シャーデンフロイデは幸せにつながらない
一般的に、喜びの感情は、「幸せ」につながります。
では、「他人の不幸に対する喜び(=シャーデンフロイデ)」も、幸せにつながるのでしょうか?
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東京大学大学院での研究では、シャーデンフロイデと幸福感の間には、有意な相関が見られませんでした。
つまり、他人の不幸を喜んでも、幸せにはなれないということが分かりました。
しかも、幸福感が高い人ほど、そもそもシャーデンフロイデを感じにくいという傾向も明らかにされています。
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なぜでしょうか?
この研究では、シャーデンフロイデが生まれる背景に、2つの「動機」が関わっているとしています。
・自己高揚動機:他人と比べて自分が劣っていると感じるとき、その劣等感を解消したい気持ち
・正義動機:他人の成功が不当だと感じたとき、「不幸になることで正義が回復される」と考える気持ち
これらの動機が高いと、シャーデンフロイデが起きやすくなります。
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そして、それらの動機が強くなる背景には、次のような「心の傾向」があります。
・自分に厳しく、他人と比べて落ち込みやすい(=自己批判的)
・世の中は不公平で、人は信じられないと感じている(=社会的シニシズム)
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一方で、幸せな人はこれらの傾向が弱く、
・自分に優しく、他人と比べない
・社会や人を信頼し、「世界はそこそこ公正だ」と感じている
といった特徴を持っています。
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このように、「心のあり方」と「他人の不幸をどう感じるか」には深い関係があり、
複数の実験でこのモデルの妥当性が確かめられています。
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とのこと。面白いですね😊
「他人の不幸は蜜の味」という言葉がありますが、
それを感じるとき、もしかしたら自分の幸福度が下がっているサインかもしれません。
(しかも、実際には“蜜の味”ではない。)
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博士論文紹介記事
幸福感とシャーデンフロイデの関係―自己高揚と正義動機を中心に―(鄭 珪熙)
東京大学大学院 人文社会系研究科、2023年度
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/2023/2023thesis-97.html
我々が世界をどのように見るかは、人々の短期的および長期的な幸福感に影響する。例えば、幸せな人々は与えられた状況をそのまま見るのではなく、世界をまるで薔薇色の眼鏡をかけて見るかのようにポジティブに解釈し、それによって自分自身、他者、そして世界に対する満足感・幸福感を維持する。しかし、与えられた出来事や状況をどのように見るかは、このような長期的な幸福感だけでなく、その出来事や状況によって一時的に生じる感情の種類や質にも関与する。人々は、与えられた状況が自分の動機と一致する場合にはポジティブ感情を、一致しない場合にはネガティブ感情を感じることになる。一方で幸せな人々は、より頻繁に、かつ強くポジティブ感情を感じるということが確認されている。これには、幸せな人々がもつ特有の認知的・動機的プロセスが関与していると考えられ、幸福感と各感情の関係についての研究が進んできた。それらの関係を理解することは、幸福感だけでなく、各感情の特徴を詳細に理解するために役立つと考えられたからである。
このような背景を踏まえ、本研究では幸福感との関係性がこれまで研究されてこなかった新たな感情である、他人の不幸に対する喜び――シャーデンフロイデ――と幸福感の関係を明らかにすることを目的とした。
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博士論文
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/2012092/files/A40744.pdf