2025.09.17

病院におけるウェルビーイング向上の取り組みシステマティックレビュー

自分の心うちを話せる場が重要

病院でウェルビーイング向上させる取り組み、

どんなことが効くのか。の研究をまとめた最新論文😊

(ただし、仕事の負荷(要求)と支援(資源)のバランスで、働く人のウェルビーイングが決まるというJD-R理論をベースにした介入のみ)

ーー

2012-2025までの研究を整理したところ、

主に以下の取り組みが有効だった😊

①:社会的資源・サポートアプローチ★特に効果的

  1. 構造化された グループディスカッション(West (2014))

  2. 理性感情介入プログラム(Liu (2022))

  3. 動機づけメッセージ(Goktas 2022, Kose 2022)

②:「チーム最適化」アプローチ

  1. 学際的ベッドサイド回診(Gausvik (2015))

  2. エンパワーメント教育プログラム(Amiri (2018)など)

③:環境改善アプローチ

  1. 光療法の活用(Bragard (2013)等)

  2. 夜間スタッフィングモデル(Bakhru (2019))

どれも示唆深いです。

ただし、エビデンスの確実性は全体的に高くはないので、参考までに。

企業以上に、自分の心うちを話せる場づくりが大事ですね。

これは私も色々病院見ていて、納得感しかないですね。

ーーー

①最も効果的だった「社会的資源・サポート」アプローチ

1. 構造化された グループディスカッション(West (2014))

●実施方法:

月2回、1時間のグループミーティング、9ヶ月

5-10人程度の小グループで実施

マインドフルネス、振り返り、共有学習に焦点

構造化された議論ガイドを使用

●具体的な進行例:

15分:チェックイン(各自の状況共有)

30分:テーマディスカッション(患者との関わり、仕事とのバランスなど)

10分:新しいスキルの学習

5分:まとめと次回予告

2. 理性感情介入プログラム(Liu (2022))

●実施方法:

週1回1時間のセッション

冷静な環境でストレス、不安、緊張について議論

階層的管理によるサポートと教育を統合

感情表現の観察により苦痛の原因を特定

●ステップ:

安全な環境の確保

感情の表出を促進

認知的再構成の支援

管理層からの具体的サポート提供

3. 動機づけメッセージ(Goktas 2022, Kose 2022)

●実施方法:

スマホに毎日4回送信:09:00、12:00、17:00、19:00

21日間継続実施

午前7時 元気に一日を始めるためのおはようメッセージ

-例1:あなたは素晴らしいエネルギーを持っているので、そのエネルギーを周囲に放射してください。おはようございます…

午後12時 健康促進メッセージ

-例1:呼吸法は、体の中で最も長い神経である迷走神経を刺激します。これにより、体は休息、修復、そして落ち着きのモードに入ります。さあ、迷走神経を刺激する時間です。深呼吸をしましょう…!

午後4時 「自分の時間」メッセージ

-例:長い間やっていなかった、楽しいことをする時間です。人生は短いので、何も先延ばしにしないでください!

等。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

②効果的だった「チーム最適化」アプローチ

4. 学際的ベッドサイド回診(Gausvik (2015))

●実施方法:

看護師、ソーシャルワーカー、療法士等が参加

構造化された回診プロセス

患者ケアプランの明確な共有

チームワークと効率性の向上

●具体的プロセス:

事前準備(各職種からの情報収集)

ベッドサイドでの多職種討議

統一されたケアプラン策定

役割分担の明確化

フォローアップ体制の確立

5. エンパワーメント教育プログラム(Amiri (2018)など)

実施方法:

2日間のワークショップ(8時間)

患者安全、コミュニケーション、リーダーシップスキルの向上

チーム戦略とパフォーマンス向上ツールの活用

ポスター掲示による継続的啓発

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

③効果的だった「環境改善」アプローチ

6. 光療法の活用(Bragard (2013)等)

実施方法:

朝7:00-9:00の間に光療法器具を使用

最大30分/日、週5日以上

最大1700ルクスの高強度動的照明

うつ症状、疲労、身体的不快感の改善

※ただし、証明が強すぎると有害

7. 夜間スタッフィングモデル(Bakhru (2019))

実施方法:

夜間に院内常駐の専門医を配置

電話対応から現場対応への転換

レジデントの睡眠とストレス軽減

24時間体制での即座の対応能力向上

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■その他

シフト制については、12時間より8時間が良かったり(Battle)、8.5時間より12時間が良かったり(Webster)・・・

夜勤中の仮眠30分(Zion (2019))は有効でした😊

また、職場ストレス解決策ミーティング(Schneider (2019))はむしろ有害でした。

医師、看護師、管理者が参加して、ストレスの原因を挙げて、対策を考えるというミーティング。

議論しても解決策が見えなかったり、進まなかったり、ミーティング自体がストレスだったりしたそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■実装戦略

①段階的導入

パイロット部署での試行

効果測定と改善

全体展開

②継続的評価

定期的な効果測定

スタッフフィードバックの収集

プログラムの調整

③リーダーシップの確保

管理層の強いコミット

現場リーダーの育成

継続的サポート体制

④注意すべき点

一律のアプローチは避ける: 組織の文脈に合わせた調整が必須

長期的な視点: 短期的な効果だけでなく持続性も重要

ーーー

組織主導型介入が医療従事者の幸福に及ぼす効果:系統的レビュー

Effectiveness of organization-directed interventions on healthcare professionals' well-being: a systematic review

Amber Boskma(オランダ、フローニンゲン大学) et al.

eClinicalMedicine,2025/9/15

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589537025004298

医療従事者の職場におけるウェルビーイングは、個人、組織、そしてケアの質と安全に深刻な影響を与えます。多くの機関は個人レベルのアプローチに重点を置いています。本レビューでは、医療従事者の職場環境を対象とした組織主導型の介入を評価し、従業員のウェルビーイングとパフォーマンスを長期にわたって支える持続可能な組織環境の促進を目指します。労働環境は、職場におけるウェルビーイングのエビデンスに基づく保護要因の一部とみなされており、個々の医療従事者を治療するのではなく、根本的な決定要因に対処するというアプローチと一致しています。本レビューは、組織主導型の介入が病院職員のウェルビーイング、職場環境、定着率、そしてケアの質に及ぼす影響を評価することを目的としています。

メタ分析・レビュー ありがとう 職場・働く幸せ身体・運動・健康

← 検索にもどる