はぴテク相談室:創造性と幸せ/キャリアの成功の遺伝調査
最近、自分って創造的じゃないなって感じることが多くて。仕事でも新しいアイデアが出ないし、芸術的なセンスもないし…。創造性って生まれつき決まってるんでしょうか?なんか落ち込んじゃって。
その悩み、すごくよくわかります。「創造性って才能だから自分には無理…」って思いがちですよね。実は最近、約25万人分の遺伝子データを使ったとても大規模な研究が発表されたんです。まずお伝えしたいのは、創造性には遺伝の影響はあるけれど、それが全てではない、ということです。研究によると、芸術的な創造性でも遺伝で説明できるのは個人差の約22%、科学的創造性は約18%、そして仕事の管理・企画的な創造性は約8%なんです。
えっ、そんなに遺伝じゃない部分のほうが大きいんですね。でも創造性って一種類じゃないんですか?芸術とか科学とか…?
そうなんです、ここが面白いポイントで!この研究では創造性を3つのタイプに分けています。①芸術的創造性(絵・音楽・文章など新しい表現を生み出す力)、②科学的創造性(新しい知識や技術的な解決策を生み出す力)、③管理的創造性(組織やビジネスで新しいやり方やアイデアを生み出す力)です。「芸術的センスはないけど仕事でのアイデア出しは得意」みたいな人も、ちゃんと創造的な人なんですよ。
管理的創造性って初めて聞きました!職場で新しい仕組みを考えるのも創造性なんですね。ちょっと見方が変わった気がします。でも、創造性が高い人って幸せなんですか?
研究では、創造性に関係する遺伝子と、主観的な幸福感(自分が幸せだと感じる度合い)に関係する遺伝子に、弱〜中程度の正の遺伝的相関があることがわかっています。特に管理的創造性との関連が比較的強めでした。ただし!これは「創造性が高い遺伝子を持つ人が幸せになる」という意味ではなく、創造性に関わる遺伝子と幸福感に関わる遺伝子が、似たような傾向で現れやすい、という遺伝的なつながりの話です。
なるほど、直接「創造的だから幸せ」ってわけじゃないんですね。他にも創造性の遺伝子と関係するものってあるんですか?
はい、いくつか興味深いものがあります。たとえば知能や教育達成度との遺伝的な正の相関が強く、特に科学的創造性との相関は比較的高めです。また、収入や職業的な地位との正の遺伝的相関も見られました。一方で複雑な点もあって、双極性障害や統合失調症などの精神疾患に関連する遺伝子との正の相関も記録されています。創造性の遺伝的背景は、いい面も難しい面も含んだ複雑な構造になっているんです。
精神疾患との関連は少し怖い感じもしますね…。でも、創造性が仕事の成功につながる可能性があるというのは励みになります!
そう受け取ってもらえると嬉しいです。ただここでも大事な注意点があって、これはあくまで「遺伝子レベルでの相関関係」の話なんです。「創造的な人は必ず成功する」とか「創造性の遺伝子があれば幸せになれる」という意味ではありません。遺伝子は傾向を示すものであって、環境・経験・努力の影響もとても大きいんです。研究者たちもその点を強調しています。
そうですよね。じゃあ、遺伝的な部分以外で創造性を伸ばしていく余地はあるということですよね?
まさにそうです!芸術的創造性でさえ遺伝で説明できるのは22%、つまり78%は遺伝以外の要因です。管理的創造性に至っては92%が遺伝以外なんです。環境や学習、経験がいかに大きいかがわかりますよね。「自分は創造的じゃない」と決めつけるよりも、どのタイプの創造性を育てたいか考えてみるのも面白いかもしれませんよ。
3つのタイプで考えると、私はどれを伸ばせばいいか考えやすい気がします。ちょっと前向きになれた気がします!
それは良かったです😊 まとめると、創造性は遺伝の影響を受けますが、それは個人差の一部に過ぎません。そして創造性には3つのタイプがあって、自分に合ったタイプを探すことができます。遺伝子研究はあくまで「集団レベルの傾向」を示すもので、あなた個人の可能性を決めるものではないので、ぜひ気軽に捉えてみてください!
■ 今日のまとめ
- 創造性には芸術的・科学的・管理的の3タイプがあり、それぞれ遺伝の影響度が異なる(8〜22%)。つまり遺伝以外の要因のほうがずっと大きい。
- 創造性に関わる遺伝子は、幸福感や収入・職業的地位に関わる遺伝子と遺伝的な正の相関が見られるが、これは因果関係ではなく遺伝子レベルの関連性の話。
- 遺伝子はあくまで集団レベルの傾向を示すものであり、個人の創造性や幸福・成功を決定するものではない。環境・経験・努力の影響も非常に大きい。
■ 出典・注意事項
- 出典:Genome-wide association study on occupational creativity and its relationship with well-being and career success, Communications Biology, 2024年9月5日, https://www.nature.com/articles/s42003-024-06686-5
- 注意事項①:本研究で示された関連はすべて「遺伝的相関」であり、創造性が直接幸福や成功を引き起こすという因果関係を示すものではありません。
- 注意事項②:遺伝的相関は集団レベルの統計的傾向であり、特定の個人に当てはまるとは限りません。
- 注意事項③:研究対象集団の特性(サンプルの地域・人種的背景など)により、結果の一般化には限界がある可能性があります。
研究自体の紹介はこちら😊
創造性と幸せ/キャリアの成功の遺伝調査
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-09-05-1725574272/