2023.07.04

はぴテク相談室:現実的な見通しは幸福度を高める。

相談者

最近、将来のことを考えると不安になってしまって。大きな夢はあるんですけど、なかなか前に進めない感じがして、毎日モヤモヤしています。

はぴテクさん
はぴテクさん

そのモヤモヤ、よくわかります。夢があるのに動けない感じって、しんどいですよね。実は、その「大きな夢と日々の行動の間のギャップ」に関係する、おもしろい研究があるんです。少し聞いてもらえますか?

相談者

はい、ぜひ聞かせてください!

はぴテクさん
はぴテクさん

バウメイスターさんやセリグマンさんといった有名な研究者たちが2023年に発表した研究なんですが、「現実的な見通しを持つ力(プラグマティック・プロスペクション)」と幸福度や人生満足度に関係があるかを調べたものです。フルタイムで働くアメリカの成人1500人以上を対象にした調査で、現実的な見通しを持っている人ほど、人生満足度や仕事の生産性が高く、不安や落ち込みが低いという相関が見られました。

相談者

「現実的な見通し」って、つまりどういうことですか?夢を小さくするってこと?

はぴテクさん
はぴテクさん

それが面白いところで、夢を小さくするわけじゃないんです!この研究では「現実的な見通し」を4つの要素に分けています。①将来の理想的な結果をしっかり思い描く、②現実に合った賢い目標を設定する、③計画を立てる、④計画どおりにいかないときも柔軟に動く、の4つです。大きな夢を持ちながらも、今の自分にできる現実的な目標を設定して、しかも計画が崩れても柔軟に対応していく、そういうセットが大事なんです。

相談者

なるほど…。私、夢ばかり大きくて、目標とか計画とかをちゃんと考えていなかった気がします。

はぴテクさん
はぴテクさん

それはすごく多くの人に当てはまることですよ。夢を持つこと自体はとても大切です。ただ研究が示しているのは、夢と日常の行動の間に「現実的な橋」を架けることが、幸福感と関係しているということ。たとえば「世界中の人を幸せにしたい」という夢があるなら、まず「今週、身近な誰かに喜んでもらえることを一つする」くらいの目標が、その橋になるイメージです。

相談者

小さな目標でいいんですね。でも計画がうまくいかないことって多くて、そのたびに落ち込んでしまうんですよね…。

はぴテクさん
はぴテクさん

その「計画がうまくいかないときの柔軟な対応」、実はこの研究の中で、特に幸福感との関連が強かった要素なんです。計画通りにいかないこと自体は問題じゃなくて、そのときに「じゃあ別の方法を試してみよう」と動けるかどうかが大事みたいです。計画を守ることよりも、目的に向かって柔軟に動き続けることの方が、幸せと結びついている、ということですね。

相談者

計画を完璧に守ろうとしすぎていたかもしれません。ちょっと気が楽になってきました。でも、目標ってどのくらいのレベルで設定するのがいいんでしょう?

はぴテクさん
はぴテクさん

研究の尺度の中に「私の目標は、私ができることの現実を上回っています」という項目があって、これは逆スコア、つまり「目標が高すぎる=あまり良くない」方向の質問なんです。これが示しているのは、「頑張ればなんとかなりそう!」くらいのレベル感が、現実的な見通しとして機能しているということ。壮大な夢はそのままに、直近の目標だけは手が届きそうなサイズにする、というイメージです。

相談者

なんか、ワンピースのルフィみたいな感じですね。海賊王になる!と言いつつ、まず目の前の島を攻略する、みたいな(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにそのイメージです(笑)!夢は海賊王、でも今日の目標はイーストブルーの攻略、みたいな。研究も、その「夢の大きさ」と「現実的な目標・計画・柔軟な実行」がセットになっているときに、人生満足度や生産性との正の相関が見られると言っています。夢だけでも、計画だけでも足りなくて、両方がそろうことが大事そうですね。

相談者

なんか今日から少しやってみようという気になりました。まずどこから始めればいいですかね?

はぴテクさん
はぴテクさん

この研究の4要素を順番にやってみるのが自然かもしれません。まず「どんな未来を描いているか」を紙に書いてみる。次に「今の自分が現実的に取り組める目標を一つ決める」。そして「その目標に向けた小さな計画を立てる」。最後に「計画が崩れたときの代替案も一緒に考えておく」。この4ステップ、研究の尺度そのものとも重なっています。完璧にやらなくていいので、まず書いてみるだけでも変化があるかもしれませんよ。

相談者

ありがとうございます!夢と現実をつなぐ「橋」を作ることが大事なんですね。なんかすっきりしました!

■ 今日のまとめ

  • 夢を持ちつつも、現実的に「頑張ればなんとかなりそう」なレベルの目標を設定することが、人生満足度や幸福感と関連している
  • 計画がうまくいかないときでも柔軟に別の方法を試せる力が、特に幸福感と強く結びついている
  • 「理想を描く→現実的な目標設定→計画→柔軟な実行」の4ステップをセットで持つことが、日常生活や仕事での充実感と関係している

■ 出典・注意事項

  • 出典:Austin D. Eubanks, Andrew Reece, Alex Liebscher, Ayelet Meron Ruscio, Roy F. Baumeister & Martin Seligman, 'Pragmatic prospection is linked with positive life and workplace outcomes', The Journal of Positive Psychology, 2023/6/29. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2023.2230479

  • 注意事項①:この研究は相関研究です。「現実的な見通しを持つと幸福になる」という因果関係が証明されたわけではなく、両者が関連していることが示されたものです。

  • 注意事項②:対象はフルタイムで働くアメリカの成人(N=1541)に限られており、日本や他の文化・就業状況の人にそのまま当てはまるかどうかは不明です。

  • 注意事項③:探索的調査(探索的研究)であり、今後さらなる検証が必要な段階の知見です。

投稿者によるコメント・補足(1件)
コメント 1

研究自体の紹介はこちら😊
現実的な見通しは幸福度を高める。
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2023-07-04-1688464806/

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