2024.06.11

はぴテク相談室:時間を何に使うか。と幸福度

相談者

最近、なんだか毎日忙しくて、充実感がないんです。家事や家族の世話でほとんど時間が取られてしまって…。時間の使い方を変えたほうがいいのかなと思っているんですが、どうしたらいいでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

それはしんどいですね。実は、スペインで行われた研究で「時間の使い方と幸福感・健康」の関係を調べたものがあるんです。14歳〜85歳の約1万人を対象にした大規模な研究なんですが、時間の使い方と健康・幸福感にはさまざまな関連が見られたという結果が出ています。ちょっと一緒に見ていきましょうか。

相談者

はい、ぜひ!どんなことが分かったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まず大きなポイントとして、「運動・勉強・友人との外出・楽しい活動・育児」に時間を使うほど、健康状態や幸福感との間にポジティブな関連が見られたんです。逆に、特に女性の場合、家事に費やす時間が長いほど、健康状態の悪化や不安・不眠の症状、生活満足度の低さと関連していたという結果が出ています。

相談者

えっ、女性が家事をするほど幸福感が下がるということですか?それはちょっとショックですね…。

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、この研究では「関連がある」という結果なので、家事が直接幸福感を下げると断言はできないんですが、注目すべき傾向ではあります。面白いのは、男性が家事をする時間が長い場合は「環境への適応力が高い」との関連が見られた一方で、女性のような多くのネガティブな関連は見られなかったんです。

相談者

なんで女性だけそんな違いが出るんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では、社会的な不平等や役割の押しつけが背景にある可能性を指摘しています。女性は「やらなきゃいけない」という義務感で家事をしているケースが多く、それが精神的な負担になりやすい、という文脈も考えられるとされています。ただ、この研究は横断研究(ある時点でのデータ収集)なので、因果関係まではわかりません。

相談者

なるほど…。では、女性にとって幸福感に特にプラスに関連していた時間の使い方はありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい!女性の場合、「楽しい活動」への時間が特に多くの幸福感指標とポジティブに関連していたんです。健康感が高く、不安・不眠が少なく、社会的なつながりも豊かで、全体的な心理的幸福感も高いという関連が見られました。「勉強」も女性では生きがいの高さや心理的幸福感と関連していましたよ。

相談者

楽しい活動か…。今の私には、そんな時間が全然ない気がします。でもちょっとでも作る価値がありそうですね。あと、友人と外出するのも良さそうですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。友人との外出は男女ともに「健康状態が良い」「薬の使用が少ない」「前向きな人間関係がある」との関連が見られました。女性ではさらに社会的サポートの大きさや、病気の少なさとも関連していました。ちょっと面白い発見として、男性の場合は友人と外出する時間が長いほど自尊心が低い・うつ症状が重いといった関連も出ていて、研究者もここは「謎が多い」と言っています。

相談者

男性はむしろ自分の時間も大事にした方がいいってことかな?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究からそこまで断言はできないんですが、一つの可能性として「男性は自分のペースや自律性を大切にしやすいタイプが多い」という背景があるのかもしれませんね。いずれにせよ、この研究が強調しているのは「ジェンダーによって時間の使い方が健康や幸福感に与える影響は異なる」ということです。

相談者

じゃあ、私の場合まず何から始めればいいでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の結果を参考にするなら、まず「楽しいと感じる活動」や「運動」に少しでも時間を割くことを意識してみるのが一つのアプローチです。運動は男女ともに幅広い幸福感指標とポジティブな関連があった中でも特に強い活動でした。あとは、家事を一人で抱え込まないようにパートナーや家族と分担することも、この研究の流れから考えると意味があるかもしれません。ただし、これはあくまで「関連がある」という話なので、すぐ大きな変化を期待するよりも、少しずつ試してみる感覚で十分だと思いますよ。

相談者

ありがとうございます!時間の使い方を少し意識するだけで変わりそうな気がしてきました。まず運動と好きなことをする時間を週に少し確保してみます!

■ 今日のまとめ

  • 運動・楽しい活動・勉強・友人との外出・育児に時間を使うほど、健康感や幸福感とポジティブな関連が見られた(ただし効果の大きさは小さめ)。
  • 女性が家事に費やす時間が長いほど、健康状態や生活満足度・心理的幸福感の低さと関連していた一方、男性では同様の傾向は見られなかった。
  • 時間の使い方が幸福感に与える影響には男女差があり、特に女性は「楽しい活動」「運動」への時間がさまざまな幸福感指標とポジティブに関連していた。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Arrasco-Alegre et al.,「Time Use, Health, and Well-Being across the Life Cycle: A Gender Analysis」Social Sciences, 2024/6/8, MDPI. https://www.mdpi.com/2076-0760/13/6/307

  • 注意事項①:本研究は横断研究(ある一時点のデータ収集)のため、時間の使い方と幸福感の「関連」は示されていますが、因果関係(どちらがどちらを引き起こすか)は示されていません。

  • 注意事項②:対象はスペインの一般人口(14〜85歳)であり、他の国や文化的背景を持つ集団にそのまま当てはまるとは限りません。

  • 注意事項③:健康・幸福感の測定はすべて自己報告によるものであり、客観的な医学的評価とは異なります。

  • 注意事項④:効果サイズは全般的に小さく、時間の使い方だけが幸福感を決めるわけではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
時間を何に使うか。と幸福度
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-06-11-1718143206/

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