シアワセニナールは、最高の幸福度向上施策かもしれない
〜オープンラベル・プラセボで幸福度が大きく向上〜
ちょっと昔の研究ですが、オープンラベル・プラセボと幸福度についての研究。
プラセボ効果とは、何の効果も無い薬を、めっちゃ効果がある薬だよ!と言って飲んでもらうと、本当に効果が出る。(思い込みの力)
でも、嘘つくのも倫理的にどうだろう。
ということで、オープンラベル・プラセボは、めっちゃ効果がある薬だよ!嘘だけど!と言って飲んでもらうというもので、実はこれも色々効果があると言われています。(ざっくりです。実際はちょっと違います。)
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で、今回は、あくまでプラセボだけどウェルビーイングに効くよ!と錠剤を5日間飲んでもらいました。
すると、
精神的ウェルビーイング(WEMWBS)、感情的苦痛(DASS-21)、身体的症状(SHC)、睡眠の質(PSQI)の、
身体/精神 × 苦痛/快の4種類全てで、大きく改善しました😊
(なお、1錠飲んでもらった場合と4錠飲んでもらった場合では、差はあまりなかった。)
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ということで、プラセボではあるけど、飲むとウェルビーイングが高まるよ!と砂糖の錠剤を飲むと、実際に幸福度が高まる。
それも、
精神的ウェルビーイング(WEMWBS)は他のワークを行った研究と比べても、結構大きく伸びましたし、
睡眠の質みたいな身体的な部分でも改善しました。
思い込むこと、ってかなり効果があるんですね😊
(ただ、長期的な研究ではないので、そこは要検討。)
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そう考えると、シアワセニナ~ルは、かなり幸福度が高まりそうです。
学校や、職場で、是非配ってみましょう😊
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実際に、飲んでもらう時に伝えた言葉。
①プラセボ効果は強力で、多くの臨床試験において、実際の生理的な効果を生み出すことが示されています
②あなたの体は、プラセボの錠剤を飲むことに自動的に反応し、心身の治癒プロセス(mind-body healing processes)を活性化させることができます
③ポジティブな期待は助けになりますが、必ずしも必要というわけではありません
④処方された通りに錠剤を飲むことが重要です
⑤このプラセボは以下を高めるものです。
・身体的ウェルビーイング(身体症状と睡眠)
・心理的ウェルビーイング(ポジティブ感情とネガティブ感情の体験)
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プラセボ処方:非盲検プラセボ効果における投与量、期待、および服薬遵守の役割に関する実験的検証
Prescribing Placebos: An Experimental Examination of the Role of Dose, Expectancies, and Adherence in Open-Label Placebo Effects
Annals of Behavioral Medicine,2019
https://academic.oup.com/abm/article-abstract/53/1/16/4932788?redirectedFrom=fulltext
DL↓
https://discovery.ucl.ac.uk/id/eprint/10041684/1/Horne_Open%20Placebo%20Dose%20Manuscript%20R2.pdf
背景
最近の証拠によると、患者がプラセボを服用していることを知っている場合でも、プラセボ効果が生じる可能性があり、これは「非盲検プラセボ効果」と呼ばれている。
標的
プラセボ投与量(1日1錠対1日4錠)、治療への期待、および服薬遵守が、非盲検プラセボ効果に寄与するかどうかを評価する。
方法
健康な大学生参加者を無作為に、1日1錠または4錠の非盲検プラセボ錠を服用する群、あるいは無治療対照群に割り当てた。プラセボ投与群の参加者は、身体的(症状と睡眠)および心理的(肯定的および否定的感情体験)な健康状態を向上させると説明された非盲検プラセボを5日間服用した。プラセボの効果と健康状態に関する期待はベースライン時に評価され、健康状態と服薬遵守状況は5日間の治療コース後に評価された。
結果
睡眠の質を含むすべての健康状態に関するアウトカムにおいて、中程度から大規模な非盲検プラセボ効果が認められた。投与量はこれらの効果に影響を与えなかった。治療への期待と治療遵守は、2つの心理的健康状態に関するアウトカムと身体症状の経験において、健康状態の向上を予測する有意な独立因子であったが、睡眠の質は独立して改善した。
