2024.01.21

はぴテク相談室:リモートワーク時代のインクルーシブなリーダーシップ行動

相談者

最近、チームのメンバーがほとんどリモートワークになったんですが、なんか全員バラバラな感じで、チームとしてのまとまりが出なくて困っています。自分なりにいろいろやってはいるんですが、何が足りないのかよくわからなくて…

はぴテクさん
はぴテクさん

それは悩ましいですよね。リモートワークになって、チームのまとまりが出しにくくなったと感じているリーダーさん、本当に多いんです。実は2024年に発表された研究で、まさにその悩みを扱ったものがあるんですよ。リーダーとメンバー合わせて47人にインタビューした質的研究なんですが、少し聞いてもらえますか?

相談者

はい、ぜひ聞かせてください!どんなことが分かったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まずこの研究では、「インクルーシブ・リーダーシップ」という考え方が出てきます。難しそうな名前ですが、要するに「メンバー一人ひとりの力を引き出して、チーム全体を強くするリーダーシップ」のことです。そしてリモートワーク環境では、このインクルーシブなリーダーシップを発揮するうえで、3つの大きな壁があると分かったんです。

相談者

3つの壁、気になります。私が感じている困りごとと重なるかも…

はぴテクさん
はぴテクさん

おそらく重なると思いますよ。1つ目は「メンバーの頑張りや貢献が見えにくくなること」。直接会っていないと、誰が何をどれだけやっているか把握しづらいですよね。2つ目は「物理的に離れていると、チームへの帰属意識や信頼が育ちにくくなること」。3つ目は「家と職場の境界が曖昧になって孤独感が生まれやすいこと」です。どれか刺さりますか?

相談者

全部刺さります(笑)。特に1つ目と2つ目は深刻で…メンバーが何をしているか把握できていないし、チームの一体感も正直あまりないなと感じています。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですよね。じゃあ、その壁を乗り越えるためにリーダーたちが実際にやっていた行動も紹介しますね。研究では4つのインクルーシブなリーダー行動が挙げられています。①メンバーの仕事に気づいて、ちゃんと認めて評価する、②意思決定にメンバーを巻き込む、③つながりや「ここにいていいんだ」という雰囲気を育む、④一人ひとりの個性やニーズに合わせてサポートする、の4つです。

相談者

なるほど…でも、リモートだとこれを実践するのって難しくないですか?対面なら自然とできていたことも、画面越しだとやりにくくて。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそこで、研究に出てくるリーダーたちが工夫していたことがあるんです。「古いやり方に固執しても意味がない」という言葉がこの論文のタイトルにもなっているくらいで(笑)。具体的には、Zoomやチャットツールをうまくつかってメンバーとつながるフォーマットを新しく試してみること、そして1対1の会話をこれまでより頻繁に設けること、この2つが特に効果的だったようです。

相談者

1対1の会話、実は最近さぼりがちで…。チャットで済ませてしまっていました。やっぱり大事なんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。チャットは便利ですが、「個人として見てもらえている」という感覚はやっぱり会話のほうが伝わりやすいですよね。それから研究でもう一つ大事とされていたのが、メンバーからのフィードバックをもらって、自分の行動を調整し続けること。「私のやり方、どう感じてる?」って聞いてみる文化を作るイメージです。

相談者

フィードバックを求める、か。それって勇気がいりますけど、確かに大事ですよね。あと、メンタルヘルスのこともリーダーとして気にかけないといけないんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究では、メンバーのメンタルヘルスへの配慮をリーダーとしての責務に組み込むことも、インクルーシブな行動の一つとして挙げられていました。「調子はどう?」という一言が、孤独を感じがちなリモートワーク環境では思っている以上に大きく響くことがあるんですよね。

相談者

なんか、すごくシンプルなことの積み重ねなんですね。特別なスキルが必要というより、意識と継続が大事なのかな、という感じがしました。今日話を聞いて、明日からやってみようと思えることが見つかった気がします!

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです、まさにそれが大事なところで。この研究が示しているのは、インクルーシブ・リーダーシップは「決まった行動リストをこなすもの」じゃなくて、メンバーの状況や気持ちを感じ取りながら、自分の行動を少しずつ調整し続けていくプロセスだということなんです。完璧じゃなくていい。「気づいて、動いて、また聞く」この繰り返しが、チームをじわじわ変えていくと思いますよ。

■ 今日のまとめ

  • リモートワーク環境では「貢献が見えにくい」「帰属意識が育ちにくい」「孤独感が生まれやすい」という3つの壁が、チームのまとまりを妨げやすいことが研究で示されています。
  • インクルーシブなリーダーシップ行動の柱は、①貢献を認める、②意思決定に巻き込む、③つながりの雰囲気をつくる、④個々のニーズに合わせてサポートする、の4つです。
  • リモート時代には「古いやり方に固執しない」こと、つまり1対1の会話を増やす・新しいツールを試す・メンバーのフィードバックをもとに自分の行動を調整し続けることが重要とされています。

■ 出典・注意事項

  • 出典:Hannes Leroy et al. (2024). 'It doesn't make sense to stick with old patterns': How leaders adapt their behavior to foster inclusion in a disruptive context. Journal of Organizational Behavior. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/job.2766

  • 本研究はリーダーとフォロワー計47人へのインタビューをもとにした質的研究です。インタビュー対象者の属性や業種に偏りがある可能性があり、すべての職場環境に同様の結果が当てはまるとは限りません。

  • インタビューによる質的研究のため、ここで紹介した関係性は相関・関連として示されたものであり、因果関係が証明されたものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
リモートワーク時代のインクルーシブなリーダーシップ行動
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2024-01-21-1705870920/

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