という論文😊
先日紹介したGFSでは、日本における1番の幸せの原因は"希望"でした。一方で、希望研究って他の幸せ関連の研究に比べると、まだ色々固まっていないようにも感じます。著名なのだとSnyder先生の希望理論と、エリクソン先生のとかですかね。
こちらは、20年前の論文ですが、希望という概念について整理頂いています😊
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AIサマリー
■著者の希望観の変化
著者は当初、「願うことが現実をつくる」という能動的な希望観を持っていましたが、研究を進める中で、「Let it be」こそが希望の中核ではないかと考えるようになりました。
●北村(1983)の希望の定義
・希望は「未来の状況に明るさがあるという感知に伴う快調をおびた感情」
・特定の目的や目標達成ではなく、未来への信頼の感覚
・目標や欲望とは区別されるが、それらは希望の外延に位置する
・希望と危惧・不安はコインの表裏の関係
●Snyderの希望理論
・目標(Goals)、経路(Pathways)、発動力(Agency)の3要素から構成
・しかし実際の尺度には目標が含まれず、自己信頼の内容が中心
●高垣の自己肯定感との関連
・他者との比較や評価に基づく「競争的自己肯定感」ではなく
・無条件的な「共感的・共生的自己肯定感」が重要
・これは「自分が自分であって大丈夫」という安心感
●エリクソンとの共通性
・基本的信頼感(他者信頼と自己信頼)が希望の源
・無償の相互作用の中で育まれる
・生涯にわたり発達を支え続ける基盤
■結論
希望とは、自己安心感を基盤として、「未来が明るいという快調を帯びた感情と認知の融合状態」であり、「うまくいかなくても、何とかなる」という忍耐や不屈の精神を含むものとして再定義されています。
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希望の心理学について再考する
― 研究覚書 ―渡辺弘純先生(教育心理学研究室)
愛媛大学紀要
[https://www.ed.ehime-u.ac.jp/~kiyou/2005/pdf/05.pdf](https://www.ed.ehime-u.ac.jp/~kiyou/2005/pdf/05.pdf)
1.はじめに
2.北村(1983)の希望についての定義的表現
希望は来るべき未来の状況に明るさがあるという感知に伴う快調をおびた感情である
3.大橋(2002a)の北村の視点に立った研究の展開
実存性と見通し・前向きな構えと期待・自他の一帯感で構成(Herth)
4.Snyder(2000a,b)の希望理論と北村の希望に関する定義的表現との共通する側面
目標・経路・発動力で構成
5 .Snyder(2000a,b)の希望理論と高垣(1999、2004)25 の自己肯定感との関連と相違
6.高垣の自己肯定感や自己愛のとらえ方とエリクソンら(1990)の考え方との関連
7.「うまくいかなくても、うまくいかなくても、きっと明日は」と思う感覚、「Let It Be」としての希望
「希望の心理学」を解き明かす 目標達成 (Goal Achievement) 従来的な希望観: 「目標達成」への意欲 (Snyder理論) 希望と目標 経路 (Pathways) 原動力 (Agency) の3要素からなる認知的かつ動機づけられる。 真の希望とは 「Let it be」の精神 確固たる意志ではなく、 うまくいかなくても明日を信じられる強さ。 新しい希望観: 「未来への信頼」という感情 (北村理論) 特定の目標に縛られず、「未来は開かい」 と感じる満涯した状態の短策。 希望を支える本当の土台 基礎①基礎的信頼感 他者や世界が基本的に信頼でき、 何らかの形で自分の人生に良い影響を与え、 希望の源となる (エリクソン理論) 基礎②自己受容 失敗や挫折と合わせ「自分は自分で 大丈夫」と言えレベルで納得できる 思想 (高垣理論) NoteBookAI 希望の心理学について再考する ある研究者の知的探求の物語 🔖 Notebook4M 出発点:「願うこと」と「Let it be」は別のものだった かつての「希望」の捉え方 当初、希望とは「願いや目標や欲求とほぼ同義語」だと考えていた。 「舎されば花ひらく」(坂村真民)、「叶はぬさらば開かれん」(聖書)のように、に「熱しく欲する」ことは事実を産むと信じていた。 希望の「救済」としての諺念 一方で、願いが叶わない時には「Let it be(レット・イット・ビー)」の精神で、と教えていた。これは希望とは別の、楽天的に物事を受け入れるための「救済指標」だと考えていた。 叶わない時 希望:願い・目標 → 救済:Let it be しかし、本当に「Let it be」は希望の外にあるのだろうか? 従来の希望イメージを撫さぶった、北村晴朗との出会い 私の希望観 北村は、希望を「期待」「欲」「願い」「喜び」とは明確に区別する。これらは特定の対象への一向かが、希望は固有の対象を持たない、より根源的なものであると主張した。 希望研究の第一人者である北村晴朗の著作「希望の心理」(1983)が、私の考えを根本から問い直すきっかけとなった。 