はぴテク相談室:健康心理学が提案するウェルビーイングフレームワーク
最近、なんとなく気持ちがふさいでいて、毎日がしんどいんです。何か改善するヒントがあれば聞いてみたくて…
それはつらいですね。少しでもヒントになれればと思います。実は最近、「ウェルビーイングを支える9つの要素」を3つの層に整理した研究が発表されました。今日はその内容をご紹介しながら、一緒に考えてみませんか?
9つの要素…なんかむずかしそうですけど、ぜひ聞かせてください!
全然難しくないですよ!シンプルに言うと、「よく寝て、よくつながる」が一番の土台、というフレームワークです。イザベル・ガルシアら研究者チームが提案したもので、ウェルビーイングとメンタルヘルスを支える9要素を3つの層に分けて整理しています。まず一番下の土台の層に何があると思いますか?
うーん、気合い…とかじゃないですよね(笑)
(笑)気合いじゃないんです!土台の第1層は「概日リズム・睡眠回復」と「社会的つながり」の2つです。概日リズムというのは、体の内側にある1日のリズム、つまり朝起きて夜眠るという生活リズムのことです。これが整っていることと、誰かとつながっていること、この2つがすべての基盤とされています。
そういえば最近、夜ふかしが続いていて、人とも会えていない気がします…それが関係しているんでしょうか?
このフレームワークでは、その2つが土台になっていて、それが整うと第2層の「触媒」の部分が動き出すと考えられています。第2層には、ストレスへの回復力・活力・心臓や血管の健康・免疫の健康・腸と脳のつながり(腸脳軸)といった5つの要素が含まれます。土台が整うと、身体全体の健康状態が底上げされていくイメージです。
腸と脳がつながっているっていう「腸脳軸」って、なんか不思議ですね。どういうことなんでしょう?
おもしろいですよね!腸と脳は神経や免疫を通じて互いにやりとりしていると言われていて、腸の状態がメンタルにも影響し得るという考え方です。このフレームワークでは、そういった身体的な要素もウェルビーイングの「触媒」として位置づけています。身体の健康とこころの健康は切り離せないということですね。
じゃあ、最終的にポジティブな気持ちになるには、まず身体を整えることが先なんですね?
このフレームワークではそういう流れが示されています。第2層が整ってくると、第3層の「繁栄の層」に至る。そこには「認知パフォーマンス(頭の働き)」と「ポジティブ感情(幸せな気持ち)」があります。ただし、これはあくまで仮説モデルであって、すべての人がこの順番どおりに変化するわけではない、と研究者自身も述べています。
なるほど。じゃあまず「よく寝ること」と「誰かとつながること」を意識するところから始めるのが良さそうですね。
そうですね。このフレームワークが伝えているのは、「気合いでポジティブになろうとする前に、まず生活リズムと人とのつながりを整えてみよう」というメッセージとも言えます。どちらか一方でも少し意識してみるだけでも、変化が起きやすくなるかもしれませんよ。
なんか、すごく腑に落ちました。ポジティブになれない自分を責めていたけど、土台が整っていなかっただけかもしれないですね。
その気づきはすごく大切だと思います。このフレームワークでは、生物的・心理的・社会的な要因はすべて相互に影響しあっていると考えています。どれか一つに良い変化が生まれると、他にも連鎖的に良い影響が広がる可能性がある、とされています。小さな一歩から始めてみてください😊
■ 今日のまとめ
- ウェルビーイングの土台は「睡眠・生活リズムを整えること」と「人とつながること」の2つで、これがすべての基盤とされています。
- 土台が整うと、ストレス回復力・活力・身体の健康(心血管・免疫・腸脳軸)といった「触媒」の層が活性化されると考えられています。
- 最終的な「ポジティブ感情」や「認知の高まり」は、気合いで直接目指すものではなく、土台と身体の健康が整った先に現れる「繁栄の層」として位置づけられています。
■ 出典・注意事項
- 出典:Isabel Garcia-Garcia et al., 'The nine hallmarks of mental health and wellbeing as a watershed framework for resilient living and healthspan optimization', Frontiers in Psychology, Health Psychology section, 2026/4/10. https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2026.1749193/full
- 注意事項①:この研究は提案された仮説的フレームワークであり、9要素が必ずこの順序で因果的に連鎖することを実証した研究ではありません。相関・理論的整合性に基づくモデルです。
- 注意事項②:生物心理社会モデルに基づく理論的統合であるため、特定の介入効果の大きさや、どの集団に最も有効かについては、今後の実証研究が必要です。
- 注意事項③:各層の要素間の「相互作用」は示唆されていますが、どの方向にどれだけ影響するかの定量的な根拠はこの論文単体では示されていません。
研究自体の紹介はこちら😊
健康心理学が提案するウェルビーイングフレームワーク
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2026-04-15-1776296028/