はぴテク相談室:状態がシェアできている集団に属する個人はウェルビーイングが高い
最近、仕事がなんとなくしんどくて…。自分だけがしんどいのか、チームみんなそうなのか、よくわからなくてモヤモヤしているんです。
それはしんどいですね。「自分だけなのかな?」って思うと、余計に孤独な感じがしてくることありますよね。実は、まさにそのモヤモヤに関係する面白い研究があるんですよ。
えっ、そうなんですか?どんな研究ですか?
内田先生たちが2023年に発表した研究なんですが、企業の従業員94名に2ヶ月間にわたって毎日日報を書いてもらった調査なんです。その日報に「あなたは今日幸せでしたか?」「チーム全体としては今日幸せだったと思いますか?」という2つの質問を盛り込んで、チームの状態と個人の幸せの関係を調べたんです。
へえ、毎日そんなことを聞くんですね。で、どんなことがわかったんですか?
チームのメンバー同士で「今日のチームの幸福感」の認識がそろっているほど、一人ひとりの幸福感も高かった、という相関が見られたんです。つまり、「なんとなくうちのチーム今日いい感じだったよね」って認識が共有できている状態が、個人のウェルビーイングとも関係していたということですね。
なるほど…。情報の共有じゃなくて、「状態」の共有っていうのがポイントなんですね。
そうなんです!「今日の売上は〇〇円」みたいな情報の共有だけじゃなくて、「今日みんなどんな感じだった?」という気持ちや状態のシェアが大切、ということですね。この研究では「シェアド・リアリティ」という考え方を使っていて、チームで現実の認識を共有できることが人の幸福感に関係するという発想がベースになっているんです。
でも、テレワークだとそういう状態の共有って難しくないですか?顔が見えないし…。
実は、この研究ではテレワークと出社を比べても、幸福感への影響にあまり違いが見られなかったそうなんですよ。最近はオンラインでも状態を共有できるツールがいろいろ出てきているので、うまく使えば場所を問わず状態のシェアができるのかもしれませんね。
そうか、じゃあテレワークでも工夫次第でできることがあるんですね。ちなみに、私はチームで状態を共有するなんてこと、ほとんどしたことないんですけど、何か簡単にできることってありますか?
この研究で使った方法がシンプルでいいなと思うんですが、日報に「今日のチームはどうでしたか?」「あなた自身は今日どうでしたか?」みたいな一言を添えるだけでも、状態を言葉にするきっかけになりますよね。ただ、あくまでこれは相関を見た研究なので、「状態を共有すれば必ず幸せになる」と断言はできないんですが、試してみる価値はありそうですよ。
確かに、「今日どうだった?」って一言で全然違う感じがしますね。あと、楽しさの話もあるって書いてありましたが、それはどういうことですか?
日報の文章の中に「楽しい」という感情が表れていた人は幸福度が高い傾向があったそうです。ただ、相関としては弱めで、研究でも「楽しさ=幸せ」とは言えないと注意されています。楽しさは幸福感の一部かもしれないけれど、それだけで全部を説明できるわけじゃない、ということですね。
なんか、チームで状態を言葉にして共有することって、大事なんだなって改めて感じました。自分だけがしんどいって思っていたけど、まずチームに「今日どうだった?」って聞いてみようかな。
いいですね!「自分だけかも」っていうモヤモヤって、状態を共有していないと生まれやすいのかもしれません。小さな一言でも、チームの状態を言葉にしていくことが、じわじわと雰囲気を変えるきっかけになるかもしれませんね。
■ 今日のまとめ
- チームのメンバー同士で「チームの幸福感」の認識がそろっているほど、個人の幸福感も高いという相関が見られた(情報だけでなく「状態」の共有が大切)。
- テレワークと出社で幸福感への影響に大きな違いは見られなかった。場所よりも状態をシェアできるかどうかがポイントかもしれない。
- 日報などに「今日自分はどうだったか・チームはどうだったか」を一言添えるだけで、状態の共有のきっかけになりうる。
■ 出典・注意事項
- 【出典】内田ほか「場の状態の共有と個人のウェルビーイング」データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2023)5a-4-3, 2023年3月 https://proceedings-of-deim.github.io/DEIM2023/5a-4-3.pdf
- 【注意事項①】本研究で示されているのは「相関」であり、「状態を共有すれば幸福感が上がる」という因果関係が証明されたわけではありません。
- 【注意事項②】対象は特定企業の従業員94名・2ヶ月間の調査であり、結果がすべての職場・チームに当てはまるとは限りません。
- 【注意事項③】「楽しさ」と幸福感の相関は弱い相関にとどまっており、楽しさ=幸せとは言えないと研究内でも注意されています。
研究自体の紹介はこちら😊
状態がシェアできている集団に属する個人はウェルビーイングが高い
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-03-08-1709868235/