はぴテク相談室:強みと幸せ
最近、なんか毎日がつまらないというか、やる気が出なくて…。自分には特に取り柄もないし、強みなんてないんじゃないかって思ってしまうんです。
それは、毎日しんどいですね。でも「強みがない」って感じるのは、自分の強みに気づいていないだけかもしれませんよ。実は2023年に発表された島井先生たちの研究で、「強みを自覚している人ほど幸福感が高い傾向がある」という関連が確認されています。まず、あなたが思う「強み」ってどんなイメージですか?
強みって言ったら、仕事ができるとか、スポーツが得意とか、そういうことじゃないんですか?
実は研究で扱う「強み」はもっと幅広いんです。たとえば「好奇心が旺盛」「人に親切にできる」「感謝の気持ちを持てる」「ユーモアがある」なども立派な強みとして数えられています。この研究では、独創性・好奇心・勇気・親切心・感謝心・希望・ユーモアなど、全部で24種類の強みを定義していて、それぞれ1つの質問文で測れる尺度(CST24)を作ったんです。
24種類もあるんですね!でも、その中で特に幸せと関係が強い強みってあるんですか?
あります!社会人を対象にした調査で重回帰分析という統計手法を使って調べたところ、幸福感と特に関連が強かったのは「希望」「自己制御」「勇気」「活力(熱意)」「愛(親密性・親切心)」「精神性」あたりでした。逆に「思慮深さ」は幸福感とマイナスの関連が見られたのも面白いところです。
「思慮深さ」がマイナスなのは意外ですね。慎重に考えるのって良いことじゃないんですか?
面白いですよね。ただ、これは「思慮深さが悪い」ということではなく、あくまで統計的な関連の話です。他の強みと一緒に分析したときに、そういうパターンが出た、ということです。因果関係ではないので「慎重さをなくせば幸せになれる」とは言えないんですが、考えすぎてしまう傾向が、幸福感と結びつきにくいケースもあるのかもしれませんね。
なるほど…。ちなみに「希望」が一番関連が強かったんですよね。私、最近あまり希望を持てていない気がして…。
「望みがかなうことを期待して、楽しく励める」という感覚ですね。研究でも希望の強みは幸福感との関連が最も強く出ていました(重回帰係数0.244)。希望というのも、生まれつきの性質というより、日々の意識の向け方と関係しているとも言われています。たとえば「今日の小さな良いことを一つ思い浮かべてみる」なんてことから始めてみるのも一つかもしれません。
小さいことでもいいんですね。「自己制御」も上位に入っていましたが、これはどういうことですか?
「自分の感情や行動をコントロールして、落ち着いていられる」という強みです。感情に振り回されにくい人ほど、幸福感と関連があるという結果でした。毎日がつまらないと感じているときって、感情に引っ張られて行動が止まってしまいがちですよね。自己制御の強みを意識するだけでも、少し違う見え方ができるかもしれません。
なんか、自分にも当てはまる強みが少しはあるかもって気になってきました。でもこの24問のテスト、自分でやってみることはできますか?
この研究で作られたCST24は、24の強みを各1問ずつ、合計24問で測れる尺度です。論文はオープンアクセスで公開されているので、質問文を確認することはできます。さっきお伝えした24項目を自分に当てはめて「これは自分に当てはまるな」と感じるものをチェックしてみるだけでも、自分の強みの輪郭が見えてくると思いますよ。
やってみます!なんか、強みって「才能」じゃなくて、自分の中にある性格や姿勢のことだって分かったら、少し気が楽になりました。
そうなんです!強みは特別な才能じゃなくて、誰もが持っている性格の良い面のことなんです。この研究は日本人を対象にした調査で、結果には一定の限界もありますが、「自分の強みに気づくこと」が幸福感と関連している、という知見はとても示唆に富んでいます。ぜひ24項目を眺めながら、「これ、わりと自分に当てはまるかも」というものを探してみてください。
■ 今日のまとめ
- 24の性格的強みを1問ずつ測るシンプルな尺度(CST24)が開発・検証され、強みの自覚と幸福感に有意な正の相関が確認されました。
- 社会人を対象にした分析では、特に「希望」「自己制御」「勇気」「活力」「愛」「精神性」が幸福感と強い関連を示しました(重回帰分析による結果)。
- 強みは特別な才能ではなく、好奇心・感謝・ユーモア・親切心など日常的な性格の特徴も含まれます。まず24項目を眺めて自分の強みを探してみることが、幸福感への第一歩かもしれません。
■ 出典・注意事項
- 【出典】Shimai, S., Urata, Y. Development and validation of the Character Strengths Test 24 (CST24): a brief measure of 24 character strengths. BMC Psychology 11, 238 (2023). https://doi.org/10.1186/s40359-023-01280-6
- 【注意事項①】本研究は相関研究および重回帰分析に基づくものであり、「特定の強みが幸福感を高める」という因果関係を示すものではありません。
- 【注意事項②】調査は日本のインターネット調査(成人・高校生・大学生・社会人)を対象としており、結果の一般化には限界があります。
- 【注意事項③】重回帰分析の結果は、他の強みと同時に分析した場合の相対的な関連を示したものです。単独での関連とは異なる場合があります。
研究自体の紹介はこちら😊
強みと幸せ
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-11-08-1699480806/