2024.06.27

はぴテク相談室:ほとんどの人の人生満足度(幸福度)は性格特性と一致する

相談者

最近、なんか人生に満足できていない感じがして…。ちょっと旅行したり、趣味を増やしたりしてみたんですけど、あまり変わった気がしないんです。どうすれば幸福感って上がるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩みますよね。実は2024年に発表されたとても注目度の高い研究があって、その悩みに直接関係する内容なんです。エジンバラ大学とタルトゥ大学の研究者たちが、人生満足度(幸福感)と性格・信念の関係を大規模に調べたんですが、驚く結果が出ていて。

相談者

どんな結果だったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

一言で言うと、「人生満足度は、その人の性格や信念ととても強く結びついている」ということが分かったんです。しかも10年間追いかけて調べても、その関係はほとんど変わらなかった。旅行や趣味のような表面的な変化だけでは、なかなか満足度が変わらないのも、これで少し説明できるかもしれません。

相談者

性格で幸福度がほぼ決まるって、ちょっと怖い話ですね…。じゃあ諦めるしかないんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

いえいえ、諦める話ではないんです。「性格や信念と強く結びついている」ということは、裏を返せば「性格や信念に働きかけるくらいの変化をすれば、満足度も変わりうる」ということでもあります。ただ、ちょっとしたスキルや気晴らしだけでは届きにくい、という理解が大事なんです。

相談者

具体的に、どんな性格や信念が満足度と結びついているんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、満足度を高める方向と関係している性格・信念として、たとえば「情緒が安定している」「外向性が高い」「自分の能力に自信がある」「努力は報われると信じている」「自己改善に取り組む」などが挙げられています。反対に満足度と強くマイナスに結びついているのは、「誤解されていると感じる(相関係数 約 -0.69)」「何にもわくわくできない(約 -0.61)」「優柔不断・決断を先延ばしにする(約 -0.51)」「嫉妬深い(約 -0.49)」「退屈している(約 -0.45)」などです。

相談者

「誤解されていると感じる」が一番強いんですね。確かに最近、職場でそういう気持ちが続いていて…。これも関係あるのかな。

はぴテクさん
はぴテクさん

興味深い気づきですね。ただ一点大事なことをお伝えすると、これは「相関(結びつき)」のデータなので、「誤解されていると感じるから満足度が下がる」という一方向の因果関係が証明されているわけではありません。満足度が低いから誤解されている感じが強まる、という方向もあり得ますし、両方に影響し合っている可能性もあります。

相談者

なるほど、どちらが原因かは分からないんですね。じゃあ、どんなことに取り組めば性格や信念に働きかけられるんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究自体は「何をすれば性格が変わる」という方法論を直接示しているわけではないのですが、研究者たちは「ちゃんとしたワークショップや継続的なワークのような、性格・信念レベルに影響を与えるくらいの取り組みが必要」という見解を示しています。短期間でも丁寧に設計されたプログラムであれば満足度に変化が見られることもある、とも述べています。

相談者

継続的に、深いところから変えていく必要があるんですね。でも10年間変わらなかったというのは、やっぱり難しそう…。

はぴテクさん
はぴテクさん

確かに「何もしなければ10年間安定して変わらない(安定性の真の相関 約0.70)」というのがこの研究の発見です。ただそれは「変えられない」ということではなく、「表面的なことだけでは動かしにくい、根っこのもの」だということ。逆に言えば、信念レベルで「努力は報われる」「自分には能力がある」という感覚を少しずつ育てていくことが、長い目で見て意味を持つかもしれません。

相談者

「何にもわくわくできない」という項目も気になりました。最近確かにそういう状態で…。これって性格なんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では「エキサイティングなことがない・何にもわくわくしない」という傾向が、満足度と強くマイナスに結びついている(相関係数 約-0.61)と報告されています。ただこれも相関ですし、「信念に近いもの」と研究者自身も述べています。つまり「わくわくするものがない」という見方や構えそのものが、一種の信念として機能しているかもしれない、ということです。変えにくいけれど、全く固定されたものでもないと考えられそうです。

相談者

少しだけ希望が持てました。表面的なことばかり変えようとしていたんですね、私。もう少し自分の信念とか、深いところを見つめ直してみます。

はぴテクさん
はぴテクさん

それはすごく大事な気づきだと思います。この研究が示すのは、「簡単には変わらないが、深いところへのアプローチには意味がある可能性がある」ということです。焦らず、自分の信念や物の見方に丁寧に向き合う時間を作っていくのが、長い目で見ると大切なのかもしれませんね。

■ 今日のまとめ

  • 人生満足度(幸福感)は性格や信念と非常に強く結びついており、10年間の追跡調査でもその関係は安定していることが示されました。
  • 「誤解されていると感じる」「何にもわくわくできない」「優柔不断」などの傾向が満足度と強いマイナスの相関を示す一方、「情緒の安定」「自己効力感」「努力は報われるという信念」などがプラスの相関と関係しています。
  • 表面的なスキルや気晴らしだけでは満足度は変わりにくく、信念・性格レベルに働きかけるような継続的な取り組みが重要である可能性が示されています。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Mõttus, R., et al. (2024). Most people's life satisfaction matches their personality traits: True correlations in multitrait, multirater, multisample data. Journal of Personality and Social Psychology. https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fpspp0000501

  • 【注意事項①:相関と因果について】本研究で示されているのは「相関(結びつきの強さ)」であり、「○○という性格が原因で満足度が上がる・下がる」という因果関係が証明されているわけではありません。

  • 【注意事項②:真の相関について】本研究で使われた「真の相関」は、単一方法バイアスやランダムエラーなどを統計的に補正したもので、一般的な相関係数よりも高めに算出される傾向があります。

  • 【注意事項③:対象集団の限界】サンプルはエストニア語・ロシア語・英語話者を対象としており、他の文化・言語圏にそのまま一般化できない可能性があります。

  • 【注意事項④:人生満足度の測定】本研究で使用した人生満足度の指標は、一般的に使われるSWLS(人生満足度尺度)とは異なる3項目ですが、SWLSとの相関は0.8〜0.95と報告されています。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
ほとんどの人の人生満足度(幸福度)は性格特性と一致する
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-06-27-1719525606/

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