はぴテク相談室:企業のCSR活動は、働く人の幸福度と仕事への満足度、働きがいを高める。
最近、会社がCSR活動に力を入れ始めたんですが、正直なところ「社会貢献って自分たちの仕事と関係あるの?」って思ってしまって…。自分の幸福感や仕事のやりがいには、あまり関係ない気がするんです。
その疑問、すごく自然だと思います!「社会貢献活動が自分の幸せに?」って、ピンとこない方は多いですよね。実は2023年に発表された研究で、企業のCSR活動が従業員の幸福度や仕事の満足度にどう関わっているか、じっくり調べたものがあるんです。中国の企業でCSRを経験した従業員を対象にしたアンケート調査なんですが、なかなか面白い結果が出ていて😊
へえ、どんな結果だったんですか?
まずCSR活動を大きく2種類に分けています。ひとつは「第一次CSR」——従業員の福利厚生サポートや、取引先との公正な取引など、身近なステークホルダー向けの活動です。もうひとつは「第二次CSR」——慈善活動や地域社会への貢献など、より広い社会に向けた活動ですね。この2つ、どちらも従業員の幸福度を高めることと正の関連が確認されたんです。
どちらも、なんですね!社会向けの活動でも、自分たちの幸福度が上がるっていうのは意外でした。
そうなんです、ここがポイントで!「社会のためにやっている」という活動でも、それを経験している従業員の幸福感と関連していた。別の研究では、企業内ボランティアのような活動は「利他的な行動そのものが気持ちいい」という面だけでなく、成果だけを追い求める考え方から、もっと集団的・感情的なものの見方へと移行していくプロセスが幸福度と関連している、という指摘もあります。ちょっと深いですよね🌱
なるほど…。じゃあ「仕事のやりがい」や「仕事の満足度」についてはどうでしたか?
ここにも面白い違いがあって!仕事の満足度については、第一次・第二次どちらのCSRとも正の関連が見られたんですが、「第一次CSR(従業員・取引先向け)」の方がより強く関連していたんです。つまり、自分たちに直接関わる福利厚生や職場環境への取り組みが、仕事の満足度と特に強く結びついている傾向があった、ということですね。
それは確かに納得です。「自分が大切にされている」って感じる方が、満足度に直結しそう。
まさにそこですね!研究でも「経営者は従業員の福利厚生を優先し、健康的・安全な職場環境や従業員支援プログラムに投資することが推奨される」と述べています。そしてさらに、仕事の満足度が高まることが、幸福度の向上とも正の関連があることも確認されています。満足→幸福、という流れが見えてきますね😊
じゃあ、社会向けの活動(第二次CSR)は満足度への関連は弱めなんですか?意味が薄いってこと?
そうとは言い切れなくて!第二次CSRは満足度への関連が第一次より相対的に小さかっただけで、幸福度への関連は両方ともしっかりあります。また参考研究では「第二次CSRの方が働きがいを高める」という報告もあるんです。社会への貢献という大きな意味や目的感が、やりがいに結びつきやすいのかもしれませんね。
なるほど!「満足感」には身近な活動、「やりがい・意味感」には社会向け活動、みたいな役割の違いがあるんですね。
その理解、とてもいい整理だと思います!研究の枠組みで言えば、第一次CSRは4種類のうち①従業員支援、②適正な取引に、第二次CSRは③慈善活動、④社会連携に対応します。どちらも欠けずに組み合わさることで、従業員の幸福感や仕事への満足度、やりがいと多角的に関連してくる、ということですね。
会社のCSR活動を、もう少し前向きに見られそうです。自分ごととして捉えるとか、社会貢献の意味を意識してみるとか、できそうな気がしてきました!
素晴らしいですね😊 ただひとつ大事なことをお伝えすると、この研究は中国の企業従業員を対象にしたアンケート調査で、関連性(相関)を見たもので、「CSRをやれば必ず幸福度が上がる」という因果関係を証明したものではありません。あくまで「関連がある」という知見です。とはいえ、会社のCSR活動の背景にある意図や意味を知ることで、自分の仕事の見え方が少し変わるきっかけになるかもしれないですね✨
■ 今日のまとめ
- 企業のCSR活動は、従業員向け(第一次)・社会向け(第二次)の両方で、従業員の幸福度と正の関連が確認されています。
- 仕事の満足度については、従業員や取引先に直接向けた第一次CSRとの関連がより強く、さらに仕事の満足度が高いほど幸福度も高い傾向があります。
- 社会向けの第二次CSRは満足度への関連は相対的に小さいものの、「働きがい・意味感」との関連が指摘されており、第一次・第二次それぞれが異なる形で幸福に関与している可能性があります。
■ 出典・注意事項
- 出典:Nguyen et al., 'The impact of corporate social responsibility types on happiness management: a stakeholder theory perspective', Management Decision, 2023. https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1108/MD-02-2023-0267/full/html
- 【注意事項①】本研究は中国の企業従業員を対象としたアンケート調査であり、他の国・文化・業種への一般化には限界があります。
- 【注意事項②】本研究で示された関係はあくまで相関(関連性)であり、CSR活動が幸福度・満足度を高めるという因果関係を直接証明するものではありません。
- 【注意事項③】データはCSRを実施した経験のある企業の従業員に限定されており、サンプルに偏りがある可能性があります。
研究自体の紹介はこちら😊
企業のCSR活動は、働く人の幸福度と仕事への満足度、働きがいを高める。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-07-10-1689030006/