「希望は特定の目的の実現や、特定の目標への到達を目ざすものではない」 NotebookLM 北村の定義:希望とは「未来が明るいという信頼の感覚」である 「希望は来るべき未来の状況に明るさがあるという 感知に伴う快調をおびた感情である。」 1. 感情と認知の融合 単なる感情でも認知でもなく、両者が溶然一体となった状態。 2. 対象を持たない 特定の目標達成ではなく、人生全体の価値や意義が実現されるという漠然とした視界。 3. 信頼が基盤 未来への信頼が核となる。その信頼は「自分のうち」と「自分の外の世界」両方に求められる。 未来への明るさ 希望 自己への信頼 世界への信頼 Notebook LM もう一つの潮流:米国の心理学者スナイダーの「目標志向」希望理論 北村の定義とは対照的に、スナイダーは希望をより具体的・認知的な枠組みで捉えた。 経路(Pathways) 「やり方」の思考 目標(Goals) 価値ある到達点 希望(Hope) 発動力(Agency) 「やる気」の思考 Snyder's Hope Theory - The Three Components: 1. 目標(Goals): 価値ある到達点。理論の出発点であり、非常に重要だと位置づけられる。 2. 経路(Pathways): 目標達成へのルートを思考する力。「やり方」の思考。 3. 発動力(Agency): 目標へ向かう動機付けし、それを維持する信念。「やる気」の思考。 北村の「対象を持たない希望」と、スナイダーの「目標が重要な希望」。この二つはどう関係するのか? 転換点:スナイダーの理論と「尺度」の間にあった、驚くべき乖離 スナイダーは理論上「目標」を極めて重視する。しかし、彼が開発し、最も広く使われている希望尺度(The Will and the Ways)には、「目標」に関する項目が一切含まれていない。 理論(Theory) 経路(Pathways) 「やり方」の思考 目標 価値ある到達点 発動力(Agency) 「やる気」の思考 希望(Hope) 尺度(Scale) 経路(Pathways) 「やり方」の思考 目標 (Goals) 発動力(Agency) 「やる気」の思考 希望(Hope) 自己信頼 (Self-Trust) What the Scale *Actually* Measures: ・発動力(Agency/Will): 例「私はかなりよくやっていると思う。」 ・経路(Pathways/Ways): 例「こまったことがあるとき、私は、それを解決するために、多くのやり方を思いつくことができる。」 The Insight: 尺度が測定しているのは、特定の目標ではなく、困難に対処できるという「自己信頼」そのものである。スナイダーは操作的には、北村と同じく「固有の対象を持たない」希望を描き出していた。 📓 NotebookLM 希望の核となる「信頼」とは何か?高垣忠一郎の「自己肯定感」の探求 「競争的」自己肯定感 (Competitive Self-Affirmation) 他者との比較や、能力・実績といった「評価」に基づく。 例:「人より優れているから自分を肯定できる」 スナイダーの尺度が測定しているような側面。 「競争的」 自己肯定感 「共感的・共生的」自己肯定感 (Empathetic/Symbiotic Self-Affirmation) 無条件的。ダメな部分も含めて「自分が自分であって大丈夫」という感覚。 評価とは無縁の、存在レベルの肯定感。 その核は「安心感」である。 「共感的・共生的」 自己肯定感 NoteBookum 自己肯定感の源泉へ:エリクソンの「基本的信頼感」 Erikson's First Stage of Life 人生最初の発達段階の課題は「基本的信頼 vs. 不信」。 How Hope is Born 乳児期に、空腹や寒さといった要求が無条件に満たされる 体験を繰り返す。 この無償の相互作用の中で、「他者への信頼」と「自分は 支えられるに足る存在だという自己信頼」が育まれる。 この信頼の相克から生まれるかこそが「希望」の源である。 Quote from Erikson et al. 「基本的信頼は希望の証であり、この世の試錬と人生の 苦難から我々を守る一貫した支えである。」 The Connection エリクソンの言う「基本的信頼感」は、高田の言う 「共感的・共生的自己肯定感」と本質的に同じものである。 その核は、評価に基づかない「安心感」だ。 基本的信頼感/希望の源 統合:希望は「自己安心感」という基盤の上に築かれる層構造である これまでの議論を統合すると、希望は単一の概念ではなく、層構造として捉えるべきである。 概念:スナイダーの言う 「目標」「願望」「意志」 希望の外延:目標・意志・願望 希望の中核:未来への明るい感覚 概念:北村の定義する 「未来が明るいという感覚」 基盤:自己安心感/基本的信頼感 役割:基盤
本研究のウェルビーイング小話はこちら😊
はぴテク相談室:希望の心理学について再考する
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-10-23-1761256810/