はぴテク相談室:定期的に運動をしている人は、利他的である
最近、友人から「もっと寄付とかボランティアとかしてみたら?」って言われるんですけど、正直そういう気持ちがなかなか湧いてこなくて…。性格の問題なのかなって思っちゃいます。
そう感じてしまうのは自然なことですよ。でも面白いことに、最近の研究では「利他的な気持ちが湧くかどうか」には、性格だけじゃなくて日々の行動習慣も関係しているかもしれないという結果が出ているんです。たとえば…運動習慣って、ありますか?
運動ですか?あんまりしてないですね。仕事が忙しくて、週末もゴロゴロしてることが多いです。それが寄付と関係あるんですか?
実は中国で5000人以上を対象に行われた調査(2025年)で、定期的に運動している人ほど寄付に参加している割合が高く、寄付額も多いという相関が確認されました。運動していない人の寄付参加率が約23%だったのに対して、運動している人は約48%と、かなり大きな差があったんです。
えっ、それって「運動すると優しくなる」ってことですか?なんかちょっと信じられない気も…。
直接「運動すると利他的になる」と断言はできないんですが、この研究ではいくつかの心理的なメカニズムの仮説も検討されています。一つ目は「社会的責任感の向上」です。社会やその中の人々のために役立ちたいという気持ちが、運動を通じて育まれやすいのではないか、ということです。
社会的責任感、ですか。なんとなくわかるような気もするけど、どうして運動でそういう気持ちが生まれるんでしょう?
もう一つの仮説として「主観的幸福感の向上」があります。つまり、運動によって「自分は幸せだな」という感覚が高まりやすく、その余裕が他者を助けたいという気持ちにつながりやすい、という流れが考えられています。運動がエンドルフィンやセロトニンの分泌を促すことも、背景として挙げられています。
なるほど、気持ちに余裕ができると人に優しくなれる、みたいな感じですね。でも、もともと活発で社交的な人が運動もするし寄付もするだけ、という可能性はないんですか?
鋭い視点ですね!その点について、この研究では傾向スコアマッチングという手法を使って、もともとの特性の違いをできるだけそろえた上で比較したり、複数の分析方法で結果が安定するかを確認したりしています。ただ、これはあくまで観察データを使った調査なので、「運動が寄付を増やす」という因果関係まで断言できるわけではありません。
そっか、あくまで相関なんですね。でも、運動している人が寄付しやすいというのは、なんとなく実感としてもわかる気がします。じゃあ、私が運動を始めたら、自然と人のために何かしたい気持ちが育つかもしれない、ということでしょうか?
「育つかもしれない」という可能性の一つとして、この研究は興味深い示唆を与えてくれます。また、この結果は性別や年齢、居住地の違いによって大きく変わらなかったとも報告されています。つまり特定の人だけの話ではなく、幅広い層で似たような傾向が見られたということです。
それは少し背中を押されますね。「性格のせい」じゃなくて、習慣を変えることで気持ちも変わっていくかもしれないと思うと、ちょっとホッとしました。
そうですね。「利他的かどうか」は生まれつき固定されたものではなく、日々の習慣と関わっている可能性があるというのは、この研究の面白いところだと思います。まずは無理のない範囲でウォーキングや軽いストレッチから始めてみるのも一つですよ。研究が示すのは「運動習慣と寄付行動には関連がある」ということですが、運動自体があなたの日常に何か良い変化をもたらすかどうか、試してみる価値はあるかもしれませんね。
ありがとうございます!寄付とか利他的な行動って、まず自分を整えることから始まるのかもしれないですね。運動、ちょっと意識してみます。
■ 今日のまとめ
- 定期的に運動している人ほど慈善寄付への参加率・寄付額が高いという相関が、中国の5000人超の調査で確認された(参加率:運動なし約23% vs 運動あり約48%)。
- 運動と寄付行動の関連には『社会的責任感の向上』と『主観的幸福感の向上』という2つの心理的メカニズムが部分的に関与している可能性が示されている(ただし仮説段階)。
- この傾向は性別・年齢・居住地の違いによって大きくは変わらなかったが、観察データに基づく相関であり、運動が寄付を増やすという因果関係が証明されたわけではない。
■ 出典・注意事項
- 出典:Enhancing generosity through exercise: the association between physical exercise and charitable donation behavior / Frontiers in Psychology, 2025年7月22日 / https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2025.1606795/full
- 注意事項①:本研究は中国総合社会調査(CGSS2012)の横断的観察データを使用しており、運動が寄付行動を引き起こすという因果関係を証明するものではありません。
- 注意事項②:データは中国国内のサンプルであり、文化的・社会的背景の異なる日本など他の国への直接の一般化には限界があります。
- 注意事項③:媒介分析で示された社会的責任感・主観的幸福感の役割はあくまで統計的な媒介の可能性であり、メカニズムの仮説として位置づけられています。
研究自体の紹介はこちら😊
定期的に運動をしている人は、利他的である
https://wellbeing-archive.pages.dev/posts/2025-08-04-1754331086/