2024.08.20

はぴテク相談室:謎の服で出歩いている人は、幸せだ

相談者

最近、周りと違う格好をしたいとか、自分なりのスタイルを持ちたいって気持ちはあるんですけど、「浮いたらどうしよう」って思って結局無難な格好しちゃうんです。なんか損してる気がして…。

はぴテクさん
はぴテクさん

その気持ち、すごくよくわかります!実はそのモヤモヤ、心理学的にとても面白い話につながっているんですよ。「独自性欲求(NfU)」という概念をご存知ですか?簡単に言うと、「自分は他の人と違うんだ」と感じたい気持ちのことです。最近、ヘルムート・シュミット大学の研究でこのテーマが深く掘り下げられました。

相談者

独自性欲求…なんかかっこいい名前ですね。でも、それって自分だけ浮いてる人みたいで、ちょっとわがままな気もするんですが…。

はぴテクさん
はぴテクさん

いえいえ、全然わがままじゃないですよ!この研究によると、独自性欲求には2種類あることがわかっています。一つは「公的NfU」、つまり外見や言動など、見える形で自分らしさを表現したいという欲求。もう一つが「私的NfU」で、心の中では「自分はちょっと変わってる」と思っているけれど、外には出さない欲求です。あなたが今感じているのは、ちょうどその間で揺れている状態に見えますね。

相談者

あー!まさにそれです。心の中では「他の人と違う自分でいたい」と思ってるんですけど、外には出せてない感じ。で、その2種類に何か違いがあるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

それが研究の面白いところなんです。この研究では3つの調査(合計約870人が参加)を行ったのですが、「外に出す公的NfU」が高い人は、自尊心が高く、「自分はどんな人間か」がはっきりしている傾向が見られました。一方で、「内側だけの私的NfU」は、自尊心や自己概念の明確さとはほぼ関係がなかったんです。

相談者

えっ、外に出した方が自尊心が高いってどういうことですか?逆に批判されそうで怖いんですが…。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね、直感的には「批判されたら自尊心が下がるんじゃ?」と思いますよね。研究者たちはこれを「ソシオメーター理論」で解釈しています。これは、自尊心というのは「社会の中で自分が受け入れられているか」という感覚のようなものだという考え方です。公的NfUが高い人は、外向的で情緒が安定していて、好奇心も旺盛な傾向が見られました。そういった特性が組み合わさることで、多少浮いても「まあいっか」と受け止められるのかもしれません。ただし、この研究は相関関係を調べたものなので、「外に出すから自尊心が上がる」と断言はできないんです。

相談者

なるほど、因果関係じゃないってことですね。でも、自分らしさを外に出している人が、自尊心も高い傾向にあるっていうのは興味深いですね。私はなぜこんなに「浮いたら怖い」と思ってしまうんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

それはとても自然な感覚だと思いますよ。研究では、公的NfUが高い人の特徴として「他者の反応をあまり気にしない傾向」「自分の意見を場で表明できる姿勢」なども確認されています。逆に言えば、そういった部分がまだ育っていない段階では、自分らしさを出すのが怖く感じるのは当然のことです。それに、この研究は個人主義的な文化圏(欧米圏)で行われているので、日本のような文化では結果が変わる可能性も考えておく必要があります。

相談者

そうか、文化的な背景もあるんですね。じゃあ、日本に住む自分が「外に自分らしさを出す」ためにできることって何かありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究が直接「こうすれば良い」とは言っていないので断言はできないんですが、研究の内容から考えると、まず「全部出す」じゃなくて小さな一歩から始めるのが自然かもしれません。たとえば、普段使いのグッズをちょっと個性的なものにするとか、気に入ったものを誰かに話してみるとか。「堂々と全部出す」より「少しずつ試してみる」のが、今のあなたのペースに合いそうじゃないですか?

相談者

確かに!いきなり奇抜な格好するんじゃなくて、小物から試してみるとかならできそうです。あと、自分が「これが好き」ってちゃんと言えるようになるといいのかも。

はぴテクさん
はぴテクさん

いいですね!研究では、公的NfUが高い人は「自分がどんな人間か」が明確な傾向があるとも示されていました。「これが好き」「これが自分らしい」という感覚をちょっとずつ積み上げていくことが、その方向につながっているかもしれません。あくまで相関の話なので、これをやれば必ず変わるとは言えませんが、自分を知ることと表現することは、きっと無駄にはならないと思いますよ。

相談者

なんか、「浮くのが怖い」って思ってたけど、少し気持ちが楽になりました。自分らしさって、少しずつ外に出していくものなんですね。ありがとうございました!

はぴテクさん
はぴテクさん

こちらこそ、いいお話ができました!研究はあくまで「傾向」を示したものであって、全員に当てはまるわけではありませんし、文化的な違いもあります。でも、「自分らしさを大切にすること」と「それをちょっと外に出してみること」が、ウェルビーイングと関係しているかもしれないというのは、あなたの背中を少し押してくれる知見だと思います。焦らず、あなたのペースで楽しんでみてください😊

■ 今日のまとめ

  • 独自性欲求には『外に出す公的NfU』と『内側だけの私的NfU』の2種類があり、外に出す方が自尊心や自己概念の明確さと関連していることが研究で示されました(ただし相関関係であり、因果ではありません)。
  • 自分らしさを外に出すのが怖いのは自然なことで、いきなり全部出す必要はありません。小物や言葉など、小さな表現から少しずつ試してみることが一つの糸口になりえます。
  • この研究は欧米の個人主義的文化圏で行われたものであり、日本などの文化的背景では結果が異なる可能性があります。研究の知見はあくまで参考として活用しましょう。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Gebauer et al. (2024). Unique and worthy: Extending the nomological network of the need for uniqueness by aspects of the self-concept. Personality and Individual Differences. Published online 2024/8/19. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S019188692400299X

  • 【注意事項①】本研究は相関研究であり、「公的NfUを高めれば自尊心が上がる」という因果関係を示したものではありません。

  • 【注意事項②】研究の参加者は欧米圏(個人主義的文化)の成人であり、集団主義的傾向の強い日本文化への直接の適用には限界があります。

  • 【注意事項③】使用された尺度(NfU-scale、SANUなど)は自己報告式であり、測定上の誤差が含まれる可能性があります。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
謎の服で出歩いている人は、幸せだ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-08-20-1724112690/

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