結論
これは、オープンラベルプラセボが幸福感と睡眠の質を改善する効果を実証し、オープンラベルプラセボの効果は用量依存性ではないものの、ほとんどの幸福感に関する結果は、肯定的な期待と治療への遵守の両方によって独立して予測されることを示した最初の研究である。
【背景】
■ 研究の背景──オープンラベル・プラセボ研究はどこから来たのか
この研究は「中身がただの砂糖でも、それが砂糖だと知らされた上で飲んで効くのか」という、近年注目されているテーマを扱っています。ここに至るまでには、長年積み重ねられた既存研究の流れがあります。以下、論文の論理展開に沿って、出典とともに整理します。
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■ 1. プラセボ効果そのものについての基礎知識
▼ プラセボ効果とは何か
プラセボ効果とは、有効成分を含まない治療(いわゆる「偽薬」)を受けることによって生じる、有益な治癒反応のことです。薬の成分そのものではなく、「治療を受けた」という体験自体から生まれる効果を指します(Stewart-Williams & Podd, 2004)。
▼ プラセボは「気のせい」ではない
プラセボ効果は単なる思い込みではなく、主観的な症状だけでなく、客観的な生理指標にも影響することが繰り返し示されてきました(Finniss et al., 2010; Miller et al., 2009)。
具体的には、同じ砂糖の錠剤でも、伝え方や状況の作り方を変えるだけで以下のような身体反応が起きます。
・痛みの場面では、脳内で内因性オピオイド(脳が自分で作る鎮痛物質)が放出される(Bingel et al., 2006; Kong et al., 2006)
・うつの患者では、大脳皮質のブドウ糖代謝が増加する(Mayberg et al., 2002)
・パーキンソン病の患者では、脳内でドーパミン(運動の調節に関わる神経伝達物質)が放出される(De la Fuente-Fernandez et al., 2001)
つまりプラセボは、医療現場で患者の予後を改善し、本物の薬の効果を底上げする可能性を持つ「使える現象」と考えられてきました。
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■ 2. しかし「だます」ことが障壁だった
▼ 従来のプラセボには倫理的な壁がある
プラセボを臨床に応用する上で最大のハードルが「欺き(ディセプション)」の問題です。これまでの常識では、患者が「これは本物の薬だ」と信じ込まなければプラセボ効果は出ない、とされてきました(Finniss et al., 2010; Miller et al., 2005)。
しかし、患者をだますことは、
・患者の自律性(自分のことを自分で決める権利)を傷つけるリスクがある
・医療従事者への信頼を損なうおそれがある
ため、広く臨床応用するわけにはいきませんでした(Wendler & Miller, 2004)。
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■ 3. 「だまさないプラセボ」の登場──オープンラベル・プラセボ
▼ 知らせた上で渡しても効くという発見
近年、「これは有効成分を含まないプラセボです」と本人に正直に伝えた上で渡しても効果が出る、という研究が次々と報告されるようになりました。これがオープンラベル・プラセボ(open-label placebo)です。
▼ さまざまな疾患で効果が確認されている
・ADHD(注意欠如多動症)の子ども(Sandler & Bodfish, 2008)
・慢性腰痛(Carvalho et al., 2016)
・片頭痛(Kam-Hansen et al., 2014)
・過敏性腸症候群(IBS:腸の働きの不調により腹痛や下痢・便秘が続く疾患)(Kaptchuk et al., 2010)
・うつ病(予備的研究)(Kelley et al., 2012)
これらの結果は「プラセボは本物だと信じてこそ効く」という従来の常識をくつがえし、欺きを使わずにプラセボを臨床応用できる可能性を示しました。
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■ 4. なぜ効くのか──メカニズムをめぐる議論
▼ プラセボ効果を支える2つの主要メカニズム
従来のプラセボ研究では、効果を生む心理的なしくみとして主に2つが支持されてきました(Stewart-Williams & Podd, 2004)。
