2024.02.21

はぴテク相談室:満足感とウェルビーイング

相談者

最近、何をやっても「もっとうまくできたはずなのに」とか「まだ足りない」って感じてしまって、なんか常に心が落ち着かないんですよね。幸せになりたいとは思っているんですが、なかなかそういう気持ちになれなくて…。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは消耗しますよね。「もっと、もっと」って追い求めているうちに、気づいたら疲れてしまっている感じでしょうか。実はその感覚、研究でも注目されているテーマと深く関係しているんですよ。

相談者

そうなんですか?どんな研究ですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

2024年に「Journal of Happiness Studies」という学術誌に掲載された研究なんですが、「満足感(Contentment)」という感情に注目しています。これは「幸福感(Happiness)」とは別の感情だということが、複数の方法で確認されているんです。

相談者

満足感と幸福感って、違うんですか?同じようなものだと思ってました。

はぴテクさん
はぴテクさん

多くの人がそう思いますよね。でもこの研究によると、満足感は「今の自分の状況が、そのままで完全だと感じられるときに湧いてくる感情」なんです。一方の幸福感はもっと高揚感や興奮を含むイメージです。満足感はどちらかというと、静かで穏やかな「これでいい」という感覚に近いんですよ。

相談者

なるほど…。私が感じられていないのは、まさにその「これでいい」っていう感覚かもしれません。でも、それって具体的にウェルビーイングとどうつながるんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究では、満足感が「自己受容」を通じてウェルビーイングの向上と関連していることが示されました。自己受容というのは、ありのままの自分をそのまま認める感覚です。満足感が高いと自己受容の感覚が強まり、そこからウェルビーイングの高まりへとつながるという関連が見られたんです。

相談者

自己受容か…。自分に厳しくしないといけないと思っていたので、それが足りていないのかもしれませんね。ところで「マキシマイザー」という言葉を聞いたことがあるんですが、それも関係ありますか?

はぴテクさん
はぴテクさん

関係があると言われていますね。マキシマイザーというのは「最高の結果を常に追い求めるタイプ」のことで、何でも「もっとベストな選択肢があるはず」と探し続けてしまいます。一方、サティスファイザーは「一定の基準を満たせばOK」と思えるタイプで、いわば「足るを知る」感覚に近いです。マキシマイザー傾向が強い人はストレスが溜まりやすいとも言われていますよ。

相談者

あ、私まさにマキシマイザーだと思います…。何をやっても「これで十分」って思えなくて。じゃあ、サティスファイザーになれたら楽になるんでしょうか。

はぴテクさん
はぴテクさん

「完全にどちらかになる」というよりも、「今の自分の状況をいったんそのままで受け入れてみる」という瞬間を意識して増やしていくことが、満足感を育てるヒントになるかもしれません。今日の研究では、この満足感は特性レベル(普段の傾向)だけでなく、状態レベル(その瞬間の気持ち)でも自己受容やウェルビーイングと関連することが示されています。つまり、日々の小さな瞬間にも意識を向けられる余地があるということですね。

相談者

なるほど、特性だけじゃなくて、その場その場の状態でも変わり得るということですね。少し希望が持てました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね。「今この瞬間、これで十分だ」と感じられる場面を少しずつ見つけていくことが、ウェルビーイングへの一歩になるかもしれません。ゴータマ・ブッダも「満足は最大の富である」と言っていますし、古くから人間の知恵として大切にされてきた感覚なんですよ。志を持って前に進むこととも、矛盾しません。足るを知りながら、それでも大切なものに向かっていける、そういうバランスが理想的じゃないかなと思います。

相談者

「足るを知りながら、志に向かう」っていいですね。追い求めることをやめるんじゃなくて、今の自分をまず認めることが大事なんですね。すごく腑に落ちました。ありがとうございます!

■ 今日のまとめ

  • 満足感(Contentment)は幸福感とは異なる独自のポジティブ感情であり、「今の状況がそのままで完全だ」と感じるときに生まれる静かな感覚です。
  • 研究では、満足感が「自己受容」の感覚と関連し、さらにウェルビーイングの高まりとも関連することが示されています(ただし関連であり、因果関係とは異なります)。
  • 「もっとベストを」と追い求めるマキシマイザー傾向は満足感を持ちにくくさせる可能性があります。「足るを知る」感覚を日々の小さな瞬間に意識することが、ウェルビーイングへのヒントになりえます。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Zabelina, E., et al. (2024). Contentment and Self-acceptance: Wellbeing Beyond Happiness. Journal of Happiness Studies. https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-024-00729-8

  • 注意事項①:本研究で示されているのは満足感・自己受容・ウェルビーイングの間の「関連(相関)」であり、満足感が直接ウェルビーイングを高めるという因果関係が証明されたものではありません。

  • 注意事項②:研究の対象集団や文化的背景によって結果が異なる可能性があります。すべての人に同様に当てはまるとは限りません。

  • 注意事項③:マキシマイザー/サティスファイザー研究は別の研究群であり、本論文で直接検証されたものではなく、関連する概念として紹介されています。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
満足感とウェルビーイング
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-02-21-1708552805/

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