はぴテク相談室:1年後、幸せが高まるのはどんな人?
最近、なんとなく毎日が充実していない気がして…。仕事もそれなりにこなしてるし、収入も普通にあるのに、なぜか幸せじゃない感じがするんです。何が足りないんでしょう?
それは気になりますよね。実はその「なんとなく足りない」という感覚、ハーバード大学のバンダーウィール先生たちが世界22か国・20万人以上を対象に行った大規模な研究でヒントが見えてきているんです。1年後に幸せになっている人には、どんな共通点があるか調べた研究なんですが、興味ありますか?
はい、ぜひ聞きたいです!収入が関係してるのかなとも思ってたんですが…
実はそこが面白いところで。もちろんお金のやりくりができることも関係しているんですが、それよりも影響が大きかったのが「希望」「人生の目的」「感謝」の3つだったんです。日本だけで見ると、特に『希望』が一番強い予測因子でした。収入そのものはほとんど効いてこなかったというのも興味深い点です。
希望…ですか。なんか漠然としてますね。希望ってどういう意味で使ってるんでしょう?
いい質問です!ここでいう「希望」は、「なんとなくいい感じがする」という楽観性とは少し違って、「自分の将来に向けて、こうなりたいというイメージがある」という感覚に近いです。『楽観性』も別の項目として調査されていて、希望と楽観性はどちらも効きますが、日本では特に希望の影響が大きかったんですよ。
なるほど。じゃあ「人生の目的」というのは?私、目的ってはっきり言えないんですよね…
研究では「自分にとって重要なことを追求する自由がある」という感覚として測られています。壮大な使命感がなくても、「自分が大切にしていることを、ちゃんと追いかけられている」という感覚があるかどうか、ということです。それが1年後の幸せと関係していたんです。
うーん、私の場合、仕事はこなしてるけど、自分が本当に大切にしていることを追いかけてるかって言われると…微妙ですね。「感謝」はどうですか?
感謝も世界全体でも日本でも上位に入っていました。日常の中で「ありがたいな」と感じられる場面があるかどうか、ということですね。あと、孤独感も重要で、これは逆向きの影響で、孤独を感じている人ほど1年後の幸せが低かった。つながりの豊かさも大切だということです。
孤独感…実は在宅ワークが増えてから、人と話す機会が減ったなとは思ってました。それも関係あるんですね。でも、こういう心の部分って、そう簡単に変えられないですよね?
おっしゃる通りで、すぐに変わるものではないかもしれません。ただ、この研究で面白いのは、「今の幸せ度が高い人は1年後も幸せになりやすい」というスパイラルも確認されたことです。逆に言えば、希望・目的・感謝・つながりといった要素をちょっとずつ意識していくことが、じわじわと幸せのスパイラルにつながっていく可能性が示唆されています。ただし、これは相関の分析なので、「これをやれば必ず幸せになる」と断言できるものではない点は正直に伝えておきますね。
正直に教えてくれてありがとうございます。じゃあ、まず自分が大切にしていることを少し考えてみたり、感謝できることを意識したりするところから始めてみようかな。
それ、すごくいいと思います!研究でも、希望・人生の目的・感謝・つながりは経済的な豊かさと同じかそれ以上に1年後の幸せと関連していると示されています。「何を大切にしてるんだっけ」と自分に問いかけることや、「今日ありがたかったこと」を一つ意識してみることも、この研究が指し示す方向性と重なりますよ。
なんか、お金や条件を整えることに必死になってたけど、もっと内側に目を向けることも大事なんですね。今日は気づきがありました!
そうなんです。もちろんお金のやりくりも大事ですが、この研究は「希望・目的・感謝・つながり・楽観性」といった内側の豊かさが、1年後の幸せと強く関連していることを大規模データで示しているんです。自分の内側に目を向けるきっかけになれたなら嬉しいです!
■ 今日のまとめ
- 希望・人生の目的・感謝は、経済的余裕よりも1年後の幸せと強く関連していた(特に日本では「希望」が最も影響大)
- 孤独感はマイナス方向の関連が大きく、人とのつながりの豊かさも重要な要素として示された
- 幸せはスパイラル構造があり、今の幸せ度自体が1年後の幸せとも関連していた。ただしこれらは相関分析であり、因果関係を断定するものではない
■ 出典・注意事項
- 出典:Tyler VanderWeele ら50名, 'Longitudinal Analyses in the Global Flourishing Study: Wave 1 Predictors of Wave 2 Flourishing', preprint (Nature Portfolio), 2025年10月13日。URL: https://assets-eu.researchsquare.com/files/rs-7491892/v1/a2bffcd0-1b2f-4a8f-b471-49cdabdf927e.pdf
- 【注意事項①】本研究は縦断パネルデータを用いた回帰分析であり、相関・予測関係を示すものです。「この要素を高めれば幸せになる」という因果関係を直接証明したものではありません
- 【注意事項②】効果の大きさは国・地域によって大きく異なることが研究内でも報告されており、日本の結果が他国にそのまま当てはまるとは限りません
- 【注意事項③】本論文は2025年時点でプレプリント(査読前)段階の論文です。今後の査読・修正によって内容が変わる可能性があります
- 【注意事項④】調査対象は各国で代表性を確保したサンプルですが、回答者の特性や調査方法の違いが結果に影響している可能性もあります
研究自体の紹介はこちら😊
1年後、幸せが高まるのはどんな人?
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-10-21-1761087411/