・期待(expectancy):「良くなるだろう」と予期することが、実際にその結果を引き起こすという考え方(Kirsch, 1997)
・古典的条件づけ(classical conditioning):本物の薬と特定の状況(錠剤の見た目、服用の文脈など)が繰り返し結びつくと、状況だけでも薬と似た反応が起きるようになるしくみ(Colloca & Miller, 2011)
▼ 条件づけだけでは説明しきれない
条件づけ由来のプラセボ反応は、後で「あれはプラセボでした」と明かしても残ることが分かっています(Schafer et al., 2015)。ただしこの場合、最初の条件づけの段階で「だます」ことは必要でした。
さらに、「この治療は効かない」と認識していると条件づけ自体が成立しないことも示されています(Montgomery & Kirsch, 1997)。
つまり、最初から「これはプラセボです」と伝えるオープンラベル・プラセボでは、条件づけによる説明はうまく当てはまりません。残る有力候補が「期待」ですが、オープンラベル・プラセボの文脈で期待の役割が実証的に検証されたことはまだありませんでした。ここが本研究の出発点の一つになっています。
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■ 5. もう一つの未解決問題──「何錠飲ませるべきか(用量)」
▼ プラセボには薬理学的な「適正用量」がない
通常の薬は、薬の性質や患者の状態から適切な用量や飲み方が決まります。しかしプラセボには有効成分が無いため、何錠出せばよいかを薬理学的には決められません。
▼ これまでの慣行は「1日4錠」
オープンラベル・プラセボの先行研究では、慣例的に「1日2回、1回2錠(計4錠)」という処方が使われてきました(Kaptchuk et al., 2010; Carvalho et al., 2016; Kelley et al., 2012)。これは「プラセボでも、たくさん飲むほど効果が大きい」という古い知見(de Craen et al., 1999; Blackwell et al., 1972)に沿ったものです。
▼ ところが「シンプルな処方ほど守られやすい」という別の知見もある
一方で、1日の服用回数が少ない、シンプルな処方ほど、患者がきちんと飲み続けやすい(=アドヒアランスが高まる)ことも分かっています(van Dulmen et al., 2007)。
※アドヒアランス:患者が指示通りに薬を飲み続ける度合い。
【研究内容】
■ 研究の内容──健常者でもオープンラベル・プラセボは効くのか、その仕組みは何か
この研究は、健常な大学生を対象に「これはただの砂糖の錠剤ですよ」と正直に伝えた上でプラセボを5日間飲んでもらい、ウェルビーイングがどう変化するかを調べたものです。同時に、効果に影響する要因として「期待」「用量」「アドヒアランス(指示通り飲んだ度合い)」の3つを検証しました。
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■ 1. 研究デザイン──3群比較のランダム化実験
▼ 全体の枠組み
被験者間デザイン(参加者を別々のグループに振り分けて比較する方法)を用いて、参加者は以下の3群のいずれかにランダムに割り付けられました。
・無治療コントロール群:何も飲まない
・1日1錠群:オープンラベル・プラセボを1日1錠
・1日4錠群:オープンラベル・プラセボを1日4錠(朝2錠、夜2錠)
▼ 実験者バイアスへの配慮
ベースライン評価(治療前の測定)の段階では、男性の実験者は参加者がどの群に割り付けられたかを知らされていません(盲検化)。質問紙はQualtricsという調査ソフトを使い、参加者だけが個室で回答する形式にして、実験者の影響を受けにくくしました。
▼ 倫理面
ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の倫理委員会の承認を受け、オーストラリア・ニュージーランドの臨床試験登録(ACTRN12617000253303)にも事前登録されています。
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■ 2. 参加者
▼ サンプル構成
UNSWの心理学部の学生プールから募集され、参加で単位がもらえる仕組みでした。
・登録者:92名
・コントロール群:30名(うち追跡完了27名、保持率90%)
・1日1錠群:31名(追跡完了30名、保持率97%)
・1日4錠群:31名(追跡完了31名、保持率100%)
平均年齢は19歳(SD=3.9、18
44歳)、80%が女性でした。63点で、高いほど苦痛が強い。内的整合性は良好(Cronbachのα=.93)。※SD(標準偏差):データのばらつきの大きさを示す指標。
