音楽は聴くと幸せ、でも演奏や合唱するともっと幸せ
2年ほど前の研究ですが、
音楽と健康、ウェルビーイングの関係性についての研究を整理した論文😍
東ピエモンテ大学のエリカ・ヴィオラ先生ら。
ただし、今回の整理は40歳以上の方を対象としています。
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●能動的音楽活動(楽器演奏、合唱など)
【心の健康への効果】
・うつ症状が25〜40%程度軽減
・不安症状が約18%軽減
・孤独感が約3%減少
・疲労感が約31%改善
・生活の質(QOL)が全体的に向上
- 特に心理的側面で約7%向上
- 身体的・心理的側面で有意な改善
【認知機能への効果】
・記憶力が約8〜17%向上
・注意力が約8%向上(色の識別課題で)
・実行機能(計画・判断力)が改善
- ピアノで課題完了時間が17%短縮
- パーカッションで約21%短縮
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●受動的音楽活動(音楽鑑賞)
【認知機能への効果】
・記憶力が大幅に向上
- 作業記憶で約17〜22%向上
- 空間記憶で約9〜13%向上
・言語流暢性が約9〜11%向上
・認知機能全般が約3〜15%向上
(クラシック音楽、特にアルビノーニで高い効果)
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とのことで、
音楽を歌ったり演奏したりすると、
幸せにも健康にもつながってくるよ。
一方、音楽鑑賞は、認知機能などの健康にはつながってくるけど、
幸福感みたいな心理的機能には、大きな影響は見られなかった。
※ただし今回の研究ではないですが、音楽鑑賞がウェルビーイングや幸福感につながるという話もあります。今回の整理論文では、ランダム化比較試験という、かなり確度の高い研究のみを整理しているので。
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ということで、
音楽は聴くと幸せ、でも演奏や合唱すると、もっと幸せ。という事ですね。
受動と能動という点もありますし、音楽を作って行くには仲間とのつながりによる良い影響も出てきています😍
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健康と幸福の促進における音楽の役割:系統的レビューとメタ分析
The role of music in promoting health and wellbeing: a systematic review and meta-analysis
Eur J Public Health,2023/8
Erica Viola(東ピエモンテ大学), Marco Martorana, Chiara Airoldi, Cristina Meini, Daniele Ceriotti, Marta De Vito, Damiano De Ambrosi, Fabrizio Faggiano
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37322515/
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https://academic.oup.com/eurpub/advance-article-pdf/doi/10.1093/eurpub/ckad063/50625031/ckad063.pdf
背景: 高齢化の進展に伴う疾病負担の増加と関連コストは、世界中の医療システムに多大な負担をかけています。音楽を聴くことと積極的に演奏することは、人々の健康と幸福を促進し、維持する効果があることから、40歳以上の人々に対する音楽の生物心理社会的影響を評価するシステマティックレビューを実施しました。
方法: 2021年4月までの査読済み論文を、6つの電子データベース(Cochrane、MEDLINE、PubMed、PsycINFO、Web of Science、Scopus)を用いて包括的に検索した。研究対象集団は40歳以上の健康な成人のみとした。11件のランダム化比較試験(RCT)が包含基準に合致したため、解析対象とした。
結果: 選択された研究で使用された方法論の多様性にもかかわらず、私たちの研究結果は、積極的な音楽参加が認知機能と心理社会的機能の両方に有益な効果をもたらす可能性があることを示唆しているが、音楽を聴くことによるプラスの影響は主に認知領域に限定されているようだ。
結論: 私たちの研究結果は、能動的および受動的な音楽活動の両方が40歳以上の人々の健康と幸福に良い影響を与えるということと一致していますが、より統一された感度の高い測定法を採用した将来の前向きRCTにより、特に高齢者人口密度の高い国において、健康的な老化と長寿における音楽参加の役割をより正確に評価できるようになるはずです。
■音楽と健康に関する研究の前提:既存研究の詳細解説
【1】WHOによる総括的レビュー
まず大きな出発点として、世界保健機関(WHO)による最近のレビューがあります。
▶ Fancourt & Finn (2019)「芸術が健康とウェルビーイング改善に果たす役割に関するエビデンスとは何か?」
この報告書は、芸術、文化、音楽が健康とウェルビーイング(心身の健康と幸福感)を促進する重要な役割を果たすことを指摘しています。音楽イベントへの参加が、感情面、認知面、社会関係面での利益をもたらすことが明らかにされました。
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【2】音楽の神経科学的メカニズム
次に、なぜ音楽が健康に良いのかという生物学的メカニズムについての研究です。
▶ Raglio & Oasi (2015)「音楽と健康:どのような介入がどのような結果をもたらすか?」
この研究では、音楽が以下のような神経化学システム(脳内の化学物質のシステム)を調節することで健康に良い影響を与えることを示しています:
・ドーパミン系:快楽、報酬、動機づけ、覚醒を刺激
・オピオイド系:ストレスや不安を軽減
・その他の効果:社会的つながりの向上、免疫システムの効率改善
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【3】身体機能への効果
音楽の身体的な効果についての研究も蓄積されています。
▶ Hars et al. (2014)「高齢成人における長期運動:音楽ベースのマルチタスク訓練の4年間の成果」
この研究は、能動的・受動的な音楽参加(演奏や鑑賞)が以下の身体機能を改善することを示しました:
・バランス能力
・運動協調性(体の動きの調整)
・グループでの運動への参加継続率
【音楽によるウェルビーイングへの影響】
■ 1. 身体的効果:限定的
●脚の筋力(Johnson et al.)
・合唱活動:介入群+3.31% vs 対照群-2.24%
・結果:対照群が悪化したのに対し、介入群は改善
●歩行能力
・結果は一貫せず、むしろ悪化傾向も
例外:Hars et al.の研究
・4年間の長期的な音楽ベースのマルチタスク訓練
・高齢者の身体機能低下と転倒を予防
・重要な示唆:音楽と身体活動を統合する長期介入が効果的
●歩行速度
Johnson et al.:合唱活動では効果なし(両群とも0%)
Maclean et al.(音楽鑑賞):介入群-5.93% vs 対照群+4.17%(悪化)
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結論:
合唱は歩行やバランスへの影響は限定的。身体効果を得るには、音楽を身体活動と組み合わせた長期介入が必要。
■別のシステマティックレビュー。こちらは全年代。
Daykin et al. (2018) – 「What works for wellbeing? A systematic review of wellbeing outcomes for music and singing in adults」
成人(全年齢層の大人)を対象に、音楽鑑賞や歌唱活動が主観的ウェルビーイングに与える効果を体系的にレビューしています。質の高いエビデンスとして音楽および歌唱活動が健康な成人の主観的幸福感を高め維持すること、特に高齢者において合唱など音楽活動が士気(モラール)を高め孤独感や不安・抑うつを低減することを示しています。一方、認知症患者には個別の音楽鑑賞セッション(受動的音楽参加)によって不安や抑うつが軽減し得ることも報告されており、能動・受動の双方の音楽体験に効果があるとしています。ただし、楽器演奏などの積極的な音楽参加については研究数が少なく、今後の研究の余地が大きいと指摘されています。
NotebookLMさんに論文を解説頂きました😊
https://youtu.be/JTRr4TDu-YU
●別のAWE研究
畏敬の念を起こさせる芸術を見ることが、より幸せで健康的な生活につながる理由
https://www.facebook.com/groups/wellbeinginfo/permalink/1440811910062836/