています。

相談者

メンターさんにも良いことがあるんですね、それは少し安心しました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。他にも、メンターとしての支援提供がメンター自身のキャリア停滞感の低さや、昇進・仕事内容・人間関係への満足度の高さと関連しているという報告もあります。もちろんこれも相関の話なので、必ずそうなるとは言えませんが、お互いにとってプラスになりうる関係だと考えると、少し気が楽になりませんか?

相談者

はい!なんかメンタリング、ちゃんと向き合ってみようかなという気になってきました。ありがとうございます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは良かったです!メンタリング研究はまだ発展途上の分野で、特にメンターのウェルビーイングに関する研究はこれからもっと進んでいく領域です。今の段階で分かっていることを活かしながら、自分なりにうまく活用してみてくださいね。

■ 今日のまとめ

  • メンタリングを受けること(メンティ)は、ワークエンゲイジメントの高さ・バーンアウトの回避・ストレスの低さなどとの関連が研究で示されています(ただし相関であり因果ではありません)。
  • メンタリングはストレス対処の資源になりうる一方、キャリア面での挑戦的な側面がプレッシャーになることもあるという両面が指摘されています。
  • メンターとして支援する側も、職務満足感・組織コミットメント・キャリア満足度の高さと関連することが示されており、双方にとってプラスになりうる関係性です。

■ 出典・注意事項

  • 榊原 圭子(2024)「メンタリング研究の動向 ~労働者のキャリア発達およびウェルビーイングとの関連性~」産業精神保健, 32(4), 370. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjomh/32/4/32_370/_article/-char/ja/

  • 【注意事項】本研究はレビュー・文献展望であり、引用されている個別研究の多くは相関研究です。メンタリングがウェルビーイングを直接改善する(因果関係がある)とは言えません。

  • メンター側のウェルビーイングに関する研究は現時点で非常に限られており、知見はまだ発展途上です。特定の職種・文化・組織環境によって結果が異なる可能性があります。

  • Ghosh, R., & Reio, T. G. (2013) のメタ分析が引用されていますが、メタ分析にも含まれる研究の対象集団や方法論に限界がある点にご留意ください。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
メンタリング研究の動向
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-11-22-1732297738/

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