2026.05.14

はぴテク相談室:チャップマン博士の'5つの愛の言語'を科学的に検証する

相談者

最近、パートナーとの関係がなんとなくうまくいっていない気がして…。友達に相談したら『愛の言語が違うんじゃない?』って言われたんです。5つの愛の言語って本で読んだことあって、確かに私はスキンシップが大事だけど、彼は言葉で褒めてほしいタイプみたいで。私たちって相性が悪いのかな…って不安になってきました。

はぴテクさん
はぴテクさん

それは気になりますよね。実は、その『5つの愛の言語』という考え方、世界で2000万部以上売れた大ベストセラーなんです。でも最近、心理学の研究者たちが「これって本当に科学的に正しいの?」と統計をつかってきちんと検証したんです。その結果が、けっこう興味深くて。まず最初に一つ聞いてもいいですか?『自分には1つだけ大事な愛の言語がある』って、どのくらいピンときますか?

相談者

うーん…スキンシップが一番大事かな、とは思うんですけど、彼に感謝の言葉をかけてもらうのも嬉しいし、一緒に過ごす時間も大切だし…。正直、1つに絞るのって難しいですよね。

はぴテクさん
はぴテクさん

まさにその感覚、研究が裏づけているんですよ!『人には主要な言語が1つある』というのがチャップマン博士の主張なんですが、複数の研究で『人は5つすべての言語を大切に感じる』という結果が繰り返し出ているんです。5段階評価をすると、どの言語も平均4点前後と高い評価になって、1つだけ突出するわけじゃない。なので『私はスキンシップ一択!』という人はむしろ少数派で、みんな複数の言語を大切にしているんです。

相談者

そうなんですね!じゃあ、『パートナーと愛の言語が一致しないと関係がうまくいかない』っていうのも、必ずしも正しくないんですか?

はぴテクさん
はぴテクさん

はい、そこも検証されていて、『パートナーの言語が一致するほど満足度が高まる』という主張を支える強い根拠は見つからなかったんです。つまり、「彼は言葉派・私はスキンシップ派だからダメ」という話にはならない、ということですね。むしろ研究が示しているのは、5つの言語はどれも大切で、どれか1つが正解というわけじゃない、ということなんです。

相談者

それは少しほっとしました。でも、じゃあ5つの言語自体も正しくないってことですか?なんか、せっかく覚えたのに…って感じで(笑)

はぴテクさん
はぴテクさん

(笑)気持ちわかります!ただ、5つの言語そのものが『意味がない』というわけではないんです。スキンシップ、感謝の言葉、一緒に過ごす時間、行動で示す、贈り物、どれも愛情を伝える大切な方法であることは変わりません。研究が言っているのは『5つだけに集約されるわけでもない』ということで。たとえば、相手の自律性を尊重すること、相手の目標を応援すること、お互いの友人ネットワークを共有すること、ケンカをちゃんと解消すること、なども関係の満足度に関わる大切な要素として挙げられているんです。

相談者

ケンカの解消も愛の言語のひとつ、みたいな感じなんですね。確かに、ケンカした後にちゃんと仲直りできるかどうかってすごく大事な気がします。なんかイメージが広がりました。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうなんです。そして、この研究の中でとても好きな表現があって。論文では『愛は習得すべき言語ではなく、バランスの取れた食事のようなもの』という比喩が提案されているんですよ。炭水化物だけでは体に必要な栄養が足りないように、スキンシップだけ、言葉だけ、というのではなく、いろんな形で愛情を届け合うことが大切、という考え方です。

相談者

『バランスの取れた食事』かあ。それはすごくわかりやすい!じゃあ、彼が言葉で褒めてほしいというのも、私がスキンシップを求めるのも、どちらも大切にしながら、いろいろ試してみればいいってことですね?

はぴテクさん
はぴテクさん

その理解、まさにこの研究の伝えたいことに近いと思います。相手が何を心地よいと感じるかを知っておくのは素敵なことですし、状況や相手の気持ちに合わせて、言葉をかけたり、一緒に時間を過ごしたり、行動で示したりと、いろんな形を組み合わせていくイメージですね。一つの方法に絞り込もうとするより、全体のバランスを意識するほうが、この研究の知見には沿っています。

相談者

なるほど!なんか、『愛の言語が違うからうまくいかないかも』って思っていたのが、ちょっと視野が広がった気がします。相手とちゃんとコミュニケーションをとりながら、いろんな形で大切にし合うことを続けていけばいいんですね。

はぴテクさん
はぴテクさん

そうですね。今日お話しした研究はレビュー論文といって、これまでの複数の研究をまとめて整理したものなので、すべての疑問に答えられるわけではないですし、対象となった研究の多くは欧米の文化圏のものが中心です。日本の文化やカップルに同じ結果が当てはまるかどうかはまだわからない部分もあります。ただ、『1つの言語に絞り込まなくていい』『パートナーと言語が違っても大丈夫』という方向性は、複数の研究で一貫して示されているので、少し気持ちが楽になるヒントになればうれしいです。

■ 今日のまとめ

  • 「自分には1つだけ主要な愛の言語がある」という考えは科学的に支持されておらず、ほとんどの人は5つの言語すべてを大切に感じている
  • 「パートナーと愛の言語が一致しないと関係がうまくいかない」という主張を支える強い根拠は見つかっておらず、言語の違いが関係の問題を意味するわけではない
  • 愛の伝え方は『学ぶべき言語』ではなく『バランスの取れた食事』のようなもので、言葉・時間・行動・スキンシップなど多様な形を組み合わせることが大切とされている

■ 出典・注意事項

  • 出典:Impett, E. A., Park, H. G., & Muise, A. (2024). Popular psychology through a scientific lens: Evaluating love languages from a relationship science perspective. Current Directions in Psychological Science, 33(2), 87–92. https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/09637214231217663

  • 注意事項①:本研究はレビュー論文(既存研究のまとめ)であり、個々の研究の知見をまとめたものです。すべての疑問に直接答えるものではありません。

  • 注意事項②:参照された研究の多くは欧米の文化圏を対象としており、日本のカップルに同じ結果が当てはまるかどうかは限界があります。

  • 注意事項③:研究が示しているのは統計的な傾向(相関)であり、特定の行動が関係満足度を高めるという因果関係を直接証明したものではありません。

投稿者によるコメント・補足(1件)
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研究自体の紹介はこちら😊
チャップマン博士の'5つの愛の言語'を科学的に検証する
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-05-14-1778784831/

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