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■ 3. プラセボの中身と見た目
▼ カプセル
植物由来の透明ジェルカプセルに乳糖の粉末を詰めたものを使用しました(乳糖不耐症の人は除外)。
▼ ブランディング
琥珀色のピルボトルに白いキャップ、「Placibax(プラシバックス)」という架空のブランド名と、内容物の説明、用法用量を記したラベルを貼っています。これは、ブランド表示が「だましあり」プラセボの効果を高めるという先行研究を踏まえた工夫です。
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■ 4. 測定指標(質問紙)
ベースラインと追跡時(5日後)の両方で、以下の4つの指標を測りました。
▼ 感情的苦痛:DASS-21
抑うつ、不安、ストレスを測定する21項目の自己報告尺度(Depression Anxiety Stress Scale 21)。0
※Cronbachのα:質問紙の項目同士がどれくらい一貫して同じものを測っているかを示す指標。1に近いほど良い。
▼ ポジティブな心の健康:WEMWBS
ウォーリック・エディンバラ精神的ウェルビーイング尺度(Warwick-Edinburgh Mental Wellbeing Scale)。14項目、14
70点。高いほどポジティブな心の状態。床効果や天井効果(回答が下端や上端に偏ってしまう現象)が少ないのが特徴。3で評価。合計0※床効果・天井効果:質問紙で、ほとんどの人が最低点や最高点をつけてしまい、差が出にくくなる現象。
▼ 身体症状:SHC
主観的健康愁訴尺度(Subjective Health Complaints inventory)。頭痛、めまい、下痢など29項目の症状について、過去5日間の重症度を0
87点。高いほど症状が重く、医療機関の利用頻度とも関連。21点で、5点以上は「睡眠が悪い」を意味する。スコアが低いほど睡眠が良い。▼ 睡眠の質:PSQI
ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index)。世界で最も広く使われている睡眠評価尺度。本研究では「過去5日間」用に修正。0
▼ 期待(expectancy)
「このプラセボはあなたにどれくらい効くと思いますか?」を0(まったく効かない)
10(非常によく効く)で評価。ベースライン時、ランダム化前に測定。10で自己評価し、加えて「飲み忘れた錠数」も尋ねました。回答前に「正直に答えてほしい、罰はない」と伝えています。▼ アドヒアランス
追跡時に「指示通りどれくらい飲めましたか?」を0
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■ 5. 手続き──7日間の流れ
▼ 1日目:対面セッション(30分)
研究者と1対1で会い、プラセボに関する説明を受けます。Kaptchukら(2010)の手法に沿って、以下の4点が伝えられました。
・プラセボ効果は強力で、多くの臨床試験で実際の生理的効果が示されている
・体は自動的にプラセボに反応し、心身の治癒プロセスが活性化する
・ポジティブな期待は役立つが、絶対に必要なわけではない
・指示通りに服用することが重要
その後、ベースライン質問紙に回答し、群の割り付けが伝えられます。
▼ 2~6日目:服用期間
・1日1錠群:朝1錠
・1日4錠群:朝2錠、夜2錠
▼ 4日目:リマインダーメール
服用継続を促す通知メールが送信されました。
▼ 7日目:オンライン追跡質問紙
同じ質問紙にオンラインで回答。プラセボ群はアドヒアランスも回答。
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■ 6. 統計解析
▼ 使われた手法
・ベースラインの群間差の確認:分散分析(ANOVA)とカイ二乗検定
※ANOVA:3群以上の平均値に差があるかを調べる検定。
※カイ二乗検定:カテゴリーデータ(性別など)に偏りがあるかを調べる検定。
・治療効果の検証:共分散分析(ANCOVA)
※ANCOVA:ベースラインの値で結果を補正しながら群間比較する手法。
・計画的直交対比(あらかじめ決めておいた比較):
① コントロール群 vs プラセボ2群の平均(プラセボ効果があるか)
② 1日1錠群 vs 1日4錠群(用量効果があるか)
・予測要因の検討:重回帰分析(複数の要因が結果に与える影響を同時に調べる手法)
第1段階:ベースラインスコアと用量条件
第2段階:期待とアドヒアランス
第3段階:期待×アドヒアランスの交互作用項
※交互作用:2つの要因が組み合わさったときに、単独では見えない影響が出ること。
AIさんに動画解説頂きました😊
https://youtu.be/RRyWcgGNBhc