2023.11.19

はぴテク相談室:男らしさと幸せ。

相談者

最近、「男らしさって有害だ」みたいな話をよく聞くんですよね。でも正直、男として生まれて、家族を守りたいとか、強くありたいって気持ちは自然と湧いてくるし、それって否定しなきゃいけないのかな…ってモヤモヤしてるんです。

はぴテクさん
はぴテクさん

そのモヤモヤ、すごくよく分かります。実はちょうどそこに関係する研究があるんですよ。イギリスとドイツの男性、合わせて4000人以上を対象にした調査で、「男らしさへの考え方」と「幸福度」の関係を調べたものです。結果がけっこう興味深くて。

相談者

へえ!どんな結果だったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

まず大きなポイントとして、「男らしさに対して否定的な見方をしていない人ほど、幸福度が高い傾向があった」という結果が、イギリスでもドイツでも共通して見られました。幸福度は「ポジティブ・マインドセット指数」という、自信・楽観・感情の安定などを測る尺度で測定されています。

相談者

ということは、男らしさを否定的に捉えてる人は幸福度が低めだった、ってことですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうです。特にイギリスのサンプルで顕著だったのが、「男性性のせいで、自分の問題について自分がどう感じているかを話すことができない」という考えに同意している人ほど、幸福度が低い傾向があったという点です。つまり、男らしさを「自分の感情表現を封じるもの」として捉えることが、幸福度の低さと関連していたわけです。

相談者

なるほど。じゃあ逆に、「男らしさは自分にプラスだ」と思っている人はどうだったんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

ドイツのデータで面白いことが分かっていて、男らしさに対して肯定的な見方をしていることが、幸福度の高さの予測因子のひとつになっていたんです。具体的には「男らしさは、女性を守ろうとする気持ちにさせる」「男らしさは家族のために強くなりたいと思わせる」という感覚が、幸福度と正の相関を示していました。あなたが感じていたこと、まさにそこと重なりますよね。

相談者

それは少し救われる気がします。じゃあ「家族を守りたい」「強くありたい」って気持ちは、幸せに関係してくるってことなんですね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の範囲では、そういう気持ちを持っている人ほど幸福度が高い傾向があったということです。ただし大事なのは、これはあくまで「相関」であって、「そう思えば幸せになれる」と証明されたわけではない点です。また、この調査はイギリスとドイツの男性を対象にしたオンライン調査なので、他の国や文化にそのまま当てはまるかは分かりません。

相談者

確かに。でも、「男らしさは全部悪いもの」みたいな見方には、ちょっと疑問を感じてたんですよね。この研究もそこに疑問を投げかけているんでしょうか?

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね。研究者も「男らしさをひとまとめに否定的に語ることが、男性のメンタルに悪影響を与えている可能性がある」と指摘しています。ただし、男らしさの中でも内容によって違いがあって、たとえば「男らしさのせいで女性に対して暴力的な感情を持つ」という感覚は、幸福度の低さと関連していたという結果も出ています。

相談者

なるほど、つまり「男らしさ」もひとくくりじゃなくて、中身によって全然違う、ってことですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそこが一番大事なポイントだと思います。「男らしさ」という言葉で何を指すかによって、幸福度との関係もまったく変わってくる。家族を守りたい・強くありたいという感覚と、感情を抑え込まなければいけないという感覚は、同じ「男らしさ」という言葉の中にあっても、幸福度への関連は異なっていたわけです。

相談者

じゃあ、自分の中にある「家族を大切にしたい」「守りたい」という気持ちは、むしろ大事にしていいってことかな。

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究が示す範囲では、そういった感覚は幸福度と関連がある傾向が見られています。あなたが感じているモヤモヤ、「自分の気持ちまで否定しなくていいんじゃないか」という感覚は、研究の知見とも重なる部分がありますよ。もちろん、自分がどんな「男らしさ」を大切にしているかを、改めて自分なりに整理してみることも面白いかもしれません。

■ 今日のまとめ

  • 「男らしさに否定的な見方をしている人ほど幸福度が低い傾向がある」という相関が、イギリス・ドイツ両国で共通して見られました。
  • 「家族を守りたい」「強くなりたい」など肯定的な男らしさの感覚は、ドイツのサンプルで幸福度と正の相関がありました。
  • 『男らしさ』はひとくくりではなく、その中身によって幸福度との関連は異なります。どんな男らしさを大切にするかが重要です。

■ 出典・注意事項

  • 【出典】Barry, J.A. et al. (2023). The belief that masculinity has a negative influence on one's behavior is related to reduced mental well-being. International Journal of Health Sciences. https://ijhs.qu.edu.sa/index.php/journal/article/view/7968/1173

  • 【注意事項①】本研究は相関研究です。「男らしさへの考え方」と「幸福度」の間に関連が見られたということであり、どちらかが原因でどちらかが結果である因果関係は示されていません。

  • 【注意事項②】対象はイギリスとドイツの成人男性(オンライン調査)に限定されており、他の国・文化・性別への一般化には慎重が必要です。

  • 【注意事項③】「男らしさ」の測定は自己申告による質問紙であり、下位尺度ごとに幸福度との相関の有無が異なります。「男らしさ全般」が幸福度を高めるという単純な結論は研究から導けません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
男らしさと幸せ。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-11-19-1700431